今日からランナー

減量が簡単に!? 体重管理の“秘密兵器”

  • 文・山口一臣
  • 2018年8月10日

Photo : Zephyr18 / Getty Images

マラソンランナーにとってのダイエットと体重管理の理屈について2回にわたって書いてきた。だが、理屈はわかっていてもなかなか実践できないのが体重管理というものだ。私自身は加齢で基礎代謝が落ちていることもあり、目標レースが終わるとBMIも体脂肪率も、どうしてもリバウンドしてしまう。そして、次の目標レースが決まるとまた一からボディーメイクをやり直すということを繰り返していた。

連載読者ならご存じの通り、もともと82.5kgあった体重がマラソンを始めたことで68.7kgまで減った。その後、77.9kgまでリバウンドして、2017年のベルリンマラソン(9月)に向けて71.2kgまで絞り込んだ。ところが、ベルリンでサブ4(フルマラソン4時間切り)が達成できたことに気をよくして、その年の暮れには再び76kg超まで戻ってしまったのだ。

そこから翌2018年4月下旬のロンドンマラソンまでの4カ月半で最低でも6kg、できれば8kg超、筋力を落とさない形で減量する必要に迫られていた。そして、結論を言うとこの時のウエートコントロールは驚くほどうまくいった。実は、偶然出会った体重管理の“秘密兵器”ともいえる機械のおかげで、きわめて順調に76kg→67kg(マイナス9kg)のダイエットに成功したのだ。

これを使えば恐らく誰もが簡単に、しかも楽しく痩せることができるのではないか。なにしろブレスレットをするように手首に巻くだけでモチベーションが維持できるのである。読者のみなさんにもぜひ知って欲しいと強く思った。そこで今回は、“秘密兵器”の正体とその使い方についてである。

「活動量計」(アクティブトラッカー)という言葉を聞いたことがあるだろうか。俳優のジュリア・ロバーツが愛用していることから海外セレブの“ボディーメイクアイテム”として注目され、日本へは4年ほど前に入ってきた。「ライフログ」「ウェアラブル端末」などとも呼ばれる。1日24時間の活動量を測定し、記録するためのツールである。その“正体”は、ザックリいうと心拍計と(万歩計に使われる)加速度センサーが合体したものだ。メーカーによって多少の違いはあるが、それによって、

(1)1日の歩行歩数と距離
(2)心拍数の推移
(3)運動時間と運動強度
(4)カロリー消費量
(5)睡眠の時間と質

などが測れるようになっている。スマホのアプリと連動して、それらが管理・記録される。要は、1日の活動(運動)を可視化しようというわけだ。体重管理がうまくいかなかったり、ダイエットが長続きしなかったりする理由は簡単だ。1日の運動成果が見えないからだ。

唯一の指標といえるのが体重だが、1日の変化はそう大きくないから、なかなか達成感につながらない。そんな悩みを解消するのが活動量計だ。活動量計を使えばトレーニング中だけでなく、オフィスでの仕事中や通勤、家事、リラックス時などを含めた1日の運動成果が丸々“数値化=見える化”されるので、意志の弱かった人でもモチベーション維持ができるようになるというわけだ。

活動量の“見える化”がモチベーション維持の秘密

活動量計は、アメリカの人気メーカーFitbitや北欧のPOLAR、GPS付きランニングウォッチメーカーとして有名なGARMINやEPSONなどから発売されている。

  

私が使っていたのはEPSONのPULSENSE(パルセンス)シリーズのPS-100というリストバンド型の機種だった。使い方の基本はどのメーカーもだいたい同じだと思う。まずは、スマホに専用のアプリをダウンロードして、活動量計とペアリングする。次に身長、年齢、体重などの基本データを入力し、目標体重や1日の目標歩数などを設定する。これだけだ。後は、端末を手首に装着するだけでその日の活動量が着々と計測・記録されていく仕組みだ。具体的に見てみよう。

  

上の画像は、私が実際に記録したある日の「歩数・距離メーター」だ。1日1万歩を目標にしているので、1万歩のところにフラッグが立っている。この日は午前中に10kmほど走ったので(上の棒グラフ参照)、目標より倍以上多い21426歩になった。あらかじめ入力しておいた身長から、おおよその移動距離(17.0km)も換算されている。

  

この画像は、その日の「エクササイズメーター」だ。私の活動量計は心拍数がある一定の数値を超えると運動時間(エクササイズタイム)と捉えることになっている。ランニングなどのトレーニング中はもちろんだが、通勤時に早足で駅に向かった時などもエクササイズにカウントされるようだ。その結果、1日にどれくらい運動したかが一目でわかるようになる。

しかも、それが運動強度別に記録される。この日は約3時間5分運動をした。そのうち約41分が強度の高い運動で、約1時間8分が脂肪燃焼ゾーンの運動だったことがわかる。効率よく体脂肪を落とすには、この運動強度のモニターがあるととても便利だ。

  

そして、私がもっとも感動したのが、上の画像の「カロリー収支メーター」だ。その日の運動量から消費カロリーを割り出してくれる。そこに、食べた量(摂取カロリー)を入力すると、たちまち1日のカロリー収支が計算されるというスグレモノだ。

「ダイエットの極意はカロリー収支をマイナスにすることだ」と言われても、いったいどれくらい運動をして、どれくらい食べればいいのか、普通の人にはわからない。「今日はいっぱい練習したから大ジョッキでビールを飲んでも大丈夫だ」などといい加減なことをやってきた。やみくもな食事制限はストレスにもなるし、長続きしない。食事制限のやり過ぎは、筋肉量減少のリスクもある(1日の目安はマイナス500kcal)。それが、このカロリー収支メーターを使えばいとも簡単に管理できる。夕食前にその日のカロリー収支をチェックすれば、あと残り何kcalまで食べていいかということもわかる。

やや面倒なのが、食べた食事のカロリーの入力だが、コンビニの商品はほとんどカロリー表示がしてあるし、ネットで「吉野家 牛丼」などと検索すれば大抵のカロリー数値は入手できる。それも面倒な人のために、PULSENSEのアプリには、食べた量を「少な目」「普通」「多め」から選択すると自動算出してくれる機能も付いていた。実際に使ってみると超便利だ。長く続けるためには非常に重要なポイントだと思う。

不思議なもので、PULSENSEを使い始めてからは体重管理が苦痛でなくなった。毎日の運動量やカロリー収支を見るのがだんだん楽しくなってくる。カロリー収支がプラスになってしまった翌日は意識して歩くようにしたり、飲酒を節制したりするようになる。1日の運動量が少ないと思った日は、帰りがけに一駅前で降りてみたりということもあった。活動量の“見える化”は、私にとってはそれほど効果のあることだった。

ところでこの活動量計、中心的な機能はほぼ同じだが、メーカーによって力の入れどころや使い勝手がかなり違う。どれを選ぶか、迷うはずだ。そんなわけで、次回は気になる活動量計の選び方について考えてみたい。

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PROFILE

山口一臣(やまぐち・かずおみ)

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1961年東京生まれ。ゴルフダイジェスト社を経て89年に朝日新聞社入社。週刊誌歴3誌27年。2005年11月から11年3月まで『週刊朝日』編集長。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。16年11月30日に朝日新聞社を退社。株式会社POWER NEWSを設立し、代表取締役。2010年のJALホノルルマラソン以来、フルマラソン20回完走! 自己ベストは3時間41分19秒(ネット)。

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