インタビュー

恒松祐里「『あの時の祐里、最悪だったよね』と言われるくらい、もがきながら演じました」映画『虹色デイズ』インタビュー

  • 文・武田由紀子 写真・花田龍之介
  • 2018年6月25日

【動画】恒松祐里さんインタビュー(撮影・高橋敦)

少女コミックといえば主人公は女の子だが、男子高校生が主人公という斬新な設定が人気を呼び、累計発行部数335万部を超える青春コミック『虹色デイズ』をご存じだろうか。“男子の本音が分かる”NO.1青春コミックと言われる今作を、佐野玲於・中川大志・高杉真宙・横浜流星、今をときめく若手人気俳優4人が主演を務め、実写映画化される。

男子4人の同級生の女子高校生、まり役を演じるのが女優の恒松祐里さん。現在19歳だがキャリアは子役時代からと長く、これまでに多くの映画やドラマに出演してきた。今回、爽やかな青春ストーリーの中で、ひときわ異彩を放つ“クセモノ”まり役を演じたことが「俳優としての考え方、役作りに大きな影響を与えた」と振り返る。まりを生み出すためにどんな苦労があったのだろうか?

映画『虹色デイズ』にまり役で出演する恒松祐里さん

撮影中のスマホのメモを見返すと病んだ内容ばかり。「毎日もがきながら、追いつめられながら演じていました」

同じクラスの男子4人組、なっちゃん(佐野玲於)、まっつん(中川大志)、つよぽん(高杉真宙)、恵ちゃん(横浜流星)は、性格も趣味も全く違うが、一緒につるみ毎日を楽しく過ごしていた。恒松さん演じるまりは、なっちゃんが思いを寄せる女子高生・杏奈(吉川愛)の親友。杏奈に近づくなっちゃんを敵対視し、ひたすら怒りと毒舌で攻撃する男嫌いの役だ。

「すごく難しい役だと感じました。原作を読んでから監督面談に挑んだのですが、演じながら本当に苦しくて。まりちゃんは、複雑な心境を抱えて生きている子なんですよね。でも監督面談の時に、自分でもびっくりするぐらい感情が高まって、自然に涙がポロポロと出てきたんです。『この役で、自分のお芝居が変わるかもしれない』と思っていたら、受かったと連絡が来て。改めて、『この役はこれからの私の芝居人生に大きく影響する役だ』と思い、撮影に臨みました」

寂しがり屋で男嫌い。杏奈に近づくなっちゃんを敵対視し、怒りと毒舌で攻撃するまり(C)2018「虹色デイズ」製作委員会

「まりは寂しがり屋で男嫌い、人を信用しない人。だからなのか、この役を演じていた時は、家でも反抗期みたいに親に強く当たってしまっていたんです。(今日この後)完成披露試写会に親も来てくれるんですけど、『あの時期の祐里、最悪だったよね』って言われて(笑)。それくらい悩みながら、毎日もがきながら演じていました」

撮影期間の約1カ月、普段の生活でもまりを意識しながら生活をしていたという。複雑な心境が重なり、撮影が終わった時には安堵(あんど)からか涙があふれ出した。

「まりが男嫌いだから、お父さんにもすごく嫌悪していました。電車に乗っても、『まりなら男の人に近づかないだろうな』と距離を置くとか。生活の中に、いつもまりがいましたね。

普段はそんなことないんですよ。この役が私とは正反対の難しい役で、まりがいつも心にモヤモヤを抱えていたからか、そのモヤモヤが私にもうつってしまったのかも。『こんな演じ方でいいのかな?』と毎日悩みながら過ごしていました。撮影期間中のスマホのメモには、すごく病んだ内容ばかり書いていて(笑)。本当に大変だったんだなと改めて感じました。

撮影が終わった時は心からホッとして、監督と話している時に涙が出てきてしまって。それくらい追い詰められて演じていたんだと思います」

「撮影中は吉川愛ちゃんと『リアルまりあんな』のように一緒にいました」

4人の仲の良さがスクリーンから伝わってくる。「カメラが回っていない時も息ぴったりでした」

まり役を演じたことで、作品への考え方、役作りの仕方が変わったという恒松さん。幼い頃から子役として活躍していたこともあり、今まではどんな役も「何も考えずに自然と対応できていた」。しかし自分と正反対の人物を演じることで悩んでいた時、監督からあるものを渡された。

「“役作りの仕方”というプリントをいただいたんです。そこには、朝起きたら何をするか? 好きな名言は? 嫌いな言葉は?とか、役を作っていく上での質問がたくさん書いてありました。今回は、それを参考にまりを作っていきました。それが小さなしぐさとか、セリフの奥にある考え方にも影響してくるんですよね。

プリントは今でも大切に持っていて、他の作品に入る時に、この女の子はどんな言葉が好きなんだろう? とかノートにメモするようになりました。ただ考えて演じていた時より、ちゃんと言葉にする、文章に置き換えることで、より分かることがあるんですね。すごくいいことを教えていただいたなと思います」

左からつよぽん(高杉真宙)、なっちゃん(佐野玲於)、まっつん(中川大志)、恵ちゃん(横浜流星)(C)2018「虹色デイズ」製作委員会

旬の若手俳優4人との共演。現場の雰囲気は、「スクリーンに映っていたみんなと同じ。とても仲が良かった」と楽しそうに振り返る。

「やっぱり4人は仲が良くて、ひとつのテーブルを囲んでワイワイしてましたね。カメラが回っていない時も息がぴったりで、撮影前の台本の確認をみんなでやったり。4人の本当の仲の良さがカメラ越しにそのまま伝わってくるのが、この映画の魅力でもあると思います」

