連載・口福のランチ

イタリアの味を忠実に再現したパスタが最高においしい「ジリオ」(東京・新橋)

  • 文・写真 ライター 森野真代 イラスト あんじミサ
  • 2018年4月4日

  

  • シエナ伝統のパスタ「イ・ピーチ」は地養鶏を白ワインで煮込んだソースで

  • 鎌倉産ズッキーニや北海道産有機ジャガイモなど野菜にこだわったフェットゥチーネ

  • 美しく盛り合わされた前菜は410円で追加可能

  • 新橋の喧騒から遮断された空間に導く階段もシェフのこだわりポイント

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 イタリアン特集2店舗目は、新橋の「ジリオ」。2008年の開店以来、トスカーナ州の郷土料理を、イタリアの風情たっぷりの居心地の良い空間で味わえる人気店だ。トスカーナの料理といえば、手打ちパスタ、肉や野菜の炭火焼など、味付けも塩、胡椒(こしょう)やオリーブオイルが基本で素材そのものの味を楽しめる料理が多い。ジリオでもなるべくアレンジせずに本場の味を忠実に表現している。

 ジリオに来たらぜひ食べて欲しいのが、日本ではまだ珍しいシエナ伝統の手打ちパスタ「イ・ピーチ」。弾力があって、もっちりとした極太麺は、手打ちうどんにも似た独特のパスタだ。表面積が大きくてソースがよく絡み、もちもちの食感がクセになる。イタリアから仕入れた小麦粉を硬水でこねて、1本1本手でのばしていく。できるだけ粉の風味を出すために3日間寝かせてから使う。イタリアでは1週間ほど寝かせるが、湿気の多い日本では3日がベストなのだそう。

 平日の「パスタランチ(1080円)」は手打ち麺と乾麺の合計3種類から選択できる。毎朝店内で焼いている自家製パンが付く。ソースは日替わりで、例えばイ・ピーチに合わせるのは、地養鶏を白ワインで丹念に煮込んだシンプルだけど味わい深いソース。フェットゥチーネに合わせたズッキーニ、ジャガイモにジェノバペーストを絡めた王道ソースも絶品だ。

 410円で追加できる前菜の盛り合わせが何とも豪華だ。生ハム、魚の燻製(くんせい)、豆の煮込み、キノコのマリネなど、丁寧に手作りされた前菜が10種類前後も盛られている。粉やオリーブオイルなどイタリア直送のもの以外も、ほとんどの食材が産地直送。肉は北海道の短角牛の赤身肉。野菜は熊本や山口など産地から直接仕入れ、手に入らないものだけを市場で調達する。「日本の食材はイタリアに比べて味わいが繊細。できるかぎり素材の味わいを引き出すように工夫しています」とスーシェフの松尾一将さん。

 内装はいたってシンプルだが、店内はイタリアを感じさせる空気で満ちている。「店の雰囲気は人が作り出すもの。料理とスタッフでできる限りイタリアを演出しています」。松尾さんは、行き交う人々であふれる新橋の騒がしさから隔離された空間を作りたかったという。

 「こだわりのポイントを一つだけ挙げるなら、地下へと降りていく石張りの階段と入り口の大きな一枚板のドアでしょうか」

 扉を開けた瞬間からイタリアを感じながら“おいしいランチタイム”を過ごせるお店だ。

<今回のお店のデータ>
ジリオ
東京都港区新橋6-9-2 新橋第一ビルB1
050-5868-6548 03-3438-0748
http://giglio.jp/

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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