&(and) MUSIC

愛を感じる5曲から朝ドラのモノマネまで デビュー35周年、原田知世の今

  • THE ONE I LOVE
  • 2018年6月29日

(C)Naomi Wada

こんな時代だからこそ、愛を聴きませんか、語りませんか――。&マガジン編集部がセレクトした“愛”にまつわる楽曲を紹介する連載「THE ONE I LOVE」。今回は、原田知世さんが5曲をセレクトしてくださいました。

昨年デビュー35周年を迎えた原田さんは、セルフリメイクアルバム『音楽と私』をリリースし、全国ツアーも実施。その東京公演が余すところ無く収録されたライブDVD/Blu-rayについて、さらに朝ドラで話題のあのモノマネについてもお聞きしました。

<セレクト曲>
・SUPER BUTTER DOG「サヨナラCOLOR」
・高木正勝「Girls」
・細野晴臣「Smile」
・Ed Sheeran「Photograph」
・原田知世「Double Rainbow」

 


■SUPER BUTTER DOG「サヨナラCOLOR」


(原田知世さんコメント)
私も出演した竹中直人監督の映画『サヨナラCOLOR』の主題歌です。竹中監督からオファーをいただいたとき、実は映画のタイトルは決まっていませんでしたが、「この曲をテーマソングにしたい」とおっしゃっていましたね。当時、私が最も好きな曲でしたので、この映画に出演できたことは不思議なご縁を感じます。永積タカシさんの歌が持つエネルギーが、胸にまっすぐに刺さってくる曲。映画ではラストシーンで流れますが、竹中監督のこの曲への愛が溢れる演出になっています。

 

■高木正勝「Girls」


(原田知世さんコメント)
時々じっくりと聴きたくなる、美しいピアノ曲です。高木さんご自身が手掛けられたミュージックビデオもピアノ同様に美しく、この曲を聴いていると、幼い頃の懐かしい風景が走馬灯のように浮かんできます。記憶のなかに残っている愛おしいものと結びついているようです。

 

■細野晴臣「Smile」


(原田知世さんコメント)
たくさんのミュージシャンがカバーしている「Smile」ですが、私は細野さんのバージョンが大好きです。あたたかい光で包んでくれるような曲。細野さんの歌声が優しく、心が弱っている時に何度この曲に力をもらったかわかりません。私にとってはエバーグリーンな作品です。

 

■Ed Sheeran「Photograph」


(原田知世さんコメント)
私のおいっ子が聴いていて、この曲に出会いました。ミュージックビデオが、ご本人の赤ちゃんのころから現在までの生い立ち動画を積み重ねて構成されています。ご家族が撮ったであろうプライベートな動画がすごくかわいらしいんです。育っていく我が子への愛がどのシーンにも溢れていて、なんとも幸せな気持ちになります。私もこの作品でエド・シーランが好きになりました。

 

■原田知世「Double Rainbow」


(原田知世さんコメント)
20代後半に「ロマンス」という曲の歌詞を書いたことがあります。すごく好きになった相手に、その思いを伝えにいくという歌詞でした。若い頃は恋をするとすべてがきらめいて見えますよね。
「Double Rainbow」は、そこから時が経って、大人の恋の始まりを書いた歌詞です。恋は何回もすると思うけど、その人と向き合うという意味では、どの恋も初めての経験。大人になっても、思わずドキドキしてしまう気持ちがあることの大切さや、「好き」の感じ方の変化などを表現しました。

 

  

インタビュー

――デビュー35周年記念のライブ映像『音楽と私 35周年アニバーサリー・ツアーin東京2017』がリリースされました。このツアーで、アニバーサリーだからこそできたことはありますか?

原田 俳優の仕事も含めて35周年の記念公演でしたので、映像を使って過去のハイライト場面を振り返りました。ここ数年はブルーノートなど小さな会場で歌う機会が多かったのですが、今回は少し大きな会場で、映像も映し出せる環境でした。

――「時をかける少女」の映画の冒頭のワンシーンからライブが始まりますが、やはりご自身のルーツとなるものから始めたい、という思いがあったのでしょうか?

原田 はい。もちろん私にとってのルーツですが、お客様にもあの曲や映画をすごく大事に思ってくれる方は多いんです。2017年はファンの方に恩返しする1年と考えていました。

――曲順などのライブ内容はどのように決めたんですか?

原田 無理に議論はしなくても、みんなで自然とアイデアを出し合えました。というのも、プロデューサーの伊藤ゴローさんとはアルバム『music & me』から一緒で4作目、他のメンバーのみなさんともライブごとに会っていて、長い付き合いになりましたので。

――成熟したチームなんですね。

原田 信頼感があります。ひとりではなかなかできないことでも、周りに一緒にいてくれる人たちが本当に素晴らしくて、みなさんと音楽を作ることができる幸せをかみしめながらやってきました。音楽の歩みの中で培ってきた、私の財産です。みんな、素晴らしいミュージシャンですし、本当に人柄もいい。

