連載・口福のランチ

黒光りする魅惑のデミグラスソースのハンバーグ「ル・ヴァン・エ・ラ・ヴィアンド」(東京・銀座)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2018年10月18日

1日30食限定のハンバーグ。黒光りするデミグラスソースがなんとも魅力的

食の激戦区・銀座では、高級ランチを満喫できる星付きの店もいいけれど、普段着感覚で通えて、おいしいものが味わえる店も重宝する。今週の口福のランチは、味、サービス、雰囲気と共にハイレベル、しかもコストパフォーマンスが高い、毎日でも通いたくなるビストロ「ル・ヴァン・エ・ラ・ヴィアンド」。銀座駅から徒歩3分、パリのビストロを思わせる赤いファサードが目印だ。

以前からうわさには聞いていたが、訪れる機会がなく、今回思い立って行ってみた。食べ終わった感想は、今まで行かなかったことを深く後悔し、これからヘビロテで通い詰めるだろうと確信した。まず料理のクオリティーと値段が、いい意味で「ミスマッチ」。銀座においては800円でランチが食べられるというだけでも貴重だが、これが抜群においしいのだ。

どんなシェフなのかとすぐに興味がわいた。オーナーシェフの内田実氏は、実家がパン屋、親戚が飲食店という環境で育ち、自然に料理の世界へ。飯倉のビストロ「プロバンスミレイユ」、代官山「モン・プレヴォー」などのフレンチレストランで修業したのち、現在の店で料理長として腕を振るい、その後オーナーシェフになったのだそう。

ランチメニューは、「定番ハンバーグ 黒いデミグラスソース(800円)」「本日の肉料理(900円)」「本日の魚料理(1000円)」「本日のパスタ(800円)」など。プラス200円でプティサラダ、コーヒーまたは紅茶が付き、プラス400円で、サラダ、ドリンクにスープとデザートも加わる。

やわらかく煮込まれた豚肉と食感を残したひよこ豆のバランスが絶妙なポークビーンズ

この日は、限定30食という超有名なハンバーグと本日の肉料理「ポークビーンズ クミン風味」を、サラダ、ドリンク付きで注文。まず運ばれてきたサラダが、メインディッシュへの期待を大きく膨らませた。なにしろ野菜が元気なのだ。彩り豊かなシャキシャキ野菜に、オリジナルのフレンチドレッシングがちょうどいい具合にかかっている。小さなポーションのサラダにもかかわらず満足度はとても高い。

サラダの野菜もシャキシャキで、どの品も一切手抜きなし

そしてメインのハンバーグは、800円とは信じがたい、黒光りした神々しい姿。数秒見ほれた後、ひと口。うーん、おいしい! 適度な柔らかさと弾力。そして肉のうまみがちゃんと伝わってくる。有名な黒いデミグラスソースはもちろん、付け合わせのニンジンのグラッセも全くの手抜きなしだ。ご飯も炊き立てで真っ白。ハンバーグを食べ終わった後に、ソースをスプーンですくってご飯にかけて食べると、まるで高級なハヤシライスだ。

クミン風味のポークビーンズは、フォークでも簡単に切れるほどやわらかく煮込まれた豚肉が主役。たっぷりのひよこ豆とニンジンと共に口に入れたとたん、クミンの香りが鼻を抜ける。バランス感覚抜群の逸品だ。日替わりと聞いて、次にいつ出会えるのか心配になり、記憶にとどめようと集中しながら味わった。

とにかく何を食べてもおいしい。昔、職場が銀座だったこともあり、かなりランチを食べ歩いたが、なぜその頃に足を運ばなかったのかと、また後悔。きっとすぐに食べたくなって、これから何度も訪れるだろう。ずっと変わらずにいて欲しいと心から願う本当にすてきなビストロだ。

赤を基調とした外観がパリの路地裏のビストロを思わせる

<今回のお店のデータ>
ル・ヴァン・エ・ラ・ヴィアンド
東京都中央区銀座3-9-18 東銀座ビル
03-3543-9188
http://levin-ginza.com/levinev/

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

今、あなたにオススメ

Pickup!

Columns