私の一枚

ダンス漬けの10代を過ごした柳ゆり菜 “泥臭さ”で目指す俳優としての飛躍

  • 2018年10月9日

中高生中心のダンスチームのセンターで踊っていた小学6年生の頃

小学3年生から高校卒業まで、本気でダンスのプロを目指していました。これは地元のダンススタジオに通っていた小学6年生の時の写真です。もう身長が今と変わらないぐらいあって、大人びていたみたいで、高校生に間違われることもありました。

幼なじみの子がスタジオに通っていたのがダンスを始めたきっかけ。そのうち姉も通い始めましたけど、私はそんなに乗り気じゃなかった。運動神経が良くなくて、リズム感もなかったので、最初は自分でも嫌になるぐらい下手くそでした。

でも、下手なりに練習して、地元の小さなコンテストに出場したら、その時にすごく大きな拍手をいただけたんです。もう、全身がしびれるような感覚で、「もっとうまくなりたい! もっと大きな拍手をもらいたい!」って思うようになりました。

そこからはどんどんダンスにハマって、学校にいる時間よりもスタジオにいる時間のほうが長いぐらいダンス一色の日々。小学生らしく「かわいい」と思われるより「かっこいい」って思われたかったから、スカートは1枚も持っていなくて、ダボダボのストリートファッションばかり着ていました。土日は朝から走り込みをして、そこから練習。そんな毎日だったから学校には友達がいなくて、実は放課後に友達と遊んだ経験が一度もありません。

この写真の頃は、スタジオでダンスチームを組んでいて、私が最年少で、他はみんな中学生と高校生。でもなぜか私がリーダーみたいなポジションで、センターで踊っていました。当時の私はとにかく気が強くて、年上のお姉さんたちに平気で意見をぶつけて、しかもそれを絶対曲げないから、最後は必ず私の意見が通っていました。

ついこの間、チームで一番年上だった女の子が当時書いていたブログを久々に読んでみたら、「今日もゆり菜とケンカした」とか「いつも意見がぶつかりあう」とか、たくさん書いてあって。今思えば、お姉さん達に本当に申し訳なかったです。母は「ゆり菜の意志の強いところがすごく好き」って小さい頃から言ってくれていましたけど、本当は少し困っていたと思いますね(笑)。

中学3年生からは、地元から少し離れた、よりレベルの高いスクールに電車で通いました。決して家が裕福なわけではなかったので、レッスンは週に2回受けられるかどうか。自分に必要なレッスンを選んで、手が震えるぐらいに緊張しながらレッスンを受けました。

ダンススタジオは壁の一面が鏡になっているんですけど、ダンスをやってる子ってみんな気が強いから、負けずにどんどん前に出て行かないと、鏡に自分の姿が映りません。2列目だともう絶対に見えないです。だから、へたくそでも新顔でも関係なくグイグイ前に行って、手と手がぶつかり合うぐらいに争いながら踊る。ダンスというより「戦い」でした。

グラビアアイドルを経て人間臭い役を演じられる俳優としても活躍する柳ゆり菜さん

だから私は「踊ると顔が変わる」ってよく言われていました。ダンスのためなら自分を変えられたし、そのぐらい強い気持ちでいないとやっていけない世界でした。一番前の列を取るために、レッスンが始まる何十分も前にスクールに着くようにして、前のレッスンが終わったらすぐにスタジオに入って鏡の前の場所を取るために、ドアの前でスタンバイしていました。

あのスタジオの中の熱気や“戦う空気”に似たものを、いま私がいるお芝居の世界でも感じます。その戦いに挑む気持ちの作り方や準備の方法を、私はダンスを通じて学びました。しっかり自分の内面と向き合っていないと、自分を見失ってしまいそうになることもあります。そんな時でも、ダンスで培ったものがすごく生きていると思っています。

戦い方には人それぞれのスタイルがあります。私は泥臭さで戦っていけるようになりたいし、お芝居の世界でも、やっぱり鏡の一番前でセンターを取りたい。そのためにも、あの頃のように、いつドアが開いてもいいようにしっかり準備をして、「今だ!」っていう時にすぐにスタートが切れる自分でいたいです。

人間臭さ、泥臭さで評価されたいと思っていた私にとって、今回出演させていただいた映画で、加奈という夜の歌舞伎町を歩いている女の子を演じることは大きなチャンスでした。グラビアのお仕事も私自身だし、すごく大切なものですけど、今までの私とは違う私も楽しんで見て頂けるとうれしいです。

これからも、こんな役を演じるチャンスをどんどんつかんでいきたいですし、アジアの映画にもチャレンジしてみたいですね。特に私は韓国映画が好き。監督さんの視点とか、俳優さんの演技、それに社会問題を提示するようなテーマなど、私にとっては自分のことに置き換えて考えさせられるような作品が多いです。そういう映画が私はとても好きなので、いつかは出演してみたいです。

(聞き手・髙橋晃浩)

やなぎ・ゆりな 1994年、大阪市生まれ。2013年、「smart Boys & Girlfriendオーディション」で特別賞を受賞しデビュー。2014年、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』で、赤玉ポートワインのポスターをモデルにした「太陽ワイン」のポスターでモデルを演じ注目される。『週刊プレイボーイ』のWEB版『週プレNEWS』調べの2015年上半期「グラビアアイドル表紙登場回数ランキング」で1位を獲得。カナダ・モントリオール世界映画祭に正式出品され、2018年9月より全国順次公開中の映画『純平、考え直せ』ではヒロイン・加奈を演じている。

柳さんがヒロイン・加奈を演じた映画『純平、考え直せ』は現在全国で順次公開中

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