キャンピングカーで行こう!

冬がやってくる前に! 点検したいFFヒーターのお話

  • 文 渡部竜生
  • 2018年10月10日

FFヒーターがあれば車内はあったか。真冬の旅も快適そのもの。欧米のトレーラーやキャンピングカーには、ほぼ標準装備

記録的な猛暑や豪雨に台風と気候的に散々だった夏も終わり、早くも北の地からは「ストーブを出しました」といった声が聞こえてきます。

キャンピングカーを購入したほとんどの人が取り付けるオプションがFFヒーター。車内の空気を汚すことなく、安全に室内を暖めることができるスグレモノです。

これから本格的にFFヒーターが活躍するシーズンになりますが、何の手入れもせずいきなり現地へ行って「使えない」なんてこともありがちです。

現地であわてないためにも、チェックする習慣をつけましょう。

FFヒーターの種類を解説!

家庭用ストーブにも、ガス、電気、石油とあるように、キャンピングカーのFFヒーターにも燃料によって種類があります。どれも、きちんと整備されて条件が整えばしっかり働いてくれますが、燃料の特質によって注意すべき点が違います。

ガスFFヒーター

キャンピングカーの場合、ガスといえばプロパンガスです。プロパンガスを使うヒーターの場合は、あまり手入れを気にする必要はありません。燃料の残量チェックと、シーズン初めに実際にスイッチを入れて、ちゃんと作動するかどうかを確かめる程度でOKです。

軽油FFヒーター

ディーゼルエンジンの燃料を流用するタイプです。テスト運転で白煙が出ないかなどをチェックしましょう。このタイプはヒーター内部にススが付着しやすく、作動しなかったり白煙が出たりします。ススがたまると排気口から大量の白煙が出たり、そもそも着火しないなどの異常が発生します、そんな時にはビルダーや専門店に相談しましょう。

ガソリンFFヒーター

ガソリンエンジンの燃料を流用します。このタイプも軽油同様のススの問題に加えて、数カ月間動かしていなかった場合には、燃料の配管内に変質したガソリンがたまってしまっている場合があります。真夏であっても月に一度は30分ほど運転して、配管内のガソリンを燃やすようにしましょう。こちらも、白煙や着火しないなどの異常発生時には必ずビルダーに相談しましょう。

いずれも大切なことは、試運転の頻度です。シーズン前のチェックも大事ですが、軽油やガソリンのFFの場合は、最低でも月に1回、30分程度のメンテナンス運転をすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。

本体はたいてい、椅子の下などに設置されている。文字通り縁の下の力持ちだ

使用中の注意をもう一度

さて、試運転でも問題なく使えることが確認できたら、いよいよ秋冬シーズンに突入です。ウィンタースポーツを楽しむ方なら、スキーやスノーボードに出かけることもあるでしょう。そんな時、もちろんFFヒーターは不可欠です。

FFヒーターの作動そのものに何の問題もなくても、現地で絶対に気を付けておくべきことがあります。もうご存じのことと思いますが、念のため。

FFヒーターは最初に書いたように、車内の空気を汚さずに暖められる優れ物ですが、そのためには、燃焼後の排気を確実に車外に排出する必要があります。

しかし、スキー場などの雪深い場所では、降雪時に排気管が塞がれてしまう危険性があるのです。ご自分の車のFFヒーターの排気口の位置はわかっているでしょうか? 

寝ている間に雪が降り積もることはよくあること。豪雪地帯では1時間に20㎝なんていう積雪も珍しくありません。降雪時には時々、排気管が埋もれていないかチェックをしましょう。万一排気管が埋もれてしまうと、排ガスが逆流して一酸化炭素中毒を起こす危険性があります。

また、一酸化炭素探知機を必ず備えるようにしましょう。探知機は2000円ほどで購入できます。そして一酸化炭素は高い位置にのぼる性質があります。ですので、二段ベッドやバンクベッドなど、高い位置で就寝する可能性があるならなおさら危険です。取り付けは高い位置に。いち早く検知することが大切です。

BRANO社のFFヒーター。配管などオプショナルパーツも豊富。価格もライバル製品よりややリーズナブルな設定に

FFヒーターに新ブランド登場!

丸くて可愛らしいフォルムで評判のトレーラー「ルーメット」を手掛けるクロコアートファクトリー。同社が取り扱いを始めたのが、BRANOというチェコ製のFFヒーターです。

同社の徳田吉泰社長がルーメットに取り付けるためのヒーターを探していたところ、このメーカーに行きついたのだとか。

安全安心かつ高性能なものをという、こだわりの強い徳田社長のお眼鏡にかなった製品ということで、さっそく現物をチェックさせていただきました。

BRANOの使用燃料は軽油または灯油のみ。残念ながらガソリン用とプロパンガス用はありません。そもそもトレーラー用に開発されていますので、自走車両の燃料を流用するという考えがなかったのです。

性能は優秀です。まず、作動音がとても静か。他の製品である、遠くでジェット機が飛んでいるような音がしません。さらに、燃料ポンプの音も耳を近づけても気になりません。これなら静かな雪山の夜でも快適に眠れそうです。

そして、一番の特徴は「定期的なオーバーホールが不要」ということ。これまでのFFヒーターは定期的なオーバーホールが必須とされてきました。が、BRANOのヒーターは燃焼効率が良くススが出にくいためだそうです。

従来製品の場合、オーバーホールは専門店に依頼しなければならず、手間も費用も発生していました。これが必要ない新製品の登場は朗報です。

サイズは出力ごとに1700W・2700W・4700Wの3種類。ですが「ほとんどの場合、1700Wで大丈夫なのでは」と徳田社長。

トレーラー用なら、自走式には取り付けられないのか? といえば、そんなことはありません。ただし、前述のとおり、軽油または灯油用のみなので、すんなり取り付けられるのはディーゼル車です。

ガソリン車に取り付けるには、別途、オプションの灯油タンクを接続せねばならず、暖房のための燃料を別に確保することになって、メリットが小さくなるかもしれません。それでも性能面は魅力的です。トレーラーの暖房を見直したい。ディーゼル車ベースのキャンピングカーに取り付けたい人や、灯油ヒーターなら燃料補給も苦ではないので導入したい人にはぴったりかもしれません。

クロコアートファクトリー
http://www.crocoart-factory.co.jp/automobile/
042-780-1440

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PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

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サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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