キャンピングカーで行こう!

キャンピングカーでペットと一緒に出かけるために準備したいこと

  • 文・写真 渡部竜生
  • 2018年10月3日

我が家のキャンプ風景。ダッシュボードの上がこの「長男猫」の定位置。サービスエリアなどで注目の的になっても、涼しい顔をしている

今から約20年前のこと。夫婦二人暮らしの我が家に、ある日突然、猫4匹、犬1匹がやってきました! 元来動物好きなのでそれはいいんですが、それ以来どこかへ出かけるにも大騒ぎ。当時はペットと泊まれる宿など数えるほどしかありませんでした。ペットホテルに預けたり、ペットシッターに来てもらったりもしましたが、お金もかかりましたし、なによりペットにも人間にもストレスでした。

ならばこれでどうだ!とばかりにキャンピングカーを購入。一緒に出掛けることにしたところ、これが実に快適だったのです。わが猫様、犬様も、まんざらでもない様子でした。

そして今。我が家の動物たちの顔ぶれもすっかり変わり、家には猫が6匹います。たくさんの動物たちと出かけて、車への適応もさまざま、解決策もさまざまだということを学びました。今回はそんな経験をもとに、ペットと旅をしようとする方のためのTIPS(役に立つコツ)をまとめてみました。

景色の良さがどれほど役に立っているのか知らないが、我が家の猫は確実にくつろいでくれているようだ

動物の特性を見極める

動物と暮らしたことのある方、それも複数のペットを経験した方ならお分かりだと思いますが、犬も猫も人間と同様、個性があります。また、その動物ならではの特性もあります。

車で動物を連れ出すとき。それも短時間ではなく、旅行で長時間同行させる場合、この「見極め」が非常に重要です。

その一番のポイントは「どうすれば落ち着くのか」「何が嫌なのか」。

例えば犬の場合。以前トークショーでご一緒した獣医さんによれば、移動中はケージに入れてあげたほうが落ち着きやすい、とのこと。実際、我が家の犬もケージに入れてみたところ、出発時、うろうろと落ち着かなかったのがウソのようにおとなしく座って過ごすようになりました。

猫の場合は、ケース・バイ・ケースであることがわかりました。猫は、特に初めての場所では狭いところに入りたがります。とはいえ、それにも個体差があって、狭いところにはいたいけれど、自由に動けないのもいや、という子もいます。かと思えば、お気に入りの場所に潜んだきり、出てこない子もいます。飼い主(うちの場合、特に妻)に抱かれていれば何があってもOK、という子もいます。

犬にせよ猫にせよ、それぞれの個体の特性を見極めるには、無理のない範囲で出かけては観察してみる必要があります。そのためにも、キャンピングカーを買ったからといって、いきなり長期間・長距離の外出をせず、まずは近場から少しずつならすことが大切です。

動物も乗り物酔いする!

幸い、我が家のペットで「乗り物酔い」する子はいませんでした。ですが、仲間に話を聞くと、必ず酔う子もいれば、酔って吐いたり、食欲不振になったりする子もいるようです。

乗り物酔いも、前出の「見極め」の項目のひとつ。いきなり遠出をせずに、テスト的なドライブで少しずつ距離を伸ばしていくのが賢明です。

乗り物酔いの対策は、人間のお子さんと大差ありません。

・出かける直前にたくさん食べさせない
・なるべく落ち着ける環境を作ってあげる
・走行中も飼い主の顔が見える場所にいさせて安心させる
・吐いたらすぐに処理できるようにペットシーツを用意したり、ケージやマットを敷く
・ペット用の酔い止め薬を出発の少し前に飲ませる
・こまめに休憩をとって、犬の場合などは車外を歩かせてリフレッシュさせる

これらが有効です。

ソファの後ろなど猫には格好のアトラクションらしい。彼らはどこへでも潜り込むので、配線などに影響がでないよう十分注意して

旅は楽しい!と思ってもらう

キャンピングカーで動物を連れ歩くこと。それはあくまでも人間のエゴだと、私は考えることにしています。犬の中にはドライブ大好き、お出かけ大好きという子もいますが、特に猫の場合は環境の変化を嫌う動物であることを肝に銘じておかねばと思っています。犬にせよ猫にせよ、飼い主のそばにいたい、と思うことは共通しています。独りぼっちでお留守番、それも、ほかの動物のにおいがする動物病院やペットホテルでは心細いのも無理はありません。そこで心がけているのは、