――人柄がよくないと続かないですよね。

原田 ゴローさん以外は、ほとんど年下なんです。だけど音楽とすごく真摯(しんし)に向き合っている人ばかりなので、気持ちがいい。その人たちの前に立って歌う重みを感じ、「いい歌が歌えるようになりたい」「歌をもっと育てよう」と思いながら過ごした数年でもあります。成長させてもらったし、刺激もたくさんもらいました。

――大編成のバンドの前で歌うことは気持ちよさそうだなと思う反面、いろんな人の思いを背負う分のプレッシャーもありそうです。

原田 でも、振り返ると安心しますよ。特に今回は、一体感を出せるようにセンターを囲むような陣形でやりたいとお願いしました。

――ライブではひんぱんにアイコンタクトをされていましたね。

原田 本番中に「次、何だったかな」と、一瞬忘れることもあって、そういうときに振り返ると、みんなが「大丈夫!」みたいな感じで見てくれるんです。あとは私自身、みんなを見ることで、楽しんでいるこの時間を共有したいという思いがあったかもしれません。

――収録されている東京公演でのハイライトは、やはり誕生日のサプライズだと思います。コンサートの幕引きとして原田さんが「September!」と最後の曲名を叫んだところ、突然誕生日のお祝いが始まるという演出でしたが、あっけにとられる原田さんの表情がすごく面白くて(一同笑)。あれがリアル感をすごく醸し出していました。

原田 本当にリアルです。サプライズでした。

(C)Naomi Wada

――大林宣彦監督と角川春樹さんがコメントを寄せてくれたというのはすごいことですよね。

原田 このお二方にまでコメントをいただけるなんて…。それに、きっと喜ぶだろうとこっそり準備してくれたみなさんの気持ちを想像するとジンときます。みんなの気持ち、やさしさに触れた気がしてすごくうれしかったです。

――「September」では、なぜミュージックビデオでやっている振り付けをやらなかったんですか?

原田 もう余裕がなかったです(笑)。最初はやろうかなと思っていたんですけど、歌に集中できないことが少し気になって。動きながらは難しいですね。マイクの位置がずれたりとか、そういう細かいところも結構気になるので。その代わりに「年下の男の子」(キャンディーズ)のカバーで楽しく踊りました。

――そこは歌へのプロ意識というか。

原田 歌はやはり大事にしたいと思います。

――話は変わって、これまで複数のプロデューサーが原田さんと一緒に曲を制作してきました。一緒に仕事したいと思った決め手は何ですか?

原田 自分の直感は大事にしています。時間を積み重ねれば関係性が深くなるかといえばそうでもなかったりします。短い時間でも、すごくいい関係でお仕事ができる人もいる。

――直感力みたいなものを鍛えておく術はあったりしますか?

原田 大人になると、失敗をしないようにという気持ちから、慎重さが生まれてくると思います。そのときの気分なので、もしかしたら来年は思ってないかもしれない。だから「鉄は熱いうちに打て」です。

朝ドラで披露 話題のモノマネ秘話

――ところで、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』に萩尾和子役で出演中ですが、作中で金八先生のモノマネをしたことが話題になっています。練習はされたんですか?

原田 その前にやった『マグマ大使』のゴア(*)も金八先生も、モノマネ芸人の原口あきまささんに教わりました。どっからどうやっていいのかまったく分からなくて(一同笑)。

*編注 『マグマ大使』は1960年代の特撮ヒーロードラマ。原田知世さんは『半分、青い。』で同作のキャラクター「ゴア」のモノマネを披露

――取っ掛かりが分からないですよね。

原田 NHKの方が「プロに教えてもらいましょうか」って言ってくださったので「それはもう、ぜひ」と。まさかあのレジェンドが来てくださると思わなかったので、すごくうれしくて。コツを教えてもらって、あとは毎日毎日、自主練。ギターの練習と並行してやっていたので、ツアー中も「難しくて困ってるんですよー」ってゴローさんに話していました(笑)。

――ギターと金八! 金八先生ぐらい定番となると、モノマネの人のモノマネみたいな感じになりがちだと思うんですが、まったくそんなことなく、予想外の仕上がりでした。

原田 本当ですか? ありがとうございます! 意外と、あの「バカチンが」というせりふをマネている例が少ないんです。モノマネ芸人のみなさんは、金八先生の名前を言うとか他のところをやっていて。

――そのモノマネがすごく話題になっているのが面白いなと思って。

原田 そうですよね。思わぬところで。そこじゃないんですけどね(一同笑い)。

――俳優業、音楽活動の両面で40周年、45周年に向けた次の動きを楽しみにしています。

原田 はい。ありがとうございます。

(企画制作・たしざん、ライター・大草朋宏)


■Profile
原田知世(はらだ・ともよ)
1983年、映画『時をかける少女』でスクリーンデビュー。以降、多数の映画、TVドラマに出演するほか、ドキュメンタリー番組などのナレーションを担当するなど幅広く活躍。また、歌手としてもデビュー当時からコンスタントにアルバムを発表。鈴木慶一、 トーレ・ヨハンソン、伊藤ゴローなどさまざまなアーティストとのコラボレーションが話題に。2017年、新アレンジによるセルフカバーアルバム『音楽と私』、そのライブを収めた『音楽と私 35周年アニバーサリー・ツアーin東京2017』を発売。現在、NHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』に出演中。


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