今日からランナー

ランナーの必需品「活動量計」 タイプ別のメリット・デメリットは?

  • 文・山口一臣
  • 2018年9月7日

活動量計には大きく分けて3つのタイプがある

ランニングを続ける上で必要な体重コントロールやダイエットに有効なアイテムとして活動量計(アクティブトラッカー)の存在を紹介した。前回は、メーカーによって機能が多種多様なため、ユーザー側の目的意識がはっきりしないと“最良の1台”を見つけることが難しいという話を書いた。今回は「じゃあ、どうすればいいんだ」という点を考えてみたい。

まず、活動量計は大きく分けて3つのタイプ(型)がある。これもメーカーごとに呼び方がバラバラで困ったものだが、私は便宜的に以下のような名前をつけた。

1、リストバンド型(ブレスレットのような形状をしたもの)
2、スマートウォッチ型(薄型腕時計のような形状をしたもの)
3、ランニングウォッチ一体型(ランニングウォッチのような形状をしたもの)

共通しているのは、腕に装着するもので、歩数を測るための加速度センサーが内蔵され、本体の裏には血流から心拍数を測るLEDが付いていることだ。

リストバンド型の特長

リストバンド型は活動量計の基本機能がスリムなボディに収まっていて、メリットはデザインがシンプルで軽くて装着感が少ないこと。睡眠時にしていても、あまり気にならない。デメリットはGPSだ。リストバンド型でもGPS付きはある(GARMINなど)が、当然ながら形状がややゴツくなる。スリムなタイプはほとんどGPSが付いていない。

そうなると、私がやっていたように右手に活動量計、左手にGPS付きランニングウォッチという“2台持ち”をしなければならない。ただ、私自身の経験では“2台持ち”はそれほど苦ではなかった。また、時刻が表示されるタイプなら、普段は活動量計だけつけて、練習やレースの時だけランニングウォッチもつけるという方法もある。ダイエットや体重コントロールが主な目的で使うなら、値段も安い(1万円以下からある)リストバンド型がいいかもしれない。

リストバンド型のEPSON PULSENSE PS-100T、LEDの光る数で心拍数を伝えてくれる

スマートウォッチ型の特長

スマートウォッチ型はスマートフォンの機能が詰まっていて、時刻はもちろん、携帯電話の着信(相手の名前も表示される)なども教えてくれる。リストバンド型と同様に軽くて装着していることを感じさせない。FitbitのIonicやApple Watchなど、最近はGPS付きが主流になりつつあるので、ランニングウォッチとしてもじゅうぶん使える。

ネックはリストバンド型に比べて値段が高いことと、バッテリーの駆動時間だ。Apple Watchの公式HPには〈GPSを使用した屋外ワークアウトで最大5時間〉と書いてある。フルマラソンや過酷なトレイルランニングに連れて行くにはちょっと心もとない。

だが、週末のジョギングや練習時限定で使うという目的なら、文字通り見た目も“スマート”でいいかもしれない。ちなみに、GPSが付いていないタイプ、例えばFitbitのversaなら1回の充電で〈4日以上〉(公式HP)稼働する。実際に使ってみると、〈バッテリーの残量が低いです〉というメールを受け取る設定ができて非常に便利だった。これならうっかりバッテリー切れになる心配がない。

おしゃれなボディにさまざまな機能が詰まっている。スマートウォッチ型のFitbit versa

ランニングウォッチ一体型の特長

ランニングウォッチ一体型は、従来からあるGPS付きランニングウォッチに活動量計の機能をビルトインしたものだ。

最大のメリットは、ランニングウォッチとしての精度と信頼性だ。バッテリーも、例えばEPSON・Wristableシリーズの上位機種ならGPSオンの状態で約36時間、オフなら最大10日間稼働するという(パンフレットより)。これならウルトラマラソンで使っても全然平気だ。

デメリットはリストバンド型に比べて値段が高いこと、一日中身につける(睡眠時も)前提の活動量計として考えると、ガタイがデカイことだろう。ただ、フルマラソンなど本格的なレースでも使うつもりなら、やはりランニングウォッチ一体型がいいと思う。要は、活動量計に軸足を置くか、ランニングウォッチに軸足を置くかという問題だ。