・連れ出す時はなるべく一緒に過ごす時間をしっかり取る
・その子が安心して過ごせる場所をキャンピングカーの中に作る
・多頭飼育の場合、ストレスからケンカに発展することもあるので、注意深く見守る
・いざというときに逃げ込める場所を確保してあげる

特に最後の項目は臆病な子にとっては大切です。

筆者は、キャンピングカーの愛好家の仲間とオフ会を頻繁に開いています。我が家が猫連れなのは仲間内でも知られているので「猫ちゃんを見せてください」と集まってくる子供たちもいます。しかし、たいていの猫は小さな子どもが苦手です。まして知らない人がのぞき込んだり、触ろうとしたりすれば、パニックになる子もいます。

そこで、目的地到着直後はなるべく静かに過ごします。ここは安全なのだと感じてもらえるまでは、なるべくバタバタと音をたてないようにします。たまには好物を用意して、ご機嫌をとるのも忘れずに。

「車=いやなもの」にさせないために

これはキャンピングカーに限りませんが、「車=いやなもの」という刷り込みは避けるべきです。例えば、獣医に行く時にしか車には乗らない、という場合は、その子の中で「車=獣医」になります。そんな子を急に旅に連れ出そうとしても、無理があります。

あれ(車)に乗ると嫌なことがある、嫌な場所へ連れていかれる。そんな風に思いこまれてしまうと、獣医さん通いも大変ですし、万一の災害で避難するにも苦労します。

そこで大切なのが、日頃から外出慣れさせること。

我が家は、普段から動物の食事はケージの中で与えています。人間がペットフードの入った容器を手に持った途端、慣れた子はさっさと自分のケージに入って待つほどです。キャンプに行くときも同じケージに入れて移動させますし、獣医さんに行くときも同様です。鈍感な私たちにはわかりませんが、きっとそれぞれのケージには、その子のにおいもついているのでしょう。自分のケージに入れておけば落ち着いてくれるのです。

実際、ペットを連れている人には多く出会う。お互いにマナーを十分守って旅をしたい。この子たちはドアが開いていても絶対に外に出ようとしない、おりこうさんだ

「脱走」させない、マナーを守る

旅先で逃がさないこと。ペット連れの旅で、実はこれが一番大事かもしれません。

・(犬の場合)リードをしっかりと付ける
・ドッグランのような、許可された場所以外ではノーリードで遊ばせないこと
・ドアの開閉は慎重に
・網戸は補強しておくこと
・スマホで居場所を探せる迷子札などもあるので取り付けておく

念には念を入れて、対策をしておくことです。万が一、行方不明になった時のことを考えて、マイクロチップを装着させておくこともおすすめです。

また、常日頃よくお話しすることですが、キャンピングカーは動く家です。ですから、家の中でペットがどう過ごすかは、それぞれの家庭の事情があります。しかし、家から一歩出たら、そこは「公共」の場です。仲間が集まるオフ会。あるいはキャンプ場やRVパーク。よその人のいる場にペットが出ていく場合は、マナーを守ることが大切です。

そして、マナーを守るのは「人間」です。動物ではありません。

・無駄吠(ほ)えをさせない
・リードを引っ張ったりいきなり飛びついたりさせない
・車から動物を出してはいけません、というキャンプ場では絶対に出さない
・排泄物(はいせつぶつ)は飼い主が責任もって処理し、持ち帰る(所定の場所で処理する)
・人前に出して迷惑にならないよう「しつけ」をしておく

以上のことが必要となります。

ケア用品など「ペット目線」で用意してあげたい。また、万一の防災を考えるならペットフードやペットシーツのほか、持病のある子なら薬を備えておくのも大切

災害時には避難ツールとしても有効なキャンピングカー

万が一の時にペットと一緒に避難できるというのも、キャンピングカーの大きなメリットです。そんな「いざ」という時、キャンピングカーに慣れていないために、動物が連れ出せなかったら大変です。

日頃からキャンピングカーにならしておくこと。キャンピングカーに備えておく「緊急セット」の中に、フードやケア用品も一緒に入れておくこと。

あれこれ大変だな、と思われるかもしれませんが、ペットと出かける旅のすばらしさを思えば、なんということはありません。

言葉を話せない、大事な家族のために。そんな視点からキャンピングカーの使い方を見直してみるのもいいかもしれません。

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PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

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サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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