小川フミオのモーターカー

ゴルファーに朗報の均衡のとれたロングボディ「LEXUS RX450hL」

  • 小川フミオの試乗記
  • 2018年5月8日

3.5リッターエンジンを使うハイブリッドシステムには電気式無段変速機の組合せ

いまSUVの多様化がはげしい。そのなかで登場したLEXUSのRX450hLは定員7人。特徴は5人乗り仕様の均衡のとれたスタイルを維持したうえでの使い勝手のよさにある。

全長4メートルそこそこのコンパクトSUVが数多く出るいっぽうで、大人数が乗れるSUVのニーズも高い。RX450hLはそこを狙った商品だ。

全長5000ミリ、全幅1895ミリ、全高1725ミリ

2017年12月に米国についで日本でも発売されたRX450hL。2790ミリのホイールベースは標準モデルと同一。全長を110ミリ延ばして5000ミリにしている。

ぼくが初めてこのクルマに接したのは2017年晩秋のロサンゼルスで開かれた自動車ショーだった。LEXUSの人気が高い土地であり、かつ北米で人気の大ぶりなSUVというカテゴリーのため、来場者の注目を集めていた。

前後長がスタンダード版より110ミリ延びているがスタイリングの印象は変わらない

その時点で日本での発売がすでに発表されていたが、米国のショーでも威風堂々としたサイズ感を持っていただけに、日本市場ですんなり受け入れられるのだろうか、と疑問を抱いたものだ。

はたして、初対面が広いゴルフ場だったせいか、日本でもそれほどの大きさは感じなかった。従来の印象を崩さずルーフの前後長を延ばし、3列めのシートをうまく組み込んだせいだろうか。

3列めシートをたてた状態で荷室容量は211リッター

3列めシートを倒すと荷室容量は652リッターで、2列めも倒すと1656リッターとなる

クーペのような流れるウィンドウグラフィクス(サイドウィンドウの輪郭)はロングボディ版にも採り入れられ、うまく溶け込んでいる。

シートを増やしたぶん荷室容量は211リッターと、2列シートの標準モデル(453リッター)の半分以下になってしまった。いっぽうでサードシートはおとなが乗るにはちょっと狭すぎてどっちつかずの感はいなめない。

2列めシートには前後スライド機構がそなわる

3列シートも豪華な雰囲気だがレッグルームはかなり窮屈

123kW(167ps)の最高出力と335Nmの最大トルクを発生する3456ccのV型6気筒ガソリンエンジン搭載。それに「E-Four」とLEXUSが呼ぶ前後に電気モーターを使ったAWD(総輪駆動)システムの組合せだ。

E-Fourは機械式の4輪駆動システムでなく、後輪の駆動に電気モーターを使う。発進時や悪路を含めて走行安定性が必要なとき後輪が駆動される。メリットは軽量かつ低燃費であることとLEXUSは説明している。

走りのほうはハイブリッドの恩恵で低い回転域から力がたっぷりあって、2トンを超える車体の重量を意識させない。ぐいぐいと加速していく感じが気持ちいいほどだ。

LCやLSなど新世代のモデルが出たいまとなっては古典的と呼べるデザインのコクピット

ボディが重量級のせいもあって、どっしりとしていて快適。いわゆるバネ上荷重が重いので乗り心地はよいのである。室内はぜいたくな作りだし、秀逸なクルマだ。

そこがRX450hLの真骨頂だとしたらロングボディ化も同じ評価軸でとらえてもいいかもしれない。つまり、3列目シートを起こしていれば荷室は小さいけれど、これを倒せば652リッターへと拡大するのだ。

3列めシートは電動で分割可倒式

3列化されたのだからその使い勝手を中心に評価をするのが“筋”かもしれない。けれど、ゴルフやスキーなどに行くひとには荷室の拡大で使い勝手が向上したことこそ、このクルマを選ぶ理由になるだろう。

クルマにはピープルムーバ−といって大人数を運ぶことを目的とした(ミニ)バンのジャンルがある。RX450hLはそこには入らない。もっと上級マーケットをねらったモデルである。

ウィンドウグラフィクスでクーペ的な表現をしているがよく見るとルーフの前後長は長い

当初から3列めのシートを設けず、RXステーションワゴン(当節ふうにいえばクロスオーバー)としたほうが、いさぎよかったかもしれない。

その意味ではRX450hLは広い荷室を欲しがるひとをターゲットにした、ライフスタイルカーなのだ。同じパワートレイン搭載のRX450hのversion LのAWDが希望小売価格729万6000円からであるのに対して、RX450hLは769万円である。

張りのある面が質感を感じさせる

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

小川フミオ(おがわ・ふみお)

写真

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

今、あなたにオススメ

Pickup!

Columns