インタビュー

吉田羊「裸の自分をのぞき見されているようで気恥ずかしかった」 映画『ラブ×ドック』インタビュー

  • 文・武田由紀子 写真・花田龍之介
  • 2018年5月7日

映画『ラブ×ドック』主演の吉田羊さん

初恋の味を忘れ、酸いも甘いも経験したアラフォーこそ陥りやすい「恋したいけど失敗はしたくない」という葛藤。そんな大人におすすめのラブコメディー映画『ラブ×ドック』が5月11日(金)から公開される。

主演は、今やドラマに映画、舞台、CMに引っ張りだこの人気俳優・吉田羊さん。吉田さんと言えば、クールな警官や検事、頼れる上司や母親役など、恋愛もののイメージがあまりないが、今作では多彩な恋愛を繰り広げるアラフォー女子を愛情たっぷりに演じている。「恋愛がテーマだと気持ちが全然違う」と、撮影の裏話や自身の恋愛観について語ってくれた。真っ赤なワンピースをふわりとなびかせ現れた吉田さん。“恋する吉田羊”という新たな一面を見るようで、胸がどきりと高鳴る。

「恋愛は本能的なものだから、演じているとどうしてもパーソナルがにじんでしまう。今回はキスシーンが3つあり、『吉田羊は、こういう風にキスするんだ』とか『相手が違うとこう変わるんだな』と見る人がいるのではないかと思うと、どこか裸の自分をのぞき見されているような気恥ずかしさがありました。しかし、私で主演映画を撮りたいと思ってくださった関係者の方々、鈴木おさむ監督の勇気に応えたいという思いが強かったです」

冬木玲子医院長役の広末涼子さん(右)と桜木美木役の成田凌さん(左) 映画『ラブ×ドック』より (C)2018『ラブ×ドック』製作委員会

野村・玉木・吉田、多彩で豪華な恋人役。「甘いラブシーンを全力で演じたから、笑わずにできた」

吉田さん演じる主人公の剛田飛鳥は、人気パティシエとして人生で成功を収めながらも恋はこじらせ気味。そんなときに出合った恋愛クリニック『ラブドック』で処方された「危険な恋を抑制する薬」を打って、恋愛の軌道修正に挑む。恋人役は、20代の年下男子・星矢役に野村周平さん、同世代のトレーナー野村役に玉木宏さん、年上のオーナー淡井役に吉田鋼太郎さんという豪華な3人。かつて共演したことのある面々だが本格的な絡みは初、「恋人役を演じたことで、新たな魅力に気づかされた」と言う。

「野村(周平)くんとは年1ペースで共演していて、いつも私の娘に手を出す彼氏役(笑)。今回恋人役でグッと距離が縮まって、『お互いに恥ずかしいね』って話していました。野村くんは、世間的にはやんちゃなイメージですが、本当はすごく誠実で役に対しても真摯(しんし)に向き合うタイプ。とても優しくて、現場でも恋人役ということで『羊さん、かわいいですね』『きれいですね』と言葉でモチベーションをあげてくれました」

年下のパティシエ・花田星矢役の野村周平さん(右) 映画『ラブ×ドック』より (C)2018『ラブ×ドック』製作委員会

「玉木(宏)さんは、映画『幕末高校生』の夫婦役で共演しました。玉木さんがかっこいいのは、ピンポン球を使ったふざけたラブシーンを全力で演じてくださったこと。劇中のセリフにもありましたが『ロマンチックな空気を作られると、こちらもロマンチックを演じはじめる』ので、大真面目にふざけたシーンを演じてくださったおかげで、私もピンポン球でキスしていいと思えた(笑)。あのシーンは、玉木さんの全力のおかげで成り立っています」

整体ジムのトレーナー・野村俊介役の玉木宏さん(右) 映画『ラブ×ドック』より (C)2018『ラブ×ドック』製作委員会

「(吉田)鋼太郎さんは、プライベートの飲み会では会っていますが、ガッツリ絡むのは初めて。とても楽しみにしていました。鋼太郎さんも歯の浮くような甘いセリフを、あの説得力で笑わずにぶつけてくださった。おかげで私も噴き出すことなくできました。吉田鋼太郎という俳優が積み重ねてきた経験値からくる説得力、そしてどこか色男イメージがある鋼太郎さん自身が持つ、女性を喜ばせる引き出しを垣間見た気がします」

飛鳥と不倫する淡井淳治役の吉田鋼太郎さん(右) 映画『ラブ×ドック』より (C)2018『ラブ×ドック』製作委員会

監督・鈴木おさむの手腕が光る、愛されるキャラクター&ファンタジーなエンターテインメントに

監督・脚本は、鈴木おさむさん。人気放送作家で手がけた脚本は数多いが、監督業は今作が初。「おさむさん自身がすごく愛のある方なので、現場にも役柄にもそれが反映されていた」と撮影時を振り返る。

「クランクインの日に、おさむさんが“用意スタート!”をかけ忘れる事件がありまして。『誰がかけるんだ? 俺か?』って(笑)。この先大丈夫かなと不安に思った半面、初日に『何も分からないのでみんな教えてください!』と監督が手の内を見せてくれたことで、みんなの絆が深まりました。現場はすごく平和な雰囲気でしたね。

