もし実家が空き家になったら…… 降りかかるリスクに親子で対策[PR]

  • 2018年11月6日

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全国で、空き家対策が課題になっている。放置されると災害時に倒壊する恐れがあるほか、衛生面で問題となる事例もある。そのため、国は特別措置法を施行し、適正な管理を所有者に求める条例を定めた自治体もある。

空き家の問題は今後、行政レベルだけでなく、個人にも降りかかってくる可能性がある。もし、一般的なサラリーマン家庭が直面したら――。ある仮定のケースについて、不動産法務に関する実績を持ち、セミナー等でも講師を務める荒川香遥(こうよう)弁護士とケーススタディした。

荒川香遥弁護士

【ケース】

東京都内の会社員Sさん(53)は、マイホームで妻と長男との3人暮らし。母(83)は、Sさん以外に子どもはおらず、父に先立たれた後は一戸建ての実家で一人暮らしをしていました。

実家までは車で片道3時間ほどかかります。まだ元気ではあるけれど、何かあってもすぐには駆けつけられないし、介護をする人が近くにいない……。家族で話しあった結果、母は高齢者向けの住宅で生活することになりました。

これで一安心……と思いきや、1つ問題がありました。このままでは実家が空き家になってしまうのです。色々と調べてみると、母が亡くなった後には相続税もかかります。

母の資産は、不動産が自宅のみで、土地・建物の評価額が8000万円。現預金は、高齢者向け住宅の入居費用の支払いなどで1000万円弱を残すのみ。このまま相続すると納税資金が足りません。Sさんはすでに自宅を購入しており、移り住むのも難しい状況です。

Sさんには、定年退職後は東京の家を長男家族に譲って故郷に戻りたいという気持ちもあります。実家をどうしたらよいのでしょうか?

■空き家を賃貸にして評価額を下げる

「相続財産の中で不動産の価値の占める割合が大きいケース。これが非常に多いです」と荒川弁護士は話す。親が投資用の不動産を持たない場合でも、持ち家自体の評価額が金融資産を大きく上回るという、Sさんのようなケースは、一般的なサラリーマン家庭でも十分起こりうる。

Sさんが幸運だったのは、母親がまだ存命で、高齢者住宅への入居をきっかけに、将来の相続について考えることができたという点。準備する間もなく亡くなると、「空き家」とともに多額の相続税が発生し、その支払いをしなければならない。

相続税には特例があり、「小規模宅地等の特例」は 亡くなった人の自宅の敷地を8割引きで相続できる。この制度があるのは、相続する人が、住むための自宅を相続するときに高い相続税がかかると、自宅として住んでいたり住みたいと思っていたりするときに大変だからだ。

そのため、Sさんのようにマイホームを買って住んでいると、Sさんが住むために母親の自宅を相続するわけではないので、この特例は適用されない。

では、どうすればいいのか。

例えば、空き家となる実家をリフォームして賃貸するという方法がある。賃貸用の宅地であれば、「小規模宅地等の特例」によって、自宅用の宅地ほどではないが大幅に評価額が減額される。さらに家賃収入が期待できるほか、母親の預金を使ってリフォームしておくことで、相続後にリフォームするのに比べて節税にもなる。ただし、税制改正によって2018年4月から、賃貸経営開始から3年以内に相続が発生した土地にはこの特例が適用できなくなった。できるだけ早めの対策が重要となってくる。

ほかにも、評価額を減額するには、駐車場にしたり売却したりするなど様々な方法がある。生まれ育った土地を他人に渡したくないという人もいるだろう。自分たちの気持ちや状況に最も合う方法がどれなのかわからない場合は、専門家やプロに相談してみることも一つだ。

「賃貸経営」という土地と家族の守り方。もっと知りたい方はこちら〈大東建託〉

■管理不十分な空き家に多額の固定資産税

戸建て住宅の空き家の状況について国土交通省が2014年に実施した調査によると、別荘や賃貸用などを除く空き家を取得した経緯は、56.4%が「相続」だった。

出典:国土交通省「平成26年空家実態調査」  

「相続した実家の塀が壊れて通行人がけがをした」「庭の木が塀を越えて道路に出てしまい、通行に支障が出ている」――。例えばこのように、適切な管理ができていないことで他人に損害を与えてしまった場合、相続人である子どもが責任を負うことになる。

「空き家対策特別措置法」が2015年に施行された。倒壊の恐れや衛生面などで周りに悪影響を及ぼす空き家を「特定空き家」と市町村が認定できる仕組みだ。「特定空き家」の持ち主に対し、市町村は撤去や修繕の指導や勧告、命令ができる。

同時に、それまでは空き家でも住宅が建っていれば固定資産税が更地の最大6分の1で済んでいた優遇措置が見直された。市町村の勧告にも従わないと、優遇措置の対象から外れる。

「これまでは固定資産税の恩恵を受けられたため、あえて壊さずに残した空き家が社会問題になっていました。国としては、不動産を積極的に活用してほしいという意図もあります」と荒川弁護士は説明する。

Sさんの場合も空き家として残す場合には、適切な管理を続けなければ、固定資産税が余計にかかってしまうことになる。

■相続トラブルに金額の大小は関係なし

相続は“争族”とも言われ、相続人同士のトラブルが絶えない。Sさんは相続人が一人のため大きな心配はないが、兄弟・姉妹がいる場合は残された実家の不動産をめぐってさまざまな問題が予想される。

「2015年に裁判で審理された遺産分割事件の約76%が、5000万円以下での争いです。さらにいうと、1000万円以下での争いが32%を占めます。金額の大小に関係なく、相続トラブルは起こりえます。セミナーなどでは、将来的なトラブルを見極めるために、現状でどんな財産があるかを確認してくださいということをお伝えしています」

  

荒川 香遥(あらかわ こうよう)
AIN法律事務所 弁護士。一般的な立ち退き交渉や不動産トラブルなど、不動産相談において多くの実績を持つ。

相続に関するセミナーは、親からの相続が差し迫った60代以上の参加者が多いという。荒川弁護士は「相続対策は、早いに越したことはありません。40、50代の方にもぜひ今から考えてほしいですね」と語る。

親子で考えるリスク回避策 「土地活用」も選択肢

他人事ではない「空き家」の問題。Sさんの事例をみても、親と子が一緒に考えなければいけない大きな課題といえる。
それぞれの状況に応じた対策が求められるが、「土地活用」も1つのやり方だ。賃貸経営、駐車場経営、太陽光発電などうまく資産を活用することで、相続税が減額できる場合もある。また、減額だけでなく、「家族の資産」を活用し家庭や自身の老後を支える副収入を得ることにもつながる。いつ直面するか分からないリスクを回避するためには、情報を集め、早めに親子で話し合うことが重要だ。

親子のための副業「土地活用」についてもっと知りたい方はこちら

文・写真=北林のぶお

提供:大東建託株式会社

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