キャンピングカーで行こう!

使い方あれこれ! 便利な「庇(ひさし)」オーニング

  • 文・写真 渡部竜生
  • 2018年11月7日

アメリカ製の超大型キャンピングカーの電動式オーニング。この車両の車高は3.4mもあるので、電動式でなければ扱いにくい。写真では収納してあるが、エントランス上にはエントランス専用オーニングまで付いている

カフェのテラス席にあるような、収納式の庇(ひさし)を「オーニング」と呼びます。強い日差しや雨、夜露をよけるのに便利な設備です。

天気のよい日はもちろん、オーニングがあれば雨の日だって、アウトドア用のテーブルセットを出して、外で食事を楽しむことができます。キャンプ場などでそうやってアウトドアリビングを作っているキャンピングカーを見かけたことのある方もいらっしゃるでしょう。

また、オーニングは通常、エントランスがある面に設けられています。雨の日に室内へ出入りするのを助けてくれる、玄関ポーチでもあるのです。

今回はそんな、オーニングについて考えます。キャンピングカーならではの装備のひとつですが、さまざまな種類があるのです。

米国式と欧州式、オーニングの違い

オーニングの種類は、大きく分けてアメリカ式とヨーロッパ式に分類できます。

アメリカ式

アメリカ製のキャンピングカーやキャンピングトレーラーでは、太くて頑丈なアーム(支柱)が車体側面についていて、オーニングを伸ばすと「つっかい棒」のように車体から斜めに伸びて支えます。

このアメリカ式の場合、収納時に巻き取られたオーニングはロール状に露出したまま。巻き終わり部分がアルミ製でケース状になるタイプのものもありますが、布のロールがむき出しのタイプだと、雨に当たればロールのままぬれてしまいます。アームも車両の脇に張り付いて露出したままで、見た目はスマートとは言えませんが、他の装備同様、ちょっとやそっとでは壊れない頑丈さがあります。素材は軽量なアルミですが、何しろ太い。少々の風にあおられても壊れたりしません。

ところで、この斜めのアーム、テントのロープと同じで見慣れると不思議と目に入らなくなるものでして……。酔っぱらって自分の車のオーニングアームに激突して、漫画のようなタンコブを作ったことがあります。石頭の筆者が容赦なくぶつかったわけですが、それでもビクともしませんでした。いくらアルミ製とはいえ頑丈な分、重量もあります。ごつい装備が多いアメリカ車らしいスタイルです。

ヨーロッパ製オーニングをとりつけた国産キャンピングカー。コンパクトに収まるのでバンコンなどでもOKだ。支柱は地面に着けるので、風が出てきそうならペグで補強を

ヨーロッパ式

ヨーロッパ製だけでなく、日本製の車両も、現在ではすべてヨーロッパ式を採用しています。

こちらは、収納時には巻き取られた布部分もアームも、すべてがケースに収まるスマートなスタイル。収納状態で雨が降ってもぬれません。

ただし、全体にほっそりとして軽量なため、風には弱く、使用する際はしっかりペグで固定する必要があります。ペグで固定してあっても、強風だとアームが曲がって収納できなくなってしまうこともあるので、風が出てきたら早めに収納することをおすすめします。そしてこのペグとロープも、夜などは目に入らないことも多く、つまずきがちです。ランタンを提げたり、目立つものを巻き付けたりして工夫しているのをよく見かけます。

どちらのタイプも、基本は屋根だけですが、オプションで「側面」をとりつけるものも出ています。まさに壁をとりつけるようなもので、ぐるりと囲んだり、前面だけ、側面だけなどバリエーションがあります。壁面ができれば雨風が吹き込むのもしのげますし、メッシュもついているので夏は蚊帳(かや)になります。オーニングを出して壁面で囲んで、ストーブをつければ、冬でも十分あたたかなアウトドアリビングになります。

ランタンを提げたりガーランドで飾ったり。夜になってもオーニングは大活躍。おしゃれに飾ればインスタ映えも!

オーニングの使い方のコツを覚えよう

風が出てきたら畳む

 ヨーロッパ製は華奢で、アメリカ製は丈夫だとご紹介しましたが、強い風が吹きそうならば、