モーニング娘。20周年企画

新垣里沙(前編) 苦労人が語るプラチナ期の幕開け

  • 第3回
  • 2018年7月10日

  

■Profile
新垣里沙
誕生日:1988年10月20日
加入日:2001年8月26日
リーダー歴:2011年10月1日~2012年5月18日(230日)
卒業:2012年5月18日 日本武道館
在籍:3918日(10年8カ月と22日)

 

楽しい、うれしいと感じるのは一瞬で、つらいことがほとんど

2007年6月2日から1581日。これは新垣里沙がモーニング娘。でサブリーダーを務めた日数になる。07年5月7日、藤本美貴がリーダーに就任したが、直後の6月1日に脱退。当時サブリーダーだった高橋愛が繰り上がりでリーダーになり、空席になったサブリーダーに新垣が指名された。

「それからの時期が一番大変でしたね。ずっと憧れていた『モーニング娘。』に入ることができて、ご一緒できた先輩たちの中では最後になった吉澤ひとみさんが卒業された時、“これからは私たちが先輩たちの教えを受け継がなければいけない”という責任感が生まれました。でも、愛ちゃんは優しいから、後輩に厳しいことを言えないんですよ。リーダーの言葉の方が説得力を持つと訴えても、「ガキさんが言って……」とお願いされてしまう。“今後どうしていくのか、ちょっと話そう?”とか“それなら私が言うから、フォローはよろしくね?”とか、仕事の話で意見をぶつけ合うようになって、段々と完全なビジネスパートナーの関係になっていきましたね」

  

同期から頼られ、吉澤からはしっかり者と太鼓判を押されるなど、いまやモーニング娘。でも1、2を争う苦労人として知られる彼女。その由縁は、ファンとして憧れていたモーニング娘。のオーディションに合格し、2001年夏に5期新メンバーとしてグループに加入した頃にさかのぼる。

「当初は楽しい、うれしいと感じられることなど本当に一瞬で、つらいことがほとんどでした」

新垣の加入に手心が加えられたのではないかという誤解を端に、一部ファンの間でネガティブな疑惑がまことしやかに取り沙汰されたのだ。その当時、2001年の日本といえばソフトバンクがYahoo!BBでブロードバンド市場に参入するなど、すでにインターネットが一般にも普及し始めていた頃だけに、ネット上では彼女へのバッシングが頻発。ステージでも、時に心無いヤジが飛び、ブーイングが沸き起こるほどの状況が長く続いたのだ。この時、新垣はまだ12歳だった。

【動画】YouTube「モーニング娘。 『Mr.Moonlight ~愛のビッグバンド~ 』 (MV)」

ステップアップする為のクオリティを作っていこう

「ある時、受け入れられていないことが明らかに分かるライブを両親が観に来てしまう機会があって、終わった後に2人と話して“もう辞めよう”と決めたこともありました。でも、スタッフの方々と話をしてもう一度考えた時に、そんな状況でも私のことを応援してくれる人がいることに改めて気づいたんです。本当に少なかったけど、こんな私を応援してくれる人がいるんだって」

そして彼女は、自分の道を貫く決意をする。

「やっぱり人の目が気になってしまうことは誰でもあると思うんですけど、自分の道を歩んでいく為にはどうするべきかを考えるように、心をシフトさせたら変わることができました。今、自分がやるべきことを頑張る。そこに集中するようになることで、周囲の目や変な誤解があまり気にならなくなっていたんです」

  

夢が叶(かな)い、たどり着いた入口で待っていた不条理な現実。そこを乗り越えていく姿を目の当たりにしていた人ほど、彼女を“苦労人”と褒めたたえる。では、彼女が決意した“やるべきこと”とは何だったのか。

「『ステップアップする為のクオリティを作っていこう』って決めました。先輩方が徐々に卒業していく中で、メディアにもあまり出られなくなっていく。私たちの主戦場がライブのステージに変わったんです。ライブを見るにはお金がかかりますよね? つまり、本気で好きになってもらえないと来てもらえない。そのためには、本当に良いパフォーマンスを見せなければいけない、ずば抜けて格好良いグループにしなければならないと思って、もっとスキルを磨くことに力を入れました」

