小川フミオのモーターカー

1980年代のパーソナルカー人気の“前奏曲”だったホンダ・初代プレリュード

  • 世界の名車<第233回>
  • 2018年10月29日

もっとも高級なグレード「XE」(当時の価格は140万円)

1970年代は日本車が“成長”した時代だけれど、車種がどっと増えるのは80年代になってからだ。ホンダをみても、70年代後半は、シビックと、アコードのバリエーションだけだった。

ホンダ・プレリュードは78年に登場して、80年代に花開く、個人所有を前提とした「パーソナルカー」というジャンルの先駆けとなったモデルだ。全長は4090mmとコンパクトだったが、ロングフードと小さなキャビンのバランスがよい。いいスタイリングだ。

全長4090mm、全幅1635mm、全高1290mmと低い

発表前は「今度の新車は2シーターだ」、「いや、ミドシップだ」などとうわさされていたけれど、実際には前輪駆動のクーペだった。76年のハッチバックと77年のサルーン(セダン)に続き、アコードのシャシーを使ったクーペで、私などは、ちょっと肩すかしを食った記憶がある。

90馬力の1750ccエンジンによる前輪駆動

それでも、いま振り返ってみると、限られた資産をなんとか使い、外国にあるパーソナルクーペのホンダ版を作ろうという開発者の意気込みが伝わってくる。

助手席前のシェルフがないなど他のアコードシリーズとはデザインが異なるダッシュボード

日本車初の電動スライディングルーフを備え、オプションで英国の高級車にも使われていたコノリー社のレザーを張ったシートが用意されていた。

ホンダは79年に英BL(オースティン=モーリス、ローバー、ジャガー)と技術提携をして、80年代にはより“英国的”な雰囲気の内装を大々的に採用した。確かにその前触れ(プレリュード)だなあと私は思ったものだ。

「XE」の内装は派手だ

1750ccエンジンは良く回ったし、ハンドリングも悪くない。この点でもホンダの開発陣はがんばったと思う。コンパクトなクーペというジャンル、いま世に出しても、意外に喜ばれるかもしれない。

速度計と回転計が同軸に配された集中ターゲットメーター

当時の生産設備の制約のため、長いホイールベースを使えなかったのが、なんというか、かわいそうだった。80年代には生産設備に大きな投資をして、82年の2代目プレリュードはワイド&ローのスタイリングで大ヒットした。初代のコンセプトは、87年のレジェンド2ドアハードトップに受け継がれたといってもいい。

写真=ホンダ提供

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

小川フミオ(おがわ・ふみお)

写真

クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

今、あなたにオススメ

Pickup!