連載・口福のランチ

隠し味はフォアグラ、フカヒレランチが1500円「新広東菜 嘉禅」

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2018年11月1日

1500円の定食とは信じられないフカヒレの質と量

今週の銀座特集の「口福のランチ」は、銀座駅から徒歩3分ほどの外堀通り沿いにある「新広東菜 嘉禅」。日常生活でおなじみの中華とは一線を画す、本格的な広東料理が味わえる。

オープンは2017年6月20日とまだ日は浅いが、総料理長の簗田圭さんは、TVや雑誌にもひっぱりだこのスターシェフ。調理師学校を卒業後、北京のホテルで中国最高ランクの国家資格をもつシェフに学び、その後、東京の「中国飯店グループ」、東京と香港の「マンダリン オリエンタル」、シンガポールの「マリーナ ベイ サンズ」などそうそうたる名門で経験を積んできたエリートだ。

席のキープがかなり激戦のランチタイムのメニューは、平日限定で1200円から用意されているが、ぜひ食べてほしいのがシェフのスペシャリテが味わえる「ふかひれランチセット」。なんとあの高級食材のフカヒレが、1500円という値段でたっぷりと味わえるのだ。それだけではない、絶品の薬膳スープと点心、そしてザーサイ、ご飯、デザートが付くという充実のラインアップ。食べればクオリティーの高さに驚かされる。中国茶もポットサービスで提供される。

温かいウーロン茶を飲みながら待つこと数分、たっぷりの野菜が入った薬膳スープが運ばれてきた。独特の香辛料の香りが鼻を抜ける。スープは週替わりだが、今回は大きなニンジンと大根そして豚のすね肉が入っている。十数種類の香辛料が溶け込んでいるというこのスープは、前菜と思えないボリュームと味わい。かなり満足度が高い。すきっ腹に薬膳スープがしみ込み、こころなしか体が温まりぽかぽかしてきた。

体の中にしみわたる滋味深い薬膳スープ

次に日替わりの点心が2種。この日はカボチャの蒸しギョーザと、「とびこ」をのせた豚肉のシューマイ。どちらもしっとりとしていて、やわらかな皮の中に餡(あん)がぎっしりと詰まっている。蒸しギョーザの餡は、カボチャの甘みにコーンの風味が加わり、複雑な味わいだ。ねっとりとした餡とエビのプリッとした食感の組み合わせが何ともすばらしい。シューマイにはぜいたくにフカヒレが練り込まれていて、時々プチっと弾ける。点心という小さな世界にうまみがぎゅっと詰まっている。

ひとつひとつ丁寧に作られていることがよくわかる点心

そしてついにメインのフカヒレの煮込みが運ばれてきた。スープは見た目の印象ほど味は濃くなく、深みがある。しょうゆとオイスターソースを使っているそうだが、もっともっと深く複雑な味わいがするのだ。聞けばなんと隠し味にフォアグラを使っているという。フカヒレにフォアグラとは、1000円台のランチで味わえる域を超えている。おいしくないわけがない。

フカヒレは、宮城県気仙沼市から上質なものを、その他の食材も、香港やシンガポールで働いていた頃のルートを生かして、よいものをできるだけ安く入手する。「本物の広東料理、それも伝統技法だけでなく、香港やシンガポールで今人気の広東料理を皆さんに知ってほしいという思いで、ランチは思い切った価格で提供しています」とは、支配人の蛭間伸一さん。

1500円以上のランチから予約が可能というのもうれしい話だ。少々興奮気味に濃厚なフカヒレの煮込みを堪能した後は、優しい味わいのデザートをおいしい中国茶と共に味わう。まだまだ至福の時間が続く。何とぜいたくなランチタイムなのだろうか。

外堀通り沿いの「銀座美術館」の2階にある

<今回のお店のデータ>
新広東菜 嘉禅
東京都中央区銀座6-5-13 銀座美術館ビル2F
03-6264-5851
https://ginza-kazen.therestaurant.jp/

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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