一眼気分

私的平成最後の夏@TOKYO 記憶にとどめたい光景たち

  • 文・写真 宮田正和
  • 2018年9月6日

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA 85mm/F1.4 DG HSM ART SP:1/100 F:1.4

ちまたでは「平成最後の夏」がキーワードになっている。確かに元号が変わることを事前に知る機会はそうはない。まあ、だからといって特別な夏になるわけではないのだけど(笑)。

僕自身は30年ぶりに日本の夏をフルに体感しているが、体温に近い、あるいは体温を超えるような外気温と強烈な湿度には改めて驚いている。

ヨーロッパでは暑さもそこまでひどくなく、さらに湿度が低いので日陰に入ると涼しく過ごしやすい! そんな記憶しかない。

でも暑いからといって冷房の効いた環境にずっといるわけにもいかないので、それならばいっそ暑気払いにと、カメラを持って街に出ることにした。

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA 135mm/F1.8 DG HSM ART SP :1/400 F:1.8

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA14-24mm/F2.8 DG HSM ART SP :1/200 F:2.8

実は子どもの頃、夏休みはあまり面白くなかった……。浅草で生まれて幼少期を過ごした僕には、田舎と呼べる実家は東京にしかなく、夏休みになると友人の多くが九州や関西、北海道などの両親の実家に、いわゆる里帰りをするのをうらやましく見送っていた。だから友達が少なくなってしまう夏休みはむしろ嫌いだった。

それでも花火や祭り、盆踊りなどはどことなくウキウキして、駄菓子や金魚すくいなど夜店を、小銭を握りしめて端から端まで走り回っていた。

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA14-24mm/F2.8 DG HSM ART SP :1/20 F:2.8

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA14-24mm/F2.8 DG HSM ART SP:1/400 F:2.8

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA14-24mm/F2.8 DG HSM ART SP :1/40 F:2.8

だからかもしれないが、日本のお祭りには懐かしく特別な感情がある。今でも祭ばやしに引き寄せられ、ついつい夜店をのぞき回ってしまう習性はそのままで(もちろん今は買い食いも、金魚すくいもしないけど)そこで見る子どもたちの表情や目の輝きは、どの時代でも変わらない。

日本橋で開催されていたイベントではビル群の間の通路を提灯(ちょうちん)とプロジェクションマッピングで装い、花火や金魚などを表現していた。浴衣姿の女性も多く、近くの神社から聞こえてくる風鈴の音も、ひとときの涼を与えてくれた。

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA12-24mm/F4.0 DG HSM ART SP :1/200 F:4.0

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA 135mm/F1.8 DG HSM ART SP:1/1600 F:1.8

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA 85mm/F1.4 DG HSM ART SP:1/200 F:1.4

現実には相変わらず東京にしか縁はなく、仕事の関係もあり、どこかへ出かけるには時間が足りず、結果的に僕の夏休みは「TOKYO」で完結した。

近年のデジタル技術の進化で、昔なら想像すらできないリアリティのある不思議なVR空間は、大人の僕でも楽しめた。もし子ども時代にこんなものが体験できたなら、僕は違う道に進んでいたかもしれない……、そう思えるほど楽しい時間と空間だった。東京には東京の面白さがある、それを再発見するのも悪くない。

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA 135mm/F1.8 DG HSM ART SP:1/160 F:1.8

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA 85mm/F1.4 DG HSM ART SP:1/640 F:1.4

CANON EOS 5D Mark IV SIGMA12-24mm/F4.0 DG HSM ART SP:1/60 F:4.0

今回使用した機材:EOS 5D Mark IV

軽量(Xシリーズと比較して)フルサイズで色の良さが気に入っている。今回の撮影のように街で撮影する際には、見た目が大きすぎず、相手を構えさせないのがいい。

  

レンズはSIGMAのアートラインから12-24mm/F4.0、14-24mm/F2.8、85m/F1.4、135mm/F1.8を使用。それぞれが絞り開放から使えるキレるレンズだ。中望遠レンズといえる85mmや135mmで開放値がそれぞれ1.4、1.8と明るいレンズなので、薄暮や夜の撮影でも使える。このアートラインシリーズはその重量さえ気にしなければ全てのレンズを持って歩きたくなる(笑)。

  

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

宮田正和(みやた・まさかず)写真家

東京浅草生まれ。1984年のロサンゼルス・オリンピックをはじめ、NBAバスケットボール、各種世界選手権、テニスのグランドスラム大会、ゴルフの全英オープンなどスポーツを中心に世界を舞台に撮影を続ける。1987年、ブラジルF1グランプリを撮影。マシンの持つ美しさ、人間模様にひかれ、1988年よりフランスのパリ、ニースに4年間ベースを移し、以来F1グランプリ、オートバイの世界選手権、ルマン24時間耐久レースなどモータースポーツをメインテーマとして活動を続ける。AIPS(国際スポーツ記者協会会員)A.J.P.S(日本スポーツプレス協会会員)F.O.P.A(Formula One Photographers Association会員)http://f1scene.com

今、あなたにオススメ

Pickup!

Columns