子供に贈るなら、どんな本を選ぶ? 親子の絆を深める5冊の絵本

  • 文・聞き手/&編集部
  • 2018年7月19日

Photo:Tom Merton / Getty Images

「母の日」「父の日」に続き、7月の第四日曜日は「親子の日」。年に一度、親子が向き合い、絆を深めることを願って、2003年、米国人写真家ブルース・オズボーン氏が発起人となって生み出された記念日です。

親子の日に親から子へ本を贈ろう――。TSUTAYAは昨年から、本を介して親子がつながる新たな習慣づくりを提案しているそうです。そのキャンペーンに他の書店や出版社も加わり、今年は7月1日~22日の期間中、全国の約900書店で出版社、書店、書店員らが選んだ“子供に贈りたいオススメ本”が陳列されるほか、オリジナルブックカバーやメッセージしおりが無料配布されます。

皆さんは子供に贈るなら、どんな本を選びますか? 小説、漫画、古典……さまざまな声がありそうですが、TSUTAYAが今年実施したアンケートでは、1位は「漫画 君たちはどう生きるか」(マガジンハウス)。人生の普遍的なテーマに向き合い、生き方の指針を学べる一冊だけに、この結果には納得する声も多そうです。

しかし、2位以下は票数にほとんど差がなく、作品も千差万別。選んだ人の個性が見えます。

そこで今回、「子供に贈りたい本のオススメ」というテーマで選書していただきました。登場していただくのは、&Mでも連載中の作詞家いしわたり淳治さん。現在4歳と1歳の2児を育てているいしわたりさんは、どんな本を選んだのでしょうか。

いしわたり淳治の「子供に贈りたい本」オススメ5冊

  

いしわたり淳治

1997年、ロックバンドSUPERCARのメンバーとしてデビュー。05年のバンド解散後は、作詞家としてSuperfly、SMAP、関ジャニ∞などに歌詞を提供するほか、チャットモンチー、9mm Parabellum Bullet、GLIM SPANKYなどをプロデュース。さまざまな音楽ジャンルを横断しながら通算600曲以上の楽曲を手掛ける。

今でこそ曲の作詞や小説・コラムの執筆などを行っていますが、僕は22歳まで本を読まずに大人になりました。読書家の父から「これは役に立つ」と本を押しつけられたことへの反発です。だから僕は、子供に一切本を勧めていません。それでも4歳の長男は常に20冊くらい絵本を借りてくるほど本好きに育ちました。

息子を見て思うのは、絵本はイマジネーションとクリエーティビティーを与えてくれるもの、ということ。「電車では静かにしなさい」「トイレは寝る前に」といった、どこか大人の都合を教えるための絵本は、僕の中ではちょっと違う。それは親が口で教えればいい。本が説教くさくなると、僕が父親に反発したように、子供が本を嫌いになってしまうような気がするのです。

足りないピースを埋めるのではなく、得意な部分や創造性を伸ばすこと。そんな視点で5冊の本を選びました。子供の個性によって合う・合わないはありますが、皆さんの本選びの参考になれば幸いです。

【1冊目】

「ペットになりたいねずみ」

作・絵:ローレン・チャイルド
訳:木坂 涼
出版社:フレーベル館

【推薦理由】
アメリカのホームドラマで見かけるようなジョークやウィットがふんだんにちりばめられた一冊。スタンダップコメディーを自分がやっている感じで、オチも素晴らしい。

うちの息子は普段、自分の好きな本の読み聞かせをねだってくるのに、この本に関しては「じゃあ、今日はパパの好きなのを読む?」って“逆接待”を受けることもあります(笑)。子供も親が楽しそうにしているのを見るのが好きなのかもしれませんね。純粋に大人にとっても面白い一冊です。



【2冊目】

「にているね!?」

作:五味太郎
出版社:福音館書店

【推薦理由】
五味太郎さんの絵本は本当にハズレがない。読んだことがない作品を見かければ、とりあえず借りるほど信頼しています。この本は、馬とイスが会話するもの。4本足であることをはじめ、馬がイスとの類似点を挙げていきます。最後に馬が、「それだったら俺もおんなじだ」と言うと、イスが「いや、俺たち似ているんだ」と返す。「似ている」と「同じ」は絶対的に違うことを、ミニマムかつ鮮やかに描いている点に感動しました。

やはり他人に「同じ」であることを求めると、それが出来ない人に対して不満を覚えてしまいます。それがいじめに発展することだってある。だから小さな頃から「似ている(けど同じじゃない)」という意識を持つことは非常に重要なこと。さらに自分の中でどこまでを「似ている」とするか、その考え方に幅を持たせることは、そのまま「違いを認める」ことにもつながっていく。まさに人生における大切な指針について考えるきっかけを与えてくれる本です。



【3冊目】

「おばけのコックさん」

作・絵:西平 あかね
出版社:福音館書店

【推薦理由】
おばけのレストランで料理を作るストーリー。食材も得体の知れないものばかりで、できあがった料理も「くるぽんきゅー」という謎の一品です。料理ごっこが好きな子供は多いと思いますが、たいていタマネギとかにんじんとか、食材が決まっていますよね。で、それをまとめると「はいカレーだよ」みたいな。

でも、この本は、決まった食材で決まった料理を作る、という固定観念を崩してくれるので、料理ごっこをするときの自由度がグッと上がります。例えばその辺にあるティッシュを拾って、「この『おばけライオンの卵』を使って『○○』というスープを作るんだ!」などと自分で名前を付けて、自由な発想で料理を完成させていく。非常にクリエーティブな遊びですよね。さらに自分の考えを堂々と発信することで、自信が身につくところも素晴らしい。



【4冊目】

「なつみはなんにでもなれる」

作・絵:ヨシタケシンスケ
出版社:PHP研究所

【推薦理由】
女の子が母親にひたすらモノマネを繰り出す内容の本。読後、うちの息子も自分のオリジナルのクイズを僕に出してきます。例えば、せんべいを一口かじるたびに「これなーんだ?」って(笑)。どう見てもただのせんべいなんですよ。けど、あえて「うさぎかな?」とか乗ってあげると、「ピンポーン!」とか突然正解したりして……もうワケが分からない(笑)。

ただ、子供が自分なりに問題を考え、正解かどうかも自ら判断し、それを通して親子の会話が弾んでいく。子供のクリエーティビティーと親子のコミュニケーションを活発化させてくれる一冊です。



【5冊目】

「すっぽんぽんのすけ」

作:もとしたいづみ
絵:荒井良二
出版社:鈴木出版

【推薦理由】
子供が風呂上がり、裸のまま家の外まで飛び出して、ひとつ冒険をして帰ってくる。この物語が非常に面白いようで、うちの息子はめちゃくちゃハマっています。子供は風呂上がりに裸でいるのが大好き。それが自然に描かれているのがいいのでしょう。

子供に見せたくないアニメとして「クレヨンしんちゃん」の名がよく挙がるじゃないですか。お尻を振ったりして。風呂上がりに裸でいるのも同じですが、あれ、親がダメって言うからやると思うんですよ。だからウチでは、「すっぽんぽんのすけ」みたいな本も積極的に見せるし、「クレヨンしんちゃん」もDVDを借りてきてまで見せています。ああいうおふざけもきっとそのうちやめるだろうし、みんなの前でふざけられるくらいのほうが性格が明るくなっていい気がしますから。

■「親子の日」に“本を贈ろう”公式ページ
http://oyako.org/news/2018/06/gift/

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