連載・口福のランチ

リヨン料理の伝統をありのままに「サラマンジェ ド イザシ ワキサカ」(東京・銀座)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2018年9月27日

昼間からぜいたくができる「フォアグラ トリュフ マッシュルームのブレゾット」

今週の口福のランチは、銀座7丁目、数寄屋通りのビルの地下1階にある「サラマンジェ ド イザシ ワキサカ」。リヨン地方の郷土料理に特化したフレンチレストランだ。リヨンの郷土料理と聞いて、すぐに思い浮かぶ人はよほどの食通だろう。赤身肉のバヴェット(カイノミ)のソテーや、豚の血のソーセージ「ブーダン・ノワール」をはじめ、ルッコラを使用した具だくさんのリヨン風サラダやカワカマスのクネルなど、代表的な料理を味わうことができるのがこのお店だ。オーナーである脇坂尚シェフはかたくななまでに「本物」を追求し、創作料理は作らないということを信条として、ゲストにありのままのリヨン伝統料理を提供している。

そんなこだわりランチは1600円から。スープ、メイン、サラダ、パンに自家製のオレンジマーマレードが付いてくる。スープは野菜のうまみがきいた「ポタージュ ボヌ・ファム」と、まろやかな口当たりの「かぼちゃとクリームチーズのヴルテ」の2種類から選べる。メインは、フォアグラ、国産カイノミ、仏産豚肩ロースの3種類のメニューからセレクトできる。季節によってスープの野菜やメインの付け合わせの食材は変わるが、基本的にはこのラインナップだ。

口当たりがやわらかく、ほんのり甘い「かぼちゃとクリームチーズ」のスープ

ランチタイムからフォアグラが食べられるゴージャスメニュー「フォアグラ トリュフ マッシュルームのブレゾット」は、リゾット風のスペルト小麦(現在の小麦の原種とも言われる)のセンターに鎮座するフォアグラを、スプーンで細かくしながら麦と一緒に食べるのがおすすめ。濃厚なフォアグラの味わいと麦の弾力が絶妙なハーモニーを醸し出す。

ボリュームのある「仏産ラベルルージュ 豚肩ロースのカルボナード(ビール煮)」はとろりとどこまでも柔らか。「国産ホルスタイン種 バヴェットのソテ エシャロットソース」は、しっかりとした赤身肉のうまみが味わえ、甘みのあるエシャロットソースも美味だ。

「豚肩ロースのカルボナード」は、ほろりと崩れるやわらかさが特長

バヴェットのメニューに“ハラミではありません”という注釈があるところが、正しく料理を理解してほしいと願う脇坂氏らしい。バヴェットは、日本の肉のカットの仕方では他の部位と一緒になってしまい、手に入りにくい特別な肉なのだ。料理本の解説なども手がけている脇坂氏の食に対するこだわりは半端ない。一見、温厚で優しく、激しさはみじんも感じさせない。ところが料理の話になると、とたんに眼光が鋭くなり、眠れる獅子を起こしてしまった気になる。強さとゆるぎないこだわりが見てとれる。

甘みのあるエシャロットソースが赤身肉のうまみを引き立てる

「サラマンジェ ド イザシ ワキサカ」は2006年に東京・虎ノ門で開業し、13年に東京屈指の美食の街・銀座に移転した。大きな看板は出さず、ビルの地下にありながらも、老若男女問わずグルマンたちでいつも賑わっている。クラシカルな雰囲気の居心地のよい店内では、妥協のない厳選素材を使ったシェフ渾身の一品に出あうことができるのだ。

<今回のお店のデータ>
サラマンジェ ド イザシ ワキサカ
東京都中央区銀座7-2-8 TAKAYA-GINZAビルB1F
03-6280-6481
http://hisashi-wakisaka.com/

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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