インタビュー

難役に挑戦した吉本実憂が語る「一緒に働きたい理想の男性像」

  • 映画『レディ in ホワイト』で破天荒新入社員役
  • 2018年11月19日

役作りに苦戦した作品。「ここまでくじけそうになったのは初めて。リハーサル最終日、すっと演じられた瞬間は忘れられません」

もし入社した会社がブラック企業だったら、どうするのか?

破天荒なクセ者新入社員が、上司や同僚を相手に“戦い”ながら成長していく映画『レディ in ホワイト』。今作で、主人公の新入社員・如月彩花(きさらぎ・あやか)を演じるのは吉本実憂さん。箱入り娘のお嬢様で、常識外れなのに自信は満々という役柄を好演している。

「ここまで苦労したのは人生初」という役作りなど撮影の舞台裏から、自身のストレス解消法まで語ってくれた。取材時のファッションは、「お気に入りです」というチェックのビスチェ&ロングスカートのセットアップ。キュートな笑顔によく似合っている。

【動画】吉本実憂さんインタビュー(撮影・高橋敦)

役に入れず、くじけそうになった3日間

『レディ in ホワイト』の舞台は名古屋。物語は、主人公の就活からスタートする。ホワイトな優良企業として知られていた会社の入社試験を受けた彩花は、面接で「社会が私を必要としている!」などと大言したが採用される。

しかし、その会社、実際は上司のパワハラがひどく、部下はまるで奴隷扱いの「ブラック企業」だった。敬語も使えず、上司の指示にも一切従わない彩花は、そんなブラックな会社の中でも厄介者扱いされる。

「台本を読んだ時は、こんなにクセのある役だとは思いませんでした。脚本だけ読むと、名古屋でお仕事を頑張る、ちょっとだけ変わった女の子のサクセスストーリーだったんです。それを大塚祐吉監督がユニークに脚色して。監督は、登場人物をかなりぶっ飛んだキャラクターにしたかったようです(笑)。

役作りにはとても苦労しました。撮影前のリハーサル4日間で彩花をものにするはずが、どのシーン、どのセリフを言っても全然私に入ってこない。監督と2人で『どうしよう?』と落ち込んでいました。そのまま3日が経ち、最終日にお昼ごはんを食べていると、監督が『もう、いっか。プロデューサーがなんとかしてくれるだろう』と言って。私も仕方ないかと開き直ってリハーサルしたら、その時すっと彩花が入ってきました」

「名古屋のGDPを私が上げる」と豪語する新入社員、如月彩花(吉本実憂)(C)テレビ大阪サービス

彩花と吉本さんは性格が正反対のタイプだといい、それも苦労した理由の一つだったようだ。

「彩花と私が重なる部分は、ほぼないです。監督に『こんな暗い人を明るくするのは大変だ』と言われるくらい、私は暗いらしいです(笑)。彩花が“陽”なら私は“陰”。彩花は白にこだわっていますが、私は物心ついた時から黒が好きです。いつもは、バックグラウンドを考えているうちに少しずつ役作りができるのですが、今回は全くできず混乱しました。役にここまで入れず、くじけそうになったのは初めてでした。

撮影期間中は、彩花のテンションを保つために、寝ている時以外はお芝居のスイッチを切らずにいました。あとは、人が嫌がることをずっと考えていましたね。どうやったら人をイラッとさせられるだろう?って(笑)。私とは全く違う、別人を生きている感じでした」

監督は主人公そっくり、監督観察が現場の日課に

彩花は、勤務中も自分の好きな白の服しか着ない。上司にタメ口で話し、先輩に対してもふざけた態度で挑発する。人を指でさしたり中指を立てたりとやりたい放題だ。キャラを印象づける、人を馬鹿にするような動きやしぐさのディテールは、監督と相談しながら決めたそうだ。

現在21歳。まわりでは働き出している友人もいるそうで「いろんな話を聞きます。どんな仕事も人対人なんだと痛感します」

「彩花は、怒ると人をおちょくる表現をする人。いろんな引き出しを持っていないと演じられないので、『明日はこのシーンがあるから、こんな動きをしてみようかな』と練習しました。監督からは『顔まわりに手を持っていって』とか『中指を違う立て方でやってみて』とか、具体的なアイデアをいただきました。実は、監督は彩花と性格がそっくりなんです! 監督を毎日観察していたらアイデアが自然と湧いてきました(笑)。

衣装が白い服なので、汚さないようにとても気を使いました。ごはんの時も、汚れてもいいよう上着を羽織ってました。ずっと白い服を着ていると、不思議と堂々とした気持ちになれるんです。黒は隠せる色だから落ち着くけど、白は一切隠せない。それが堂々とする演技につながっていったのかな。だから彩花は白が好きなのかもしれません」

