「死ぬこと以外かすり傷」 編集者・箕輪厚介さんと語る読書会
- 朝渋×&Mコラボ企画「著者と語る朝渋」
- 2018年9月26日
おはようございます。朝渋公式ライターの長田(@SsfRn)です。
今、日本でもっとも有名な編集者は誰か?と聞かれたら、間違いなくこの人の名前が出るのではないでしょうか? そう、箕輪厚介さんです。
幻冬舎にて編集者をつとめ、多くのヒット作品を世に出してきました。堀江貴文『多動力』、落合陽一『日本再興戦略』、佐藤航陽『お金2.0』、前田裕二『人生の勝算』などなど。
また、箕輪編集室という1,000人を超えるオンラインサロンのオーナーを務め、他にも数多くの仕事を担い、複業で本業の20倍稼いでいるといいます。
8月8日には著書『死ぬこと以外かすり傷』が出版され、販売開始5日で5万部の売り上げを記録。
そんな大活躍の箕輪さんをお招きし、著者と語る朝渋読書会を実施しました。今回はその様子をお届けしようと思います。
Profile

箕輪厚介さん
幻冬舎・編集者
2010年双葉社に入社、ファッション雑誌の広告営業として四年間、タイアップや商品開発、イベントなどを企画運営、与沢翼『ネオヒルズ・ジャパン』創刊。
2014年から編集部に異動し、見城徹『たった一人の熱狂』、堀江貴文『逆転の仕事論』、青木真也『空気を読んではいけない』を手がける。2015年7月に幻冬舎に入社。東洋経済オンライン、アドタイでコラム。オンラインサロン運営、堀江貴文大学校で特任教授など。
堀江貴文『多動力』、与沢翼『ネオヒルズ・ジャパン』、藤井健太郎『悪意とこだわりの演出術』の3冊でアマゾン総合ランキング1位を獲得。他に佐々木紀彦『日本3.0』、青木真也『空気を読んではいけない』、イケダハヤト『まだ東京で消耗してるの?』、鈴木おさむ『新企画』など。堀江サロン教授、渋谷のラジオ、ニューズピックスブック創刊。
2017年10月合同会社波の上商店を設立。
株式会社CAMPFIREと株式会社幻冬舎の共同出資によって、2018年1月末に設立された株式会社エクソダス取締役に就任。
ヒーローインタビューを想像せよ
――本日はいつものトークセッションをやめて、企画もので進めていきたいと思います。題して「ヒーローインタビューを想像せよ!」。参加者の皆さんにヒーローインタビューを想像して、箕輪さんにぶつけてほしいなと思います。紙とペンをご用意しましたので、下記のようにタグ付けとブランディングを意識して書いていただきます。
そこに書いたものを実際に箕輪さんに1分間でプレゼンして、フィードバックをもらい、行動宣言するという形で進められればと思います。
でもいきなりどうやればいいかわからないと思うので、朝渋と箕輪編集室どちらにも所属している、吉田くんからお手本を見せていただこうと思います。
吉田さん はじめまして。吉田と申します。箕輪編集室には、去年の8月から入っているんですが、フットサルしかしていません。そして僕は、箕輪編集室・西野サロン・朝渋のスポーツ野郎になろうと思っています。
最近、コミュニティが多くでてきていますが、まだスポーツの企画をしてコミュニティを盛り上げようって人が、出てきていないと思うんです。そこのポジションを取りたいなと。最初はフットサルをやりたくて、したい人が集まってきて、自然と「フットサルでおもしろいことやろうよ!」ってなっていったんですね。それが……。
――はい! 1分経ちました! 終了でーす!
会場 笑
箕輪さん すごい方向性はいいんだけど、俺が言ってるのは、もう少し具体的なこと。「箕輪編集室のスポーツ野郎になる」っていうのはざっくりしていて、それを超具体的に考えるの。こういうことを仕掛けたら、みんな絶対に話題にするよね、というもの。
例えば、箕輪編集室のチームが東京オリンピックに出ちゃうとか! それを思いついた瞬間、狙えるところがわかる。この競技なら頑張ったらいけるかも?みたいなところがね。
箕輪編集室でオリンピック目指します!って言ったら、その瞬間メディアが来るかもしれない。そうするとキャラ付けされる。ヒーローインタビューでいうと、どう仕掛けたら周りが注目してくれるのか?という企画を考えるのが大事かな。
吉田さん 例えば、クィディッチでW杯を目指すみたいな感じですか?
