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寒くない、蒸れない、暑くない パタゴニアのフリース「R2ジャケット」

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  • 2018年9月13日

  

この数年、アウトドアウェアを街中で着こなす男性が増えています。カジュアルでちょっとオシャレで着心地もいい。ファッション性と機能性を兼ね備えたアウトドアブランドが展開する「これさえ持っていれば間違いない」というマストバイなウェアやグッズを紹介します。

メンズ・R2ジャケット

“元祖”が誇る機能系フリース

アウトドアにおいて、フリースが便利なアイテムであることは言うまでもない。日本ではユニクロが1994年にフリースを発売し、大ヒット。以降、街中で着られるデイリーユースアイテムとして定着している。

普段着に対応したカジュアルフリースから、アウトドアやアクティビティにも対応したテクニカルフリースまで、パタゴニアの幅広く豊富なラインナップは実に魅力的だ。

そんなパタゴニアからマストリスト入りするフリースを選ぶとなれば、「R2ジャケット」ということになるだろう。吸湿速乾素材が蒸れを防止し、外気を取り入れることのできるジッパー付きポケットにより細かい体温調整が可能なこのフリースは、いつでも暖かく、そして涼しい。春と秋に単体で活躍してくれるだけでなく、真冬には防風機能のあるアウターと組み合わせることで、ダウン並みの暖かさを実現する“最強の中間着”となる。

ラグランスリーブ、脇下のマチなど、随所に動きやすさを重視したテクニカルなカットが採用されている

パタゴニアの最強フリース誕生前。すでに発売されていた「パイルジャケット」は、素材の耐久性が低く、着心地も決して良いとはいえなかった。こうした欠点を克服すべく、パタゴニアはポーラテック社の前身となる繊維会社「Malden Mills(モールデン・ミルズ)」に素材の開発を依頼。その結果、誕生したのが、現在「フリース」と呼ばれている「シンチラ」素材なのだという。フリース素材の“元祖”と言われるゆえんだ。

「シンチラ」から進化を遂げた「ポーラテック・パワー・グリッド」フリース。左が毛足が長く、熱をため込みやすい「R2」、右がより通気性と速乾性を高めた薄手の「R1」

保温性に優れるシンチラ素材だが、ぬれると織り目が詰まるため通気性が著しく下がる。この弱点を克服すべく採用されたのが新世代フリース「ポーラテック・サーマル・プロ」だ。この素材は生地が格子状に編まれているため、ぬれても生地の織り目が閉じることがなく、しっかりと通気性が保たれるという利点を持っていた。

R2ジャケットの裏面(脇部分)。毛先から吸い上げられた水分は、「毛細管現象」により表面に行くにしたがって生地全体へと広がり、あっという間に乾いてしまう

パタゴニアでは、このポーラテック・サーマル・プロ素材を厚みや特性によって、最も薄い「R1」から最も厚い「R3」に分類しており、それぞれの名を冠したジャケットが存在している。中でも胴の部分には毛足が長く暖かい「R2」が、発汗による熱や湿気がたまりやすく、寒さを感じにくい脇部分には、薄手かつ通気性の良い「R1」が採用されている「R2ジャケット」は暖かさと涼しさ(=通気性)を両立した汎用性(はんようせい)の高いアイテムなのだ。

運動量の多い脇から腰にかけては、伸縮性が高い「R1」を採用。体にフィットするため、シェルを重ねたり、リュックを背負ったりしても、生地がもたつかない

R2ジャケットが「最強の中間着」と呼ばれているのは、その温度調節の容易さにある。全てのポケットの裏側にはメッシュが貼られているため、少しでも暑さを感じたら、即座にジッパーを開けて外気を取り込むことができる。それでも暑いようなら、フロントジッパーを下げてしまえば、フリース内こもっていた熱気は消えてしまう。冬場の満員電車などで非常に重宝するギミックといえる。

胸と腰の計3カ所に設けられたポケットの裏地にはメッシュ素材を使用。軽量化を実現すると同時に通風孔の役割を持たせている

毎日でも使いたくなるR2ジャケットだが、そうなると気になってくるのがニオイ。しかし、このフリースは銀を使った「ポリジン防臭加工」が施されているため、汗だくになったりしなければ、ちょっと干して乾かす程度でOK。頻繁に洗濯する必要もないのだ。

「たった1着」のフリース

脇下の縫い目はダブルステッチに。通常のシングルステッチの4〜5倍以上の糸を使っており、その強度は段違い

発売と同時に世界中の登山家たちのマストアイテムとなったR2ジャケットが、日常着として人気を集めるきっかけとなったのが、2011年11月のブラックフライデーの日に、パタゴニアがニューヨーク・タイムズに載せた「Don't Buy This Jacket(このジャケットを買わないで)」というメッセージ広告。

全米中の人がもっとも消費意欲をかき立てられるこの日に、メディアを通じて大量消費に疑問を投げかけ、サステイナブルな社会を実現するために「買い物はよく考えてから」と訴えかけたことで、結果として多くの人々にR2ジャケットが知られることになり、パタゴニアの定番アイテムとなっていく。

2011年のブラックフライデーにニューヨーク・タイムズに掲載された意見広告

ロゴも人気の「P-6ロゴ」に変更。これからR2ジャケットはますますアイコニックな存在となっていきそうだ

機能が優れたR2ジャケットだが、シルエットがタイトなため、体のラインに自信がないユーザーからは敬遠されがちだった。しかし、2018年の8月からシルエットが変更。身幅、肩回り、腕回りが広がり、あらゆる体形の人が気軽に着用できるアイテムに生まれ変わった。

エコロジストとして知られるパタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードは「目的によって2着のフリースを使い分けるのではなく、1着を兼用すれば良い」と主張している。機能に優れ、誰が着ても様になるアイテムとなった今、R2ジャケットは「たった1着」のフリースに最適だ。

パタゴニア 公式サイト
https://www.patagonia.jp/

R2ジャケット ¥23,760

取材・文/吉田大
撮影/今井裕治

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