飛鳥が恋する相手それぞれが、『こいつめ!』と思う半面どこか憎めない。学習せずに恋愛に溺れていく主人公を見ながらも、なぜか応援してしまうのは、おさむさんが作るキャラクターが敵を作らないキャラクターだから。“キャラクターがみんなに愛されて欲しい”という思いが現場でも感じられました」

【動画】吉田羊&大久保佳代子「親友と同じ人を好きになったら…」=4月26日試写会イベント、高橋敦撮影

「恋愛は本能でする。計算できるうちは本気じゃない」。しかし恋愛より親友を重視するタイプ

人生に恋愛は必要だが、友情や仕事も大事。世代もタイプも異なる三者三様の恋愛を経験した飛鳥は、最終的にどんな人生を選ぶのか? 吉田さんが選ぶなら3人の中で誰と恋愛をしてみたいか、また自身の恋愛論について聞いてみた。

「不倫でなければ、年上の淡井さん。仕事のパートナーでもあるので、常に励まして言葉をかけてもらえるというのは、仕事に向かうパワーになると思う。年上の包容力もあり、常に私を喜ばせてくれる気がします。人生で一番大切なのはユーモアだと思っています。あの甘いセリフを真顔で言って喜ばせてくれるだけでユーモアがある。日本の男性はシャイな人が多いから、言わなくても分かるだろ?って言うけれど、女性は言葉が欲しい生き物なんですよ。

恋愛って、本能でするもの。計算できるうちは、本気じゃない気がします。好きになるのに理由は、なくないですか? そういう本能に従って生きる方が幸せだと思います。計算していると相手にもバレるし、それに気づかれた瞬間、相手も冷めるんじゃないかな」

主人公・剛田飛鳥役で大人の恋を演じる

劇中では、飛鳥が親友と同じ人を好きになってしまうエピソードも。「恋愛か親友か、どっちを取るか」という質問には、「親友」と迷いなく答える。

「女性は、感性が似た者同士で集まることが多い。そうすると同じ人を好きになる確率は高いんですよね。ただ、私に置き換えてみると、親友って人生に1人2人いればいい。自分が本当に心を開ける相手は、たくさんはいないんです。大切な親友を傷つけるなら、その恋には行きたくないですよね」

パティシエ役とリンクする母との思い出。「菓子作りが得意だった。パウンドケーキは、思い出の味」

パティシエ役を演じるために、製菓学校でレッスンを受けて撮影に挑んだ吉田さん。「マカロンの皮って、作るのがすごく難しいんですよ。等間隔で同じ大きさに絞らなくちゃいけない」と苦労を振り返りつつ、お菓子作りが好きな母親の思い出を語ってくれた。

「私の母は、お菓子作りが好きでした。得意なケーキは、ドライフルーツとナッツがたっぷり入った、どっしりしたパウンドケーキ。映画と同じですね。母はいつも人のためにケーキを焼いていたので、家族の口に入るのはいつも最後でした。その記憶のせいか、自分がケーキを焼くときは人のために作るものというイメージがあります。お菓子作りは、私の人生にとっても身近なことです」

「何歳でも恋愛はできる」「いつだって恋は始められる」と背中を押してくれる映画『ラブ×ドック』。新たな吉田羊さんの一面を垣間見られ、男性にとっては女心を知るための指南書としてもぴったりの作品だ。

「飛鳥が同棲(どうせい)している恋人にプロポーズしてもらおうと、一芝居打つシーンがあるんです。そこで唯一おさむさんから、『いつもの2割増しでかわいくやってください』と言われて(笑)。ラブシーンは覚悟をして挑むので恥ずかしくないのですが、不意に現場で言われたから、ものすごく照れて恥ずかしかった(笑)。“照れる吉田羊”が見られるのは、この映画だけです」

「男性もぜひ見に来てください」

「アラフォーの恋愛はイタくなりがちですが、『ラブ×ドック』というファンタジーでオブラートに包んだエンターテインメントに仕上がっています。男性にとっては女心を知る指南書になるはず。女性に“ああすると喜ぶ”とか“こういうことは言っちゃダメ”とか。あと浮気している男性は、手の内が全てバレてますよって反省していただく。女性はもちろん、男性も怖いもの見たさでぜひ見に来てください」

【動画】映画『ラブ×ドック』予告編 (C)2018『ラブ×ドック』製作委員会

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映画『ラブ×ドック』作品情報
監督・脚本:鈴木おさむ
出演:吉田 羊、野村周平、大久保佳代子、篠原 篤、唐田えりか、成田 凌/広末涼子、吉田鋼太郎(特別出演)/玉木 宏 ほか
ミュージックディレクション&主題歌:加藤ミリヤ
製作:『ラブ×ドック』製作委員会
配給:アスミック・エース
(C)2018『ラブ×ドック』製作委員会
5月11日(金)より、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー
ウェブサイト:http://lovedoc.asmik-ace.co.jp/

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