キャンピングカーで行こう!

東京キャンピングカーショー2018の注目展示をレポート!

  • 文・写真 渡部竜生
  • 2018年8月1日

7月21、22両日、今年も東京ビッグサイトで東京キャンピングカーショー2018が開催されました。2日間の来場者数22,867名は昨年とほぼ同じですが、「命に関わるほど危険な猛暑」の日であったことを考えれば、立派な数字と言えるでしょう。

さて、会場を見渡してみると、残念ながら新型車はあまり多くありません。
その理由は、
・ベース車両にモデルチェンジがないこと
・キャンピングカー人気で、どのビルダーも現行車両の生産で手いっぱい
などが考えられます。
そんな中、少数ではありますが新型車が登場していましたので紹介します。

最新テクノロジー満載:リバティ52DB

斬新なデザインのシェルが目を引くリバティ52DB(アネックス社)の外観。ヨーロッパ車のようなモダンなデザインで人気を呼びそうだ

ミドルサイズバンコンからキャブコンまで、幅広いラインナップをそろえるアネックス社ですが、カムロードベースのキャブコンはしばらく途絶えていました。
その同社が満を持して発表したのが、リバティ52DBです。
その特徴を一言でいうと「最新テクノロジー満載の高級キャブコン」。
家庭用エアコンはもちろん、ヨーロッパの高級キャンピングカーにも採用されている温水式床暖房も装備。冷蔵庫は90L、給排水タンクは各80Lと、至れり尽くせりです。そして、こうした電気装備を支えるサブバッテリーには3kwhのリチウムイオンバッテリーが採用されています。

リバティ52DBのインテリア。白を基調とした明るい配色で、室内がより広く感じられる効果も(画像提供:アネックス)

気になるお値段は、2WD(FR)のガソリンエンジンで8,260,00円~。決して安いとはいえない額ではありますが、オプションリストにはサイドオーニングやソーラーパネルなど数点が並ぶのみ。およそ欲しい機能がすべて標準搭載された、フルスペック状態の商品であることを考えると、納得の金額です。
全長5,230mmとカムロードベースのキャブコンとしては最大級サイズ。そこで私が気になったのは、リアにエアコンの室外機や大型収納庫を備えるにもかかわらず、ベース車がシングルタイヤ仕様しか選べないこと。オプションでもいいからダブルタイヤを選択できるようになれば、より安心かつ安定的な走行が可能だろうに……と思うと残念です。

■アネックス社:リバティ52DB
http://www.annex-rv.co.jp/lineup/liberty52db.html

日産が純正リチウムイオンバッテリー搭載ベース車の市販を開始

Glamorous LIBのキモが、この運転席後ろに設置された大容量リチウムイオンバッテリーだ(画像:日産ピーズフィールドクラフト)

昨年コンセプトカーを出展して以来、ブラッシュアップを重ねてきた、日産純正リチウムイオンバッテリー搭載のNV350キャラバン。その市販モデルがついに、今回のショーでデビューしました。
日産が供給するのはあくまでも「リチウムイオンバッテリー搭載のNV350(ベース車両)」のみ。それを各ビルダーが架装してキャンピングカーに仕上げるという話で、昨年はベース車両としてのプレゼンテーションにとどまっていました。
今回登場したのは、日産ピーズフィールドクラフトの「Glamorous LIB(グラマラス リチウムイオンバッテリー)」。中央にラウンジ(食卓)、リアにキッチンを持つレイアウトは昨年発表のコンセプトカーとほぼ同じ。最大の特徴であるバッテリーのサイズは8kwh。これはエアコンや電子レンジ、IHクッキングヒーターなどをフル活用しても、少なくとも2泊3日程度は問題ない容量です。

Glamorous LIBの内部。ほぼ以前のコンセプトカーと同様のレイアウトだ。写真はベッドモードだが、変則的なクッション配置で、フルフラットと呼ぶにはもう一考欲しいところか……?(画像提供:日産ピーズフィールドクラフト)

残念な点があるとすると、走行中の充電ができません。ただ、空っぽの状態からフル充電まで6時間とのことなので、RVパークなど外部電源を利用できる施設を使えば、長期旅行も苦にならないでしょう。細かい点をあえて指摘するなら、展開時のベッドサイズがやや小さいなど、もう少し検討が必要な部分も。今後に期待したい1台です。

