口福のランチ

目黒の閑静な住宅街にたたずむ手打ちそば「川せみ」(東京・目黒)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2018年8月16日

「天せいろ」のコストパフォーマンスの高さは驚き

地域ごとに口福のランチを紹介する特集「目黒編」の2軒目は、目黒駅から徒歩で10分弱。ホテル雅叙園東京の脇の急な坂道を降り、目黒川を渡ったところの住宅街にたたずむ手打ちそば「川せみ」。趣のある日本家屋ののれんの奥には、カウンター6席と、テーブル席が2人用3卓、4人用2卓の落ち着いた空間。午前11時30分にオープンすると、あっという間に席は埋まってしまう。

「せいろそば(740円)」や「粗挽き田舎そば(840円)」など、1000円前後で本格的な手打ちそばが味わえる。値段を安く抑えているのは、できるだけ気軽にそばを食べてほしいというオーナーの思いから。ランチタイムには、日替わりのご飯サービスもあり、この日は、大根の炊き込みご飯が茶わんに盛られて運ばれてきた。そばだけでは少々物足りないという人も、心配は無用だ。

天せいろについてくる天ぷら。とても充実している

この店に来たらぜひ味わって欲しいのが、「天せいろ(1020円)」。1020円とは信じられないコストパフォーマンスの良さだ。エビやイカ、ナス、シシトウ、カボチャにマイタケと素材の味わいを生かした薄衣の天ぷらがついてくる。エビはジューシーで甘く、早々に塩でたいらげた。主役のそばは風味もあり、のど越しもよい。程よい弾力があり、かみ応えもある。ちょっと濃いめのそばつゆを少しつけてズーッとすする。

今回はもう一品「季節蕎麦」を注文。とろみのあるオクラとメカブをのせて、焼きナスやカイワレ、ミョウガを添えた冷たいぶっかけそば。レモンの輪切りがいかにも涼しそうで、さっぱりとしてツルツルといける。

夏の暑い日にうれしい、さっぱりとした「季節蕎麦」

使っているそば粉は、国産の石臼挽きだ。そば粉を練り、伸ばし、切って、ゆでるまで、全ての工程は店内で行っている。そば粉は季節ごとに産地や種類が変わり、もう少しすると新そばが味わえるそうだ。付き合いの長い粉屋から、自慢の石臼挽粉が毎日届けられる。

心を込めて打った手打ちのそばには、口の中に広がる香りと絶妙な歯ごたえ、のど越しの良さがある。つゆも自家製だ。だしは、本節や亀節などのカツオ節をブレンドし、必要に応じてサバ節も加える。どちらかというとだしを利かせた濃いめの仕上げだ。

「そばはゆでたてが一番。忙しいランチ時間もスタッフと連携して、ゆで上げてからできるかぎり早く提供できるよう心がけています」と、店長の関和彦さん。

そば屋は、1人でも入りやすく、ちょっとしたビジネスランチなどにも利用可能で、さまざまなTPOに対応できる。気の利いたおいしいそば屋を覚えていると、いざという時に心強い。ぜひ行きつけのラインナップに入れてほしい1店だ。

桜並木で有名な目黒川の近くにある一軒家

<今回のお店のデータ>
川せみ
東京都目黒区下目黒2-17-23
03-3490-5959

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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