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色が変わる服!? ANREALAGEのコレクション「PRISM」で目にした衝撃

  • 2018年5月10日

パリコレで発表されたANREALAGEの2018-19 A/Wコレクション「PRISM」。ショーの最後に登場したのは、光の当たる角度によって、色が変わり続ける服でした

常に新たな服作りを希求し続けてきたブランド「ANREALAGE(アンリアレイジ)」。

パリコレに進出して8シーズン目を迎えたコレクションのラストを飾ったのは、ブランドの姿を映すような服。

見る人によって全く違う色に見える服でした。

見る角度によって色が変わる服。つまり同時に見ても、人によって違う色に見えている、ということになります

2018年3月に、パリコレで発表されたANREALAGEの2018-19 A/Wコレクション。ラストに登場したのは、光の当たる角度によって、色が変わり続ける服でした。

「PRISM」というテーマを掲げた今シーズンは、光がプリズムの中で分解され、透明な光が虹色に見えるという原理を題材に、さまざまなアプローチで服が作られました。

中でもメインとなったのは、表面にプリズム効果のある微細なビーズ状の素材をコーティングした服。

この服は、当たった光が服の表面で屈折し、それぞれの角度に違う色の光を跳ね返すので、見る角度によって全く違う色に見えるのです。

生地だけでなく、形でも「PRISM」をテーマに服を要素にまで分解し、再構築することで新しい服を目指したコレクション

例えば普通の赤い服は、光が当たると、赤く見える波長の光だけを跳ね返すので、その光が目に入って赤く見えます。

でもプリズム素材で作られた服は、それぞれの方向に違う波長の光を跳ね返すので、自分が見ている色と、隣の人が見ている色が、全く違っている、ということになります。

実はこの服に使われている生地自体は、無色です。「〇〇色の服」と言えないこの服は、服に固有の色があるという概念を覆すのです。

生地の開発段階でのサンプル。光の当たる角度によって、ひとつの生地がさまざまな色を見せるのが分かります

同様に、他の服でもプリズムと光の関係をモチーフに、さまざまなアプローチが試みられています。

例えば、体の中心と、右腕、左腕がそれぞれ全く違う服に分かれている一着。

この服は、右腕がムートンジャケット、左腕がボアジャケット、体がダウンジャケットで構成されています。つまり、ひとつの同じ服なのに、見る方向によって全く違う服を着ているように映り、着る人も左右の質感や重さが全く違うという、不思議な不同一感を味わうことになります。

どんな服かと説明しようとしても、スルリとその言葉をすり抜けて、逃げ出してしまう。それが今回のコレクションで発表された服です。

右腕がムートンジャケット、左腕がボアジャケット、体がダウンジャケットと、それぞれ全く違う服に分かれている服

他にも光の屈折によって、透かして見たときに像が二重になって見える透明な素材など、服の像を多重化させ、ずらす仕掛けが施された素材やデザインが用いられている今回のコレクション。

まるで実像と虚像の間で揺らめくような服は、まさにANREALAGE というブランド名が表す、A REAL=日常、UNREAL=非日常という言葉を体現しているようです。

他にもプリズムと光の関係をモチーフにして、さまざまなアプローチで新しい服作りが試行されたコレクション

色も形も、素材でさえも、固定された絶対的なものではなく、服との関係をずらし、揺さぶることによって、新しい服が見えてくる。そんなメッセージを発するコレクション。

それはこれまでのANREALAGEの服作りの中でも、追い求められてきたテーマです。

服作りにおいて絶対的だと思われているものを疑い、それをひとつひとつの要素にまで分解し、再構築して見せることで、新たな多様性を生み出すことに成功した今回のコレクションでした。

(文・千葉敬介 写真提供・ANREALAGE)

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