杏奈(吉川愛・左)となっちゃん(佐野玲於)(C)2018「虹色デイズ」製作委員会

「私は、杏奈役の吉川愛ちゃんと2人で写真や動画を撮ったり、撮休の時はゲームセンターに行ってプリクラを撮ったり、アイスを食べたり。映画の中と同じで、ずっと愛ちゃんと一緒にいましたね。愛ちゃんとは、2010年のドラマ『ハガネの女』で共演して以来、久しぶりに再会したんです。しかも親友役だったので、とてもうれしかった! お互いに話し合わなくても自然と、まりと杏奈の関係性になれた気がします。

高杉さん、横浜さんとも共演したことがあったので、初対面は佐野さんくらいでした。初めてご一緒するのに、役とはいえツンケンして意地悪をしてしまい、申し訳ないな……と思いながら演じていましたね」

人生初のお姫様抱っこを経験。「2回連続でコケたシーンは、今世紀最大の恥ずかしさです(笑)」

印象的だったシーン、苦労したシーンを聞くと二つの場面をあげてくれた。

「中川さんが、教室で倒れた私をお姫様抱っこして階段を下りるシーンがあるのですが、実は人生初のお姫様抱っこでした(笑)。少し緊張しましたが、中川さんが本当に大変そうで、『階段を上がる方なら大丈夫だけど、下りる方か~』と私を落とさないように心配されていたのが印象的でした」

まり(恒松祐里)が気になるまっつん(中川大志・左)(C)2018「虹色デイズ」製作委員会

「苦労したというか恥ずかしかったのが、まっつんに告白され、私が歩道橋を駆け下りて走り去るシーン。階段を下りたところで、今世紀最大にコケてしまって……。もう一回やったら、全く同じところでまた転んでしまったんです(笑)。それが恥ずかしくて恥ずかしくて……。結局、そのカットはなくなってしまったんですけど、私の体力のなさ、運動音痴さが現れていて、恥ずかしさが止まりませんでした。あと、あまり注目しないで欲しいのですが、最後の方の階段を下りるシーンでも地味にコケてるんです……(笑)。

普段からよくつまずくんですよね。1日1回はつまずくので、いろんな人から『この子はこけやすいから気をつけてやってください』と言われるくらい。ある意味病気かも(笑)」

劇中では、ピュアで元気キャラのなっちゃん、チャラいモテ男のまっつん、オタクでマイペースな秀才つよぽん、笑顔でオープンだがドSの恵ちゃん、それぞれの恋物語が描かれる。映画では、まっつんに好かれる役どころだが、恒松さんが一番魅力的だと思う役どころは? 自身の恋愛観についても聞いてみた。

「うーん、チャラすぎるからまっつんはないかな。なっちゃんは純粋すぎるし。つよぽんか恵ちゃんなんですけど、原作の恵ちゃんより映画はS度がマイルドになっているので話しやすい。でも恵ちゃんは、『男女には友情が存在しない』って言っているから、やっぱりつよぽんかな(笑)」

恋は、自分がときめくかどうかが大切。「私の最低限の条件は、猫アレルギーじゃない人」

「この4人で実際に一番モテそうな人? うーん、気遣い上手なのは高杉さん。いつもまわりをよく見てくださっていて、気遣いがすごく上手です。でも中川さんも、みんなに『お味噌汁食べる?』とか配ってくれて、佐野さんもすごく優しかったし。一番の腰の低さから言うと高杉さんですかね。性格がおっとりしていて優しいんですよね」

「撮影が終わった時は心からホッとして、涙が出てきました」

「恋愛では、自分がときめくかどうかが大切なのかなと思います。ときめかないとただの友達になるので、お互いがときめきあえる関係が恋人になるのかな。私の恋する条件? とりあえず、猫アレルギーじゃない人がいいです(笑)。猫を飼っているので、これが最低限の条件ですね」

友情や恋、進路など、いつの時代も変わらない高校生の悩みや輝きを丁寧に描いた青春映画『虹色デイズ』。同世代のコミックファンはもちろん、大人になった私たちが見ても、新たな気づきとフレッシュな感性を呼び起こしてくれる爽快な作品に仕上がっている。最後に、恒松さんが映画の見どころとメッセージをくれた。

「どの世代の人が見ても楽しめる映画だと思います」

「高校生のキラキラすべて、楽しいことや苦しいこと、悲しいことも、みんな詰まっている映画です。高校生って、自分が何者でどういう人間か、自分の気持ちもはっきり分からない年頃じゃないですか?

高校生や学生の方が見て共感できる部分もあるし、逆に大人の方が見て、『懐かしいな、こういう時代あったな』とも思える作品。飯塚健監督らしく、面白おかしくテンポよく描いているので、どの世代の人が見ても楽しめる映画だと思います。学生だからこそゆっくり進む恋愛とか、その空気感が心地よく描かれている作品です」

映画『虹色デイズ』予告編

[PR]

『虹色デイズ』作品情報
出演:佐野玲於(GENERATIONS from EXILE TRIBE)、中川大志、高杉真宙、横浜流星、吉川愛、恒松祐里、堀田真由、坂東希(E-girls/Flower)、山田裕貴、滝藤賢一
原作:水野美波「虹色デイズ」(集英社マーガレットコミックス刊)
監督:飯塚健
脚本:根津理香/飯塚健
音楽:海田庄吾
エンディング・テーマ:「ワンダーラスト」降谷建志(ビクターエンタテインメント/MOB SQUAD)
挿入曲:フジファブリック/阿部真央/Leola/SUPER BEAVER
企画・配給:松竹
(C)2018「虹色デイズ」製作委員会(C)水野美波/集英社
公式サイト:nijiiro-days.jp
公式Twitter:@nijiiro_movie
7月6日(金)全国ロードショー

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

今、あなたにオススメ

Pickup!

Columns