ノジュール

大地の恵みを旅の思い出に

  • <第62回>9月号
  • 2018年9月13日

富良野「オーベルジュ エルバステラ」の周りは自然栽培の「菜園」

朝晩に涼しさを感じられるようになって、ようやく夏の終わりが見えてきました。夏が暑かったぶん秋の訪れに心躍り、実りの季節に食欲も増してくるといったところでしょうか。ノジュール9月号の巻頭特集「旅で出会う 奇跡の食材」では、その地へわざわざ足を運んでみたくなる、特別な食材や料理をさまざまにご紹介しています。

旅先でいただく瑞々しい野菜は、それだけで体が元気になるご馳走ですが、近頃はみずからの菜園で育てた野菜を料理として提供する「自家菜園をもつ宿」が増えてきました。新鮮さや安心・安全など、宿のこだわりはそれぞれですが、すぐそこで栽培された野菜を、そのよさを知り尽くした料理人が心を込めて調理してくれる……。そんな贅沢(ぜいたく)を堪能できる自家菜園の宿は、あらたな旅の目的としておすすめです。

自然のなかで育まれた野菜は、色とりどりで多種多彩

北海道・富良野にある「オーベルジュ エルバステラ」は、ハーブガーデンと菜園に囲まれて佇む瀟洒(しょうしゃ)な宿。ここは野菜ソムリエプロの夫婦が営む「やさいイタリアン」のオーベルジュで、自然栽培の菜園の野菜やハーブは年間で100種を超えるといいます。「のびのび育った野菜はいい顔をしていますし、味わいもとてもバランスがとれています」と語るのは、オーナーシェフの佐藤公亮さん。ここの野菜は無農薬、無肥料で育てられ、自然栽培が追及されています。

夕食には50種類以上の野菜が使われ、自家菜園の野菜以外はオーガニックのものを中心に、乳製品、肉、卵なども安全で持続可能な方法で作られた、信頼できる生産者のものを使用しているといいます。その料理は、アミューズからデザートまで、ふだん馴染みのあるはずの野菜たちが今までにない味わいとなって登場してくる、まさにサプライズの連続。宿のコンセプトでもある「非日常と感動」を実感できる夕食体験と言えるでしょう。

「花ズッキーニのフリット、古代米のリゾット添え」(オーベルジュ エルバステラ)

「放牧豚の低温ロースト」は庭のブラックベリーのソースが絶妙。(オーベルジュ エルバステラ)

もう一軒ご紹介するのは、信州・鹿教湯(かけゆ)温泉にある「望山亭ことぶき」です。開湯800年の湯治場であるこの地に、土作りから収穫までをみずから行う宿を経営するのは、社長の久保田茂登さん。「自分で育てた野菜ほど安心して提供できるものはありません」との言葉に、あらためて納得。菜園では野菜のほかにも信州名物ともいえるブルーベリーや宿を飾る花も栽培されています。料理は野菜の味が生きた素朴なものが中心となっていて、山里ならではの野菜のエネルギーがみなぎる料理の数々と、締めのご飯と漬物に体が喜ぶ宿として評判を呼んでいます。

揚げ浸し、かぼちゃ豆腐、丸ナスの蒸かしなど、彩りも鮮やか

さらに、鮭、ヒラメ、鴨など、感動の滋味を訪ねるモデルプランも充実。食いしん坊ならずとも、思わず出かけたくなる「美味の旅」を満載しました。出雲・松江に赴いて「民芸と器」を巡る第2特集、生誕110年であらたに注目を浴びる田中一村と奄美を旅する第3特集とともに、ノジュール9月号はワクワクするテーマが盛りだくさんです。ぜひお楽しみください。立ち読みページのあるホームページからもご確認いただけます。

■ノジュール:鉱物学の専門用語で硬くて丸い石球(団塊)のこと。球の中心にアンモナイトや三葉虫の化石などの“宝物”が入っていることがある。

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