■日産ピーズフィールドクラフト Glamorous LIB
https://www.ps-craft.co.jp/

人気のトレーラーに待望のけん引免許不要サイズが

シンプルに徹してけん引免許不要を実現したトレイルワークス520(ケイワークス社)の内装。こう見えてもキッチンやベッドを備えていて、8ナンバーのキャンピングトレーラー登録だ

ケイワークス社は自走式ももちろんですが、数少ない国産トレーラーを製造販売している会社。中でも趣味人を中心に人気の「トレイルワークス520」は、日本サイズに合わせたトイホーラー(キャンピングトレーラーの後部に大きなハッチを設け、オートバイやジェットスキーなどを積む機能をもたせたもの)です。
これまでのモデルは、頑丈なリアハッチなどを設けた結果、車両重量が750kgをオーバーしているため、残念ながらけん引免許が必要でした。
今回のショーでお披露目されたのは、国産ボディーやドイツ・AL-KO社のシャシーなど従来モデルの高性能はそのままに、装備をぐっと簡略化。けん引免許が不要になるまで軽量化しました。内装は「ドンガラ」に近いシンプルさですが、むしろ色々な用途にカスタマイズしやすい、と好評だったとか。キャンピングトレーラーを遊びのベースキャンプにしたい人にはぴったりの一台です。

■ケイワークス トレイルワークス520
http://kworks-aurora.com/trail-works/

メーカー純正車中泊車の実力は?

大開口部を生かしたN-BOX車中泊仕様。オーニングを取り囲むプライベートテントがアウトドアリビングに。写真はベッド状態にしてあるが、せっかくフラットになる低床面を活かせていないのは、大幅な改造ができないメーカーの限界だろうか?

前回記事でご紹介したホンダ・N-VANの車中泊仕様車が早速展示されていました。
今回ブースを出していたのは、ホンダの純正アクセサリーを扱うホンダ・アクセス。通常のキャンピングカーの展示のように見えて、これはホンダ・アクセスが発売する「N-VAN用オプション」の展示なのです。
話を整理すると、こういうことです。
N-VANは低床設計で助手席に至るまでフルフラットになるユニークな軽バン。さらに左サイドのスライドドアはピラーレスで大きな開口部があります。そこでこの車を車中泊車として使いやすくするためのアクセサリーが、さまざまに用意されたということです。
一部はホンダが用意していますし、今回はホンダ・アクセスが用意したものも登場。どちらもホンダ純正のパーツというわけです。
もちろん、ホンダは自動車メーカーです。ですから、今回のアクセサリーの開発については、ホンダ系の車両を得意とするビルダー、ホワイトハウス社とのコラボレーションによって実現したといいます。

どんなアクセサリーだったかを少し詳しくご説明しましょう。
まずは、車の左サイドにとりつけるオーニング。そしてそのオーニングに取り付けてぐるりと囲いを作るプライバシーテントなど様々なアイテムが用意されています。ピラーレスの大開口部とサイドオーニング、プライバシーテントの組み合わせで、狭い室内でもアウトドアリビングにつながるようなレイアウトになっています。決して広いとは言えない室内で車内で立つこともできませんが、のびのびとしたリビングとしては使用可能、ということです。

もちろん、これらはあくまで「車中泊」仕様のアクセサリーであって、「N-VANベースのキャンピングカー」ではありません。もしこの展示が気に入って、欲しい!と思われたなら、まずN-VANを買って、展示と同じアクセサリーを買って、取り付けてください、ということなのです。
「それって、キャンピングカーと同じじゃないの?」と思われるかもしれません。ぱっと見は、確かに軽キャンピングカーです。

ですが、車両の内装に断熱処理が施されていません。そのため夏冬の暑さ・寒さは、ほぼダイレクトに影響します。また、オプションリストにFFヒーターが用意されていません。メーカーが取り扱いリストにこうした装備を載せるということは、故障などのトラブルにも対応せねばならないことを意味します。そのため、自動車メーカーはこうした「生活のための装備」はほとんど扱うことがないのです。
とはいえ、自動車メーカーがこういった取り組みを始めた、というのは喜ばしい事実です。キャンピングカーの各ビルダーも素材としてのN-VANには注目しているようで、これから登場するビルダー製のN-VANベース車にも注目です。

■ホンダ・N-VAN 車中泊仕様
https://www.circle-h.jp/shop/app/page/camp-car_n-van


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PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

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サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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