口福のランチ

店主自らハンティングしたジビエのカレー「ビートイート」(東京・喜多見)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2018年7月25日

3種類の日替わりカレーのセットはボリュームもたっぷり

今週のカレー店は、小田原線喜多見駅(東京都世田谷区)から5分ほどにある自然派スパイス料理店「ビートイート」。カウンター6席のみの小さな店には、店主のこだわりがギューッと詰まっている。この夏ぜひおすすめしたい一店だ。

こちらのカレー店は、とにかく個性的。なんと店主自らが狩猟に出かけて仕留めた鹿や熊などのジビエカレーが食べられるのだ。店主はハンターでもある竹林久仁子さん。竹林さんは10年以上前に交通事故に遭い、体調を崩したとき、玄米などを主食とするマクロビオティックに出会った。研究していくうちに、極力人の手が加えられていない肉を食べたいと思い一念発起して、狩猟の免許を取得した。

カレー作りに関しては、退院後にインドを旅してさまざまなスパイスを学び、さらに帰国後、スパイス料理研究家の香取薫さんに師事。スパイスを使う順序や、火の通し方など、その時に学んだ技法を現在も守っているという。

イワシが丸ごと一匹入ったユニークな「イワシと梅干のカレー」

そんなこだわりの店主の作るカレーランチは、想像をはるかに超えたおいしさだった。ランチタイムは、3種類の日替わりカレーの中から、1点なら1400円、2点は1700円、3つとも選ぶと2000円のカレーのセット。この日の3種は、「ポークビンダルー」、「豆腐とインゲンのカレー」、「イワシと梅干のカレー」というユニークなラインナップだった。

いつもはオプションでジビエの「エゾ鹿のキーマカレー(400円)」が追加できる。と、ところがなんと、そのキーマカレーが完売したというではないか。一歩遅かった。14時を過ぎていたので仕方がないと泣く泣く諦め、気を取り直して3種類の日替わりカレーを注文した。キーマカレーをライスに混ぜながらおいしそうにほお張っている隣の客を横目に、すぐに再訪することを心に誓う。

煮込まれた骨付き肉が柔らかくておいしい「ポークビンダルー」

3種類のカレーは、味わいがそれぞれ異なり、個性豊かでバラエティーに富む。骨付きの大きな豚肉がゴロリと入ったポークビンダルー。スパイスが染みた肉はスプーンでもほろりと骨から外れるほど柔らかい。鮮やかな黄色い豆腐カレーはコクがあって、想像以上に奥深い味わい。添えられたパクチーがよいアクセントになっている。そしてイワシ1本が入った迫力のカレーがこれまた絶品。青魚独特の臭みはまったくなく、魚の濃厚なうまみがカレーに溶け込んで実においしい。

セットには、サンバル、ダル、ライス、ヨーグルトに、薄いクラッカーのようなパパド、と副菜も付く。筆者が大好きなスープ、サンバルはうまみと酸味のバランスがよく、過去食べた中でも一、二を争うおいしさだった。

狩猟とレストランに加えて、ケータリングや料理教室もこなすパワフルな竹林さん。「私は好きなことしかできないから」と話す彼女の、好きなことが詰まったカレー店はこの夏、みんなに元気をくれるはず。

行動派のオーナーは自ら食材をハンティングする

<今回のお店のデータ>
ビートイート
東京都世田谷区喜多見9丁目2-18
03-5761-4577
https://www.facebook.com/beet-eat-369902779706346/

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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