箕輪さん そう! 要は俺だったらネオヒルジャパンをつくるという目標があって、レスリー・キーに与沢を撮ってもらえば、メディアがほっておかないとか考えた。これも仕掛けだよね。
――ありがとうございます。では、最後に今日からできる行動宣言をお願いできますか?
吉田さん クィディッチチームをつくって、2020年のW杯出場を目指します!
――ありがとうございました! では、こんな感じで進めていければと思います。これはもはや人生プロデュースですね。その視点を持って考えていただければと思います。
インタビューの見出しから考えよう
――それでは、2人目の方のヒーローインタビューにいきたいと思います。
参加者 僕は新聞社に勤めて、2年目になります。新しい新聞の天才プロデューサーになりたいなと思っています。かっこいい雑誌、かっこいい本ってたくさんあると思うんですけど、新聞ってなぜかダサいイメージがありますよね。アメリカの新聞はかっこいいし、部屋にも飾ったりするけど、日本の新聞ってちょっと硬いイメージがある。だからこそ、ブルーオーシャンだと思っています。
若者向けのファションアイテムのようなかっこいい新聞をつくりたいと思っています。来年4月30日に平成が終わります。その新たなスタートに合わせて、新しい新聞をつくりだして、ムーブメントを起こす! そんなことを考えています。僕、箕輪編集室に入っているのですが、箕輪さんが「新聞をつくりたい」って話を見かけたので「うちの会社でどうですか?」とお話ししています。そして、本日の9時からMTGします!
――ありがとうございます。箕輪さんいかがでしたか?
箕輪さん 今のでいいんだけど、もっと考えていくところは「インタビューの見出し」だよね。「入社2年目がつくった全く新しい若者向け新聞」みたいな感じかな。そういうのがあれば、イメージしてやっていける。
俺も、「編集者になって〇年で見城を口説く」みたいなのが印象に残ったんだと思うんだよね。キャラ付けを考える時はそういう感じで考えられればいいと思うよ。
――ありがとうございます。では今日から実践するアクションを宣言してください。
参加者 今日箕輪さんを口説いて新しい新聞を作ろうと思います!
――ありがとうございました!
世の中に言うことで“行動”が変わる
――では続いて参りましょう。
参加者 おはようございます! 僕も箕輪編集室に入っています。僕は「コミュニティ作りの圧倒的幹事」を見出しにしたいと思います。というのも、箕輪編集室で先月入って3カ月の僕が100人の人を集めまして、“箕輪さんと語り合う会”というのを催しました。これをきっかけに、部活以外の「同期」という横串ができ、よりコミュニティ力を高めることができました。
去年1年間で120回の幹事を実施し、約1000人の人を集めることができました。こうした圧倒的幹事力を生かし様々なコミュニティにおいて、より多くの人が集うきっかけをつくる男として、認知していただければと思います。
――ありがとうございます!
箕輪さん その「年に120回幹事をやった」というところがメディアが取り上げたいところだから、もっと増やした方がいいよね。年に400回ぐらいやったほうがいいと思う。え? 1日2回やってんの?みたいな感じになる。
そうすると、テレビも取り上げるような幹事キャラになれる。120回はすごいんですけど、本当に突き抜けさせようとしたら、誰もがツッコむことをしなくてはダメ。マツコデラックスがツッコミそうなことを想像するわけ。もし、年に500回とかいけば、絶対誰もがツッコむ。
というところからストーリーが始まっていて、1日最高5回やりますとか。え? どういうこと??みたいに思わせる。するとどんどんキャラ立ちしていくから、幹事と言えば!というポジションをとることができる。僕はそういうの思いつくと極端に振ろうとする。もっともっとだ……!と。それがあると、一気に突き抜けられるよね。
年に100回は「すごいですね」となるんだけど、年に500回やると「は!?」となるじゃないですか? それが大事ということですよね。
――では最後に行動宣言をお願いします。
参加者 今晩、幹事があるんですが、昼にも何か企画してやろうと思います。
箕輪さん そういうこと! 大事なのは、世の中に言っちゃうことで行動が変わるわけですよ。幹事のことしか考えなくなるから。そうするとどんどん自分の思考が変わってくる。例えば、本屋へ行った時も、「あ、幹事に役立ちそう」って見えてきたりする。仕事も、「これは幹事と絡められるだろうな」とか。全部そっちに寄っていく。だから、最初に言っちゃって、極端まで振り切るんですよ。
単なるセルフブランディング野郎になるな
最後にモデレーターから、箕輪さんにいくつかの質問を投げかけます。
――箕輪さんは、“プロデューサーを自分の中で飼うという感覚”が社会人にないのは、なぜだと思いますか?