サブリーダー就任の前には、新メンバーの一員として中国からジュンジュンとリンリンが加入。その影響でアジア諸国をはじめ海外でパフォーマンスする機会も増え、ファンの間でそのクオリティの高さが評判になり始めていった。

プラチナ期の始まり「本気で格好良さを追求していく」

「パリのJapan Expoなどにも参加させてもらう中で、つんく♂さんからいただく楽曲も変わってきた。明るい、楽しい、元気といったイメージから、本気で格好良いサウンド、パフォーマンスを追求していく傾向になっていったんです。日本ではあまり無いことですが、海外ではたとえチケットを買って来たとしても、ステージが良くなかったら観客は帰ってしまう。大切な時間とお金を使って来てくれる人が満足してもらえるものを、よりしっかりと見せなければいけません。それが噂になって、話題になって新しい人たちにも興味を持ってもらえるようにしたい。全員がそういう気持ちで臨んだ結果、海外のパフォーマンスでもすごく盛り上がってもらえるようになってきて。それからは自信を持ってモーニング娘。の楽曲を届けられていたと思います」

人気が低迷している時代だからこそ、本当のパフォーマンスを追求し、世界に通用するクオリティを目指す。後に“プラチナ期”と称され、現在の下地を創造した時代はここから始まった。この時代があったからこそ、華やかなりし黄金期とはまったく違ったアプローチで、再び日本を感動させ、次いで世界中で支持されるグループへと、モーニング娘。は進化できたのだ。

  

さらにもうひとつ、プラチナ期に改革をもたらせた大きな要因と言われることがある。モーニング娘。は、ジュンジュン&リンリンが8期の「留学生」として加入した2007年より、長い間、メンバーの入れ替わりがなかったことだ。唯一あったのは7期 久住小春の卒業(2009年12月)で、約4年弱の間、グループは同じメンバーだった。

「こんなに長い間、新メンバーが加入しなかったのは20年の歴史の中で他に無いことですし、毎年1歳ずつ年を取っていくので、大人ばかりにもなりますよね(笑)。でも、メンバーが固定されていたからこそ、とても濃い時間を共有することができましたし、良い時間になったと思います。今思い返しても、私たちにとって本当に大切な時期でした」

しかし、そんな彼女たちの思いとは裏腹に、世間におけるモーニング娘。の認知度は横ばいのまま。黄金期と比べられてしまう日々が続いていく。次回、新垣里沙の後編では、そうした状況下だからこそ生まれた継承と改革の意志と、彼女が苦しんだ人間関係に迫っていく。

(インタビュー・文:平賀哲雄、撮影:Jumpei Yamada)

 

特集ページはこちら

  

<新垣里沙さん出演情報>

【Hello! Project 20th Anniversary!! Hello! Project 2018 SUMMER】

http://www.helloproject.com/news/8741

【鈴木砂羽プロデュースユニット  港.ロッ区.vol.1「ロックの女」】

https://minatoxxx69.tumblr.com/

・日程 2018年8月31日(金)~9月9日(日)

・会場 赤坂RED THEATER

・作、演出 福田転球

・出演 椿鬼奴、新垣里沙、平田敦子、佐藤真弓、関谷春子、鈴木砂羽 他

・チケット料金 前売5,000円/当日5,500円

・チケット取扱い

■チケットぴあ

http://w.pia.jp/t/minatoxxx69/
0570-02-9999〈Pコード:486-517〉
チケットぴあ店舗、セブン-イレブン、サークルK・サンクスでも直接販売

■イープラス

http://eplus.jp/minatoxxx69/
ファミリーマート店舗(店内Famiポート)でも直接販売

■ローソンチケット

http://l-tike.com/minatoxxx69/
0570-084-003〈Lコード:38869〉ローソン・ミニストップ店舗(店内Loppi)でも直接販売

■カンフェティ

http://confetti-web.com/minatoxxx69/
0120-240-540 (平日10:00~18:00※通話料無料)

■企画・製作・主催 港.ロッ区.

■公演に関するお問い合わせ 港.ロッ区. minatoxxx69@gmail.com

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