キャンピングカーで行こう!

立体駐車場も大丈夫?バンコンタイプのキャンピングカー、普段使いは

  • 文・写真 渡部竜生
  • 2018年5月23日

キャンピングカーは欲しいけど、普段使いの車と2台持つのは大変だし……。そんなニーズを受けて人気なのが「普段使いできるサイズ」、特にバンコンタイプのキャンピングカーです。

中でもポップアップルーフ車は、普段は車高を低く抑えて使いやすく、キャンプ時には屋根を持ち上げる機構のおかげで、車内で立つことができたり、就寝定員を増やすことができたりするため、特に駐車場に悩む都市部のユーザーに人気です。

今回はそんな人気の1台の試乗リポートをお届けします。

ポップアップを展開したところ。天井にゆったりしたスペースが出現する

立体駐車場もOKの車高

今回お借りしたのは、キャンピングカー広島社のPeat(ピート)。ベース車両は日産・NV350の標準幅サイズ。そこにポップアップルーフを追加して、車内をキャッピングカー仕様に架装した車両です。

標準幅タイプがベースですから、全長4695ミリ×全幅1695ミリと非常にコンパクト。ファミリーカーとして人気のミニバンと比較すると、例えば同じ日産のセレナよりもさらにコンパクトです。(セレナは全長4770ミリ×全幅1740ミリ)

Peatの一番の特徴は、追加されたポップアップルーフの「薄さ」です。ポップアップという機構は、屋根部分を切断して取り付けるわけですが、屋根の強度や雨水の流れる通路を確保しながら、ポップアップルーフを薄く造るのは、実はとても難しいのです。

具体的に言えば、その屋根の厚みの中に、持ち上げたとき壁部分になる布地、雨をよける通路、そして屋根を持ち上げ・支えるダンパーを収めなければいけません。

しかし、そこは数多くのポップアップルーフ車を製作してきたキャンピングカー広島。加工後の全高をベース車両のわずか90ミリアップの2080ミリに抑えることに成功しました。

ショッピングモールなどの立体駐車場では、入場できる車両の全高を2100ミリ程度に制限しているところが多く、各社ともポップアップルーフ車の全高を2100ミリとしていますが、Peatはさらに20ミリ低いというわけです。わずか20ミリ、一円玉ひとつ分ではありますが、2100ミリ制限の場所に入っていくのも気持ちに余裕が持てますね。

ショッピングモールの立体駐車場にも入れてみた。もちろん問題なく収まる

実際、車両を見ても本当に低く抑えられており、デザインもとてもスタイリッシュ。言われなければキャンピングカーだとは気づかれない外観で、まさか屋根が持ち上がるなんて誰も思わないでしょう。

屋根が薄い分、気になるのは断熱です。しかしそこはキャンピングカー。ポップアップルーフ自体が薄くても、標準的なポップアップルーフと同程度の断熱処理はされていますので、秋冬の外出でも心配ありません。

劇的に楽なベッドの展開

では、車内のレイアウトはどうでしょうか。

3人掛けセカンドシートと2人掛け横向きシート(※8ナンバーですので横向き座席OKです)で乗車定員は7名。普段使いとしては十分でしょう。

セカンドシートはキャンピングカーではポピュラーなイタリアFASP製。オプションで背もたれの高いタイプも選べる。この写真は背もたれの低いタイプ

セカンドシートの背もたれの高いタイプがこちら。補助クッションを取り外すなど、ベッドメイクはひと手間増えるが、座り心地は確実に向上する

なお、もしキッチンはいらないのでその分収納を、などのオーダーで8ナンバー以外の仕様にした場合は後部シートも前向きになります。

走行中、前を向いているセカンドシートを後ろ向きにセットすれば、後部の横向きシートとL字形のサロンの出来上がり。付属のテーブルを取り付けて、ファミリーでゆったりくつろげるダイネットに早変わりです。

キッチンカウンターは、ガラスぶたつきシンクや40L冷蔵庫を内蔵。8ナンバーの構造要件をぎりぎり満たすミニマムな装備ではなく、キッチンも室内の広さも実用に足りるだけのサイズが確保されています。

簡潔にして充実のキッチン。このサイズのバンコンにはめずらしく、冷蔵庫も標準装備。普段使いの車に冷蔵庫がついていると、生ものなどの買い物も楽になる

7人乗りを実現する横向きサードシートはワンタッチスイング式。あっという間にフラットになる(写真右手がリア。サードシートはキッチンと向かい合わせになっている)

コンパクトなキャンピングカーで気になるのは、なんといっても就寝時のレイアウトでしょう。下段ベッドはセカンドシートを倒し、横向きのサードシートもフラットにするだけ。特にサードシートは、同社が特許をとったワンタッチ式なのであっという間にフラットになります。補助マットなどを使う必要がなく、ベッドメイクはとても簡単。これなら、雨天時でも、ごく短時間にベッド展開できて便利です。

ベッド展開するとご覧の通りのフルフラットに。ただし、セカンドシートとサードシートの間にベッド展開用のアームがあったりもするので、さらに快適に寝たいならば薄いマットレスなどあればさらに◎

上段のルーフベッドにもダンパーが装備されていて、展開も収納も楽々。女性ひとりでも問題なく操作ができるぐらい軽やかです。

室内各部には収納も配置され、リアにはこのクラスには珍しいクローゼットも備えているなど、老舗ならではの造り込みの細かさがうかがえます。

気になる走行性能は……?

普段使いにも遊びにも、となると、気になるのが走行性能。今回テストした車両は2WD(FR)の2000ccガソリン車。走りに関しては必要にして十分といったところでしょうか。実際、高原のキャンプ場に行くための峠道や高速道路を走ってみましたが、パワー不足を感じることはありませんでした。

ポップアップルーフのためにボディーの屋根は大きく切り取られているはずですが、ワインディングでも高速走行でも剛性不足やきしみ音もなし。屋根の重さも感じません。

ただ、今回は私1人しか乗っていませんし、荷物も最小限でした。実際には人数も荷物ももっと多くなるでしょうから、ファミリーユースを考えたら、お薦めは2500ccのターボディーゼルでしょう。車両設定としては、

・2000ccガソリンエンジン×FR
・2500ccターボディーゼル×FR
・2500ccターボディーゼル×4WD

の3種類。我が家のように、真冬のスキー場にも出かける使い方なら、トルクも大きい2500ccターボディーゼル×4WDがいいかもしません。

今回はショッピングモールの駐車場も利用してみました。当然ながら何の問題もなく立体駐車場にはいることができました。取り回しもミニバンそのもの。普段の買い物に、家族の送迎に、仕事に。街なかで使う分には何のストレスもありません。ベースがNV350ですので、自動ブレーキ「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」も標準装備。ファミリーカーとして使いやすいサイズ感と、広々とした居住スペースを兼ね備えた一台はカップルユースにもファミリーユースにも使えそうです。

「キャンピングカーを買い足す」のではなく「普段の車をキャンピングカーに」。キャンピングカーとしてはもちろん、普段使いにも便利な一台といえそうです。

【今回のテスト車両】
キャンピングカー広島 Peat
\5,179,000(2WD 2000ccガソリン)~
http://cc-hiro.co.jp/original01/index4.html

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