箕輪さん 必要なかったからでしょ。そもそも、個人の時代じゃなかったから。逆にそういう感覚がある人は、息苦しくて組織の中で生きていけない。俺はどうやったら世に出られるだろう? 何者かになれるだろう? と考える必要が会社員だったらなかったからだと思うよ。
でも本田圭佑選手はそれがすごいよね。自分という人間は、ミラノの10番を背負わなければいけない!と決めて、それに向かって走って、実際にそれを実現している。本田は、ミラノの10番をつけないと、自分のストーリーが完成しないと思っているんだよね。アスリートは当たり前にそれができるけど、会社員だと、それができる人はいない。だからこそ、個として確立すれば強いよね。
――例えば、今から何かをやろうとしても、みんながやっているブログとかSNSブランディングとか、そういうことではないということですか?
箕輪さん いやぁ、これが難しいんだよね。こういうことを話すと、間違った単なるセルフブランディング野郎みたいなやつが出てくるの。Twitterでフォロワー1,000人いきました!みたいなやつね。それは違うんだよ。本質ではないんだよね。
Twitterとかは本質を加速させるための一個の考え方みたいなもんだから、自分のキャッチコピーだけを押し売りするような人になってはいけないよね。見城さん的に言うと、血の滲むような努力をするからこそ、そういう手段が自分の頭の中に出てくるんだと思う。
――順番としては、地力をつけてから発信力を鍛えるということですか?
箕輪さん 同時なんだよね。例えば、ネオヒルジャパンで死ぬほど努力して、徹底的にやったにもかかわらず、前日にレスリー・キーが「撮りたくない」って言った時は顔面蒼白だった。機材や場所や人も準備していたし、周りの人も「レスリー・キーが撮ってくれるわけないじゃん」ってはじめ信じてくれなかったこともあって、これで撮ってくれなかったら「箕輪は単なるホラ吹き野郎だな」となっていたと思う。
同時に、自分の中の悪いプロデューサーが「これ撮れなかったらネタになるでしょ」ってどっちに転んでも美味しいじゃん!と。何百回も電話して「レスリーさんと会わせてください!」と頼み込んでる俺もいれば、悪いプロデュースの俺はこのことを報道してやろうと考えてるわけ。それはそれでバズるなと。
これでもし、俺が何もしてなくてただバズらせようとするだけの人間だったら、どこかで「こいつ偽物だな」となる。大事なのは、本当のところを本気でやっているかどうか。本気でやるからこそ、見えることがあると思う。
――以上、箕輪さんとの「著者と語る朝渋読書会」をお送りしました。今回は、いつもの形式と違い、とても新鮮で楽しく有意義なひと時でした。表面的な見せ方やアプローチの方法も考え抜き、本質的なところもしっかり抑えていく、箕輪さんのその徹底した姿勢がとても印象的で、勉強になった方は多かったのではないでしょうか。また、参加者の皆さんがこの日に起こしたアクションは、とても素晴らしいなと思います。間違いなく、これから突き進む道の推進力になっていき、こうやって行動を起こせた人がチャンスを掴んでいく時代なんだなと、強く感じました。
箕輪さん朝早くからありがとうございました!
Text by 長田涼(@SsfRn)
Photo by 矢野拓実(@takumiYANO_)
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★参考記事:
・早起きすれば“自分の軸”で生きられる。5時こーじが語る「朝活の魅力」が想像以上だった (新R25)
・「スタートアップのCEOこそ、朝5時に起きるべき。」渋谷発の朝活コミュニティ「朝渋」プロデューサー、井上皓史さん (HARES.jp)
