&(and) MUSIC

オフコース、ストーンズ、bird…ちょっとビターな10の物語を楽しむ大人のプレイリスト

  • THE ONE I LOVE
  • 2018年9月14日

  

今週の「THE ONE I LOVE」は、&M編集部が洋邦・ジャンルを問わず夏の終わりに合うちょっとビターな名曲をご紹介。読書のお供に、酒のさかなに、ドライブ中に。リラックスタイムにピッタリな楽曲を、Spotifyで随時プレイリスト化していく。レコードジャケット風の写真も、一緒に楽しんでもらいたい。毎日に、もっと愛と音楽を!

■オフコース「WHAT’S GOING ON(19741026 ライブat 中野サンプラザ) - 19741026 Live at Nakano Sunplaza」

1974年、中野サンプラザで行われたオフコースのライブ「秋ゆく街で」から。意外にもマーヴィン・ゲイのカバーでスタートしているが、これは小田和正ではなくこの曲でリードボーカルをとる鈴木康博のソウルミュージック好きからこの選曲になったと思われる。ストリングスを導入し、バックバンドには村上ポンタ秀一や大村憲司など腕ききをそろえるなど、まさに秋ゆく街の情景が浮かんでくる演奏。

 

■久保田麻琴と夕焼け楽団「星くず」

昨今は民謡をはじめとする日本の土着的音楽の発掘で音楽文化への貢献を果たしている久保田麻琴による1977年リリース作品。この曲のフォーキーなだけでなくトロピカルでどこか懐かしい感じは、様々なジャンルを折衷した“チャンキー・ミュージック”を当時提唱していた細野晴臣のプロデュースならでは。秋の始まりらしいメロウ・ソウル。

 

■Kali Uchis「After The Storm (feat. Tyler, The Creator & Bootsy Collins)

今年のフジロックで来日を果たし、観客を悩殺したLAを中心に活動する女性シンガー・ソングライターのカリ・ウチス。デビュー作に収録しているこの曲は、バッドバッドノットグッドをプロデュースに迎え、タイラー・ザ・クリエーターとブーツィー・コリンズ御大をフィーチャーしたキュートでセクシーなクセになる曲。

 

■Kaidi Tatham「It's A World Before You」

西ロンドンのクロスオーバーシーンでも屈指のすご腕キーボーディスト、カイディ・テイタムの新譜より、かなりイマな作りのブレイクビーツ・フュージョン曲。2000BLACKレーベルの盟友、ディーゴとともに作り上げたビートと「エクスパンジョンズ」ばりにトライアングルの効いた、洗練されたトラックがこの時期にかなり涼しく心地よい(ただしジャケは怖い)。

 

■Jazzanova「Sincere」

純粋なアルバムとしては10年ぶりとなるジャザノヴァのサードアルバムにあたる新譜から、時流の80'sフレイバーもあるモダン・ファンク。この曲ではベルリンで活動するトンガ王国出身のシンガー、ノア・スリーをフィーチャー。彼のハスキーでつやのある声を生かしたアプローチでありつつも、一聴しただけでわかるジャザノヴァ印なプロダクションが素晴らしい。

 

■Recloose「Deeper Waters – Frost & Wagner Remix」

リクルースの中でもかなりメロウな歌モノ楽曲のリミックス版は、前述したジャザノヴァのレーベル「ソナー・コレクティブ」より2008年にリリースされたもの。この曲はニュージーランドのバンド、ファット・フレディーズ・ドロップのボーカル、ジョー・デューキーを迎え、オリジナルよりもラバーズ色が濃い甘いバージョンに。残暑にまったりと和める良曲。

 

■Valerie Carter「Trying to Get to Know You」

昨年惜しくも亡くなったヴァレリー・カーターが1978年に発表したアルバム「Wild Child」に収録されているユージン・レコードのカバー曲。ジェームス・テイラーのコーラスでも知られている彼女だが、この曲ではプロデュースに「ダークナイト」などの映画音楽で知られる作曲家のジェームズ・ニュートン・ハワードを迎え、サポートにはスティーブ・ルカサーらTOTOのメンバーにレイ・パーカーJrなどAOR寄りの超一流セッション・ミュージシャン。こういうメロウさの際立つ曲がこの時期は特にハマる。

 

■Teyana Taylor「Issues/Hold On」

ティヤナ・テイラーはデビュー作「グーグル・ミー(私をググりなさい)」でも話題となったR&Bシンガー。この曲はカニエ・ウエストの全面プロデュースのもと、枯れたギターが印象的なトラックでストレートなラブソングだが、レゲエでよく利用されるピュンピュンマシン(サイレンマシン)がふんだんに鳴らされているところに、ただのトラックではないこだわりが見えて楽しい。

 

■The Rolling Stones「Coming Down Again - Remastered」

この曲の邦題「夢からさめて」はミック・ジャガーではなくキース・リチャーズがボーカルを取る、切なさと気だるい雰囲気が全開なとても美しい曲。実はドラッグのダウナーソングではあるのだが、演奏はワウ使いやサックスのソロとピアノの絡みも素晴らしく、後半のドラマチックな展開でそれが見事に昇華されていく。45年前に作られた、落ちぶれた男のブルーズ。

 

■bird「9月の想い」

アース(・ウィンド・アンド・ファイアー)、竹内まりやの9月の名曲と並んで、感傷的になりがちなこの季節に必ず聞きたくなる隠れた名曲。夏から秋へと季節の変わるタイミングに、どうすることもできない人の気持ちの移り変わりを的確かつ情感豊かに重ね合わせた歌詞は誰かを思っている人なら深くしみていく。内容をかみしめながらじっくり聞いてほしい。

 


(企画制作・たしざん、筑田大介)


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