最先端メディア通信

キャラクターと共に冒険の旅へ VRアニメの世界

  • 染瀬直人
  • 2018年4月3日

 好きなアニメーションの世界観に浸り、キャラクターと共に生きる。そんな夢がかなうのもVRコンテンツならではの体験だ。今回は家族で楽しめる傑作VRアニメ作品を紹介していく。

 まずは、2016年、Baobab Studios制作の『INVASION!』から。

【YouTube360】INVASION! 360 VR Full Episode

 UFOに乗って飛来した少しドジなエイリアンたちと、彼らと遭遇したうさぎが勇敢に賢く立ち向かうというショートストーリー。

 エイリアンが話す意味不明な宇宙語以外セリフはなく、場面は雪の舞う氷結した湖上の一シーンのみというシンプルな設定となっている。うさぎのキャラクターがとても愛くるしく造形されていて、アニメの空間の中で共に生きているような実感を得られるのだ。イーサン・ホークがナレーションを担当していることも話題になった。2017年にエミー賞を受賞している。

 制作したBaobab Studiosは、ドリームワークス・アニメーションで制作された有名なCGアニメ映画『マダガスカル』のディレクターや、ピクサー・アニメーション・スタジオの関係者らが設立したVRアニメスタジオだ。

 この作品はOculus Rift、HTC Vive、PalyStation VR、Gear VR、Daydreamのプラットフォームにも配信されている。

 その『INVASION!』の続編が『ASTEROIDS!』という作品である。

【YouTube360】ASTEROIDS! 360 VR Full Episode

 今回はエイリアンたちの乗る宇宙船が舞台。愛すべきエイリアンの“マック”と“チーズ”、そして、その親友のロボットのペット“ピース(エンドウ豆)”が繰り広げる、宇宙の冒険物語だ。ギザギザの歯をした宇宙人の襲来や、小惑星との衝突など、幾多の危機を乗り越えながら、ユーモラスなやり取りの中に、友情を感じさせる6分58秒の作品。サンダンス映画祭に公式にノミネートされ、Unity Vision Awardを、またリュミエール賞ベストVRアニメーションを受賞した。『INVASION!』に比べると、いくつかカット割りもあり、ストーリーテリングが変化に富むなど進歩が見られる。

 YouTube版とは別に、Gear VRやDaydreamのバージョンでは、視聴者がストーリーに参加できるインタラクティブな構成になっているので、そちらもぜひ楽しんでいただきたい。この11分間のインタラクティブ版では、視聴者は宇宙船の一員のロボットとなり、仲間を助けるミッションを担っていく。

【YouTube360】360 Google Spotlight Stories: Rain or Shine

 『Rain or Shine』は、VRのコンテンツシリーズGoogle Spotlight Storiesとして、2016年に制作された作品。Google Spotlight Storiesは、GoogleのR&D(研究開発)部門ATAP(Advanced Technology and Projects)が制作しているシリーズ。8作目となる今作はNexus Studiosとの共同制作で、フェリックス・マッシーが監督を務めている。

 ある晴れた日のロンドン。外は夏の日差しが照りつけている。少女エラは家に届けられたばかりの新しいサングラスをかけて、早速お出かけすることにした。すると、そのサングラスには不思議な効果があり……。コミカルな展開を楽しみながら、物事は見方次第で、良くも悪くも受け止められるということを教えてくれる物語だ。

 制作の舞台裏を見られるビデオも公開されている。

【YouTube】Google Spotlight Stories: Behind The Scenes Rain or Shine

 最後にご紹介するのは、同じくGoogle Spotlight Storiesから、少し大人向けの作品『Pearl』だ。

【YouTube360】360 Google Spotlight Stories:Pearl

 『愛犬とごちそう』という作品で、第87回アカデミー賞の短編アニメ賞を受賞した経験のあるパトリック・オズボーンの監督作品。この『Pearl』は、VRアニメ作品としては、初のアカデミー賞ノミネートとなった。少女サラの思春期や反抗期の成長と、父親との絆がテーマ。自動車の車内の空間を舞台に、助手席からの変わらぬ視点からロードムービー風に二人の関係をセンチメンタルに描き出している。この作品は空間音声として視線を向けた方向から、音が聴こえてくる仕様になっているので、そちらもお楽しみいただきたい。

 メイキングを収録したビデオはこちら。

【YouTube】Google Spotlight Stories: Behind The Scenes Pearl

 『Pearl』では、ミュージシャンだった父親と、やがてバンドミュージシャンとして成功する娘を描く中で、音楽が重要なモチーフとなっている。全編を通じて流れる印象的な主題歌『No Wrong Way Home』にまつわる舞台裏の動画はこちらに公開されている。

【YouTube】Google Spotlight Stories: Behind Pearl's "No Wrong Way Home" with Pollen Music Group

 VRアニメ作品には、この他、ハグ好きなハリネズミのヘンリーを主人公に、風船でできた動物たちとの誕生日会のエピソードを描いてエミー賞を受賞したOculus Studio制作の『Henry』や、マッチ売りの少女をリメイクしたPenrose Studios制作の『Allumette』など、非常に評価の高い作品が多い。

 360度ならではの表現と、没入感を生かした新しいストーリーテリングが、アニメの世界でも模索され続けていることに注目したい。

お手軽な360度VR動画の楽しみ方

Getty Images

 段ボール製の簡易型VRゴーグルとスマホアプリがあれば、手軽に没入感があるVR動画の視聴を楽しめる。

 YouTubeアプリのインストールはこちらから(iOS版, Android版

 アプリでVR(2眼)表示に切り替え、スマホを取り付けたゴーグルをのぞくと、目の前にVR空間が広がる。ぜひお試しを。

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