口福のランチ

伝説のカレーの魂を受け継ぐ「BLAKES」(東京・神宮前)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2018年6月13日

生トマトの風味と角切りした野菜の食感が楽しめる「野菜カレー」

かつて神宮前にあり、村上春樹をはじめ多くの著名人たちの舌だけでなく心までもわしづかみにし、ファッション関係者やクリエーターたちが足しげく通った伝説のカレー店「GHEE(ギー)」。しかし、2005年3月に惜しまれながら閉店した。

そのGHEEで20年以上シェフを務めた赤出川治さんがオーナー兼シェフとしてオープンしたのが、明治神宮前駅から10分ほどのビルの2Fにある「BLAKES(ブレイクス)」だ。伝説のカレーをそのまま味わえるとあってファンにとっては感激だが、かつての味を知らない人でも、その魅力に引き込まれるに違いない。

コーンが隠し味の「キーマカレー」と独特のスパイス使いの「バターチキンカレー」のコンビネーション

カレーの種類は、「バターチキン」、「キーマカレー」、「ビーフカレー」、「野菜カレー」と、ブレイクスになって新たに加わった「ミルクカレー」の五つ。S 800円、M 1000円、L 1300円の単品か、900円~1600円のコンビネーションで注文するが、もちろん2種類を味わえるコンビネーションがオススメだ。

赤出川さんの師匠は、原宿にあったカレー店「カルダモン」のインド人シェフ、アニールさん。赤出川さんは、アニールさんの作り方をアレンジはせずに、忠実に作り続けているそう。ただ、「ビーフカレー」だけは、GHEEのオーナーから渡されたレシピを試行錯誤して完成させたオリジナル。筆者はこのビーフが好きでたまらない。

牛すじで取ったスープストックに、牛バラ肉を8種類のスパイスで炒めたものを合わせて煮込んで一晩置く。それを残っているビーフカレーのルーと混ぜ合わせる。クローブの風味がきいていて、ホールの唐辛子も入ったパンチがきいた辛さ。しかし辛さで食べさせるのではなく、コクとうまみが詰まったどこにもない味わいなのだ。

パンチのきいた辛さの「ビーフカレー」とマイルドな「野菜カレー」のコンビネーション

GHEEの時からの筆者の定番は、野菜カレーとビーフカレーのコンビネーション。サツマイモやカリフラワー、生トマトが入ったマイルドでサラリとしたカレーが、パンチのきいたビーフと驚くほど合うのだ。とは言え、キーマもバターチキンも大好きで、行くたびに頭を抱えてしまう。

「バターチキン」は独特の香辛料使いと、クリーミーで軽快な酸味が印象的。「キーマカレー」は鶏ひき肉とグリーンピースに加え、炒めて香ばしさが増したコーンが入っている。「焼きトウモロコシって香ばしくておいしいでしょ」と赤出川さん。「ミルクカレー」は、もともとGHEEの時のまかない食。スタッフだけが味わえた幻のカレーが食べられるのだから、次回はトライしたい1品だ。

キーマカレー

ビーフもそうだが、カレーに使うトマトには、缶詰めは使わずに湯むきのトマトを使うのが赤出川流。「生のトマトじゃないと絶対に出せない味わい」なのだという。すべてのカレーは、仕込んだ当日に出すことはなく、一晩寝かせて翌日様子を見ながらさらに火入れをして完成させる。3日おきに仕込むものもあれば、1日おきのものもある。

インテリアや店内にかかる音楽も赤出川ワールド

雑居ビルの2階、かつてファッション業界にいた赤出川さんのセンスの光る店内は自然光が入り、白を基調におしゃれな空気を放っている。「ホントは1階が良かったんだよね」とのことだが、この“知る人ぞ知る”的な雰囲気がなかなかいい感じ。ブレイクスは、料理もインテリアも赤出川ワールドなのだ。

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<今回のお店のデータ>
BLAKES(ブレイクス)
東京都渋谷区神宮前2丁目20-13 神宮前TNビル2F
http://ghee-blakes.com/

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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