パワハラ上司以外にも、プライドが高く意地悪な先輩、小心者で服従型の同僚、放任型の上司、静かに職場の人間関係を観察する偵察型社員など、勤務先にはクセ者が勢ぞろい。吉本さんが「一番一緒に仕事がしたくないタイプ」を聞いてみた。

彩花の教育係、小心者の猪瀬康太(矢本悠馬・左)(C)テレビ大阪サービス

「苦手なのは、地味に偵察型の人かな。ネチネチして、一番リアルにいそうで嫌ですね。一緒に仕事をしたくないのは服従型。作品では、矢本悠馬くん演じる猪瀬役ですけど、仕事をしていて対等に話せないのは厳しい。気を使って何も話せなかったら、良いものが作れないですよね。上司にも色々言われて、かわいそうな役回りではあるんですけど(笑)。

吹越満さん演じる酒田部長は大好きですね。放任型だけど、彩花の才能や魅力を見つけて信じてくれた人。だから酒田部長とのシーンは、すごく心地良かったです。吹越さんのお芝居もやはりすごかった。セリフとしてではなく、彩花の内面から言葉を引き出してくれました。まるで魔法をかけられているようでした」

放任型だが彩花に期待を寄せる、部長の酒田稔(吹越満)(C)テレビ大阪サービス

ストレス発散は、映画&アニメ鑑賞。アニメはキュンキュン系が好み

女優という仕事柄、年齢や性別、職種を問わず、さまざまな人と関わることが多い吉本さん。「苦手な相手がいたら?」「ストレスがたまったらどうする?」という質問には、こう答えてくれた。

「最近は、苦手な人を作らないようにしています。苦手だなと思う人にも、どこかしら私と共通点があるはず。相手に質問をして『ここは好きだな』という場所を探して、コミュニケーションを取るようにします。

ストレスがたまった時は、映画やアニメを見て気分転換しますね。映画は『孤狼の血』とか『日本で一番悪い奴ら』とかバイオレンス系、反対にアニメはキュンキュン系が好きです。最近一番ハマったのは『妖狐×僕SS』(いぬぼくシークレットサービス)。あやかし(妖怪)しか住めないマンションがあって、そこに住むと1人執事がついて、そこから恋が始まる話です。恥ずかしい~、こんなこと教えちゃって(笑)」

スタイリスト:山本隆司、メイク:小嶋絵美

クセのあるキャラクターだらけ。見て、単純に楽しんでもらいたい映画

扱いにくいただの新入社員だった彩花は、自分の意見をはっきり伝え、苦労しながらも社会人として成長していく。自分らしい働き方・生き方を見つける姿を描いた同作は、就活を始める大学生、新入社員たちにエールを送っているようでもある。30代40代の上司世代からすれば、若者たちの多彩な才能をどう生かしていくかを考える、良いきっかけになりそうだ。最後に吉本さんがメッセージをくれた。

「演じていた時に見ていた世界と、出来上がった世界が全く違っていてびっくりしました。演じている時は、彩花として『これが正しい』と思い込んでいたけど、実際作品を見たら『この女の子、やばいな』と思ったほど(笑)。他の登場人物も変人ばかりで、クセのあるキャラクターがうまくまとまった作品だなと思いました。

見て、単純に笑って欲しいですね。『こんな女の子、いる?』『いや、いないか』の狭間(はざま)を楽しんでもらえたらうれしいです。楽しみながら、ちょっとだけ彩花を応援する気持ちも生まれてくれたらいいですね」

(文・武田由紀子 写真・花田龍之介)

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【動画】映画『レディ in ホワイト』予告編

『レディ in ホワイト』作品情報
キャスト:吉本実憂、波岡一喜、矢本悠馬、笛木優子、宮川浩明、國本鍾建、中島広稀、久住小春、小山田サユリ、いとうまい子、利重剛、吹越満
製作:田上英樹、橋本知鑑
プロデューサー:二村慈哉
脚本:能登秀美

音楽:CONISCH & CAPRICCIO PROJECT
企画制作:テレビ大阪サービス
配給宣伝:太秦
監督:大塚祐吉
2018年/シネマスコープ/98分/5.1ch SURROUND SOUND
(C)テレビ大阪サービス
(C)2018 LADY IN WHITE Production All Rights Reserved.
11月23日(金・祝)よりアクアシティお台場、ミッドランドスクエアシネマほか全国順次公開
ウェブサイト:www.liw2018.com

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