ランナーにとってはいちばん身近な感じかするランニングウォッチ一体型のEPSON Wristable J350B

実際に使ってみたところ……

さて、以上がハード面での留意点だが、実際に使う上で非常に重要なのが機器に連動するアプリなどソフト面での使い勝手だ。いわゆるUI(ユーザーインターフェイス)・UX(ユーザーエクスペリエンス)というやつだ。これは正直、個人の好みの問題も大きいので、購入前にHPやパンフレットをじっくり読んで研究するか、実際に使ってみるしかないと思う。以下は、あくまでもご参考まで。

【Fitbit versaを使ってみた】

ひとことで言うと「至れり尽くせり」な感じがした。ユーザー側から機械にアクセスするだけでなく、機械の方からいろいろ語りかけてくれる感じだ。

例えば、歩いているとversaがブルブル鳴り出すことがある。見ると、目標の歩数を達成しましたという文字と花火が上がる絵が映し出される。なんとなく嬉しい。励みになる。

逆に、オフィスで1時間近く座ったまま仕事をしていると、そろそろ歩きましょう! というようなことを言ってくる。ちょっとおせっかいな気もする(笑)。前述のようにバッテリーの残量お知らせのメールがくるだけでなく、「今日は階段を何段登りました。おめでとう!」みたいなメールもくる。

また、1週間ごとの活動記録もメールで送ってくれる。もちろん、こうした“語りかけ”をウザイと思う人は設定を解除して、おとなしくしてもらうこともできる。

  

Fitbitの特長のもうひとつが「睡眠ステージ」の計測だ。他社の機械でも睡眠の浅い・深いは測れるが、Fitbitは(深い睡眠/浅い睡眠/レム睡眠/目覚めた状態)の4つのステージを感知し、それをグラフで見せてくれる。ランニングとは直接関係はないが、これがなかなか面白い。ただ、この睡眠ステージを知ることでどんなメリットがあるのかが私にはわからなかった(笑)。

【EPSON Wristable J-350を使ってみた】

EPSONには、活動量計専用機のPULSENSEとランニングウォッチ一体型のWristableの2つシリーズがあって、アプリも別々になっている。Wristable用のアプリはひとことで言うと「アスリート仕様」という印象だ。

例えば、レースに向けての目標練習量(走行距離)を決めて、それに対する達成度がグラフで表示されたり、日常生活の活動量の記録だけでなくトレーニングの分析にも重きを置いた設計といえるだろう。

ただ、もともとのテーマだった体重コントロールやダイエットに特化して考えると、私が使っていた(前々回の連載で画面を紹介した)PULSENSE用のアプリの方が画面がシンプルでわかりやすい。

食事(摂取カロリー)や体重の入力もPULSENSE用のアプリの方が私には使いやすかった。WristableでもPULSENSE用のアプリが使えればいいのにと思っていたら、実は2つのアプリはクラウド上で連動(同期)していることがわかった。摂取カロリーの入力などに関しては両方のアプリが使えるようだ。どちらのアプリをメインに使うかも、好みの問題といえるだろう。

  

今回、記事を書くにあたってPULSENSE PS-100(リストバンド型)、Fitbit versa(スマートウォッチ型)、Wristable J-350(ランニングウォッチ一体型)を試してみたが、私にとっての“最良の1台”はどのタイプがいいか、正直、まだ迷っている。

あれを選ぶならこういう使い方がいいだろうし、これを選ぶならああいう使い方になるだろう……。でも、こうして悩みながら迷うのも、楽しみのひとつかもしれない。

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

山口一臣(やまぐち・かずおみ)

写真

1961年東京生まれ。ゴルフダイジェスト社を経て89年に朝日新聞社入社。週刊誌歴3誌27年。2005年11月から11年3月まで『週刊朝日』編集長。この間、テレビやラジオのコメンテーターなども務める。16年11月30日に朝日新聞社を退社。株式会社POWER NEWSを設立し、代表取締役。2010年のJALホノルルマラソン以来、フルマラソン20回完走! 自己ベストは3時間41分19秒(ネット)。

今、あなたにオススメ

Pickup!

Columns