パパって楽しい

中村獅童さん、息子と「3、4年後に共演したい気持ちも」

  • 2018年9月5日

息子に見せたいのは、役者という天職にまい進する背中

「毎日一緒にいると気がつかないけれど、たまにインスタで過去の画像を見るとどんどん大きくなっているのがわかる。インスタで成長を感じています」と中村さんは話す(中村獅童さんインスタグラムより)

歌舞伎役者だった父が早くに廃業したため何の後ろ盾もなく、「君に主役は張れない」と10代の頃から言われてきました。でも、それでも僕が歌舞伎役者の道を突き進んだのは、幼い頃に祖母に連れられて歌舞伎を見て魅せられた原体験があるからです。

歌舞伎はおもしろいですよ。今はデジタル化が進んで、外に出なくてもいろんな情報を得られる世の中ですけれど、実際に劇場に足を運んでいただいてお客様と役者で時間を共有して、泣いて笑って一瞬の夢を見られるというのは生の演劇でしか味わえない、アナログならではの魅力だと思う。

11月に福岡・博多座で公演する「新作歌舞伎 あらしのよるに」は、ぜひ親子で見に来ていただきたい演目です。絵本が原作なので内容的にも親しみやすいですし、これまで博多座では6歳以上しか入場できなかったものを、今回は4歳以上まで引き下げましたので。

上演中にお子さんが声をあげると、「しっ!」と注意する親御さんもいますが、その必要はありません。感情のままに笑ったり泣いたりしてくれることは、僕ら役者は大歓迎です。だって、子どもは大人みたいに愛想笑いはしないでしょう? 「本当におもしろがってくれているんだな」ってわかるから、うれしいんです。それに、退屈して騒がれたんだとしたら、それはこちらの責任かもしれないですしね……。

そういえば、療養中はよくDVDを見ていたんですけど、「あ、これ親父(おやじ)と見にいった映画だ、懐かしいな」と思ったら、ふと作品の内容だけじゃなくて帰りに食べた鉄板焼きのことまで思い出したんです。あれからもう何十年も経っているのに、まるでその日にかえったかのように鮮やかに。

この作品を見たという事実だけではなく、誰と行って、どこに寄って、何を食べたか、どんな話をしたのかまで含めて一つの思い出として残っているものなんですね。「あらしのよるに」の観劇体験もそんな風に、観に来てくださった方の大切な思い出の一つになったらいいなと思います。

お客様に喜んでいただいて、時には夢や希望を与えることもできる役者という仕事は、僕の天職。誰かの人生の中に確かに「残った」と思っていただけるような芝居をこれからも続けていくので、息子にはそんな父親の背中を見ていてほしいですね。

(聞き手・渡部麻衣子)

「新作歌舞伎 あらしのよるに」はオオカミとヤギの友情を描いた作品。中村さんは、オオカミの「がぶ」役を演じる。「僕ががぶの声優を務めたアニメ映画のDVDを見て“予習”してくると、お子さんも舞台の世界に入り込みやすいかもしれません」。 公演は福岡・博多座で11月3日(土)から、チケットは9月8日(土)から販売。詳しくは博多座HP(https://www.hakataza.co.jp)で。

◆プロフィール
中村獅童(なかむら・しどう) 歌舞伎役者。1972年9月14日生まれ。
近況は公式サイト(http://www.shidou.jp)やインスタグラム(https://www.instagram.com/shido_nakamura/?hl=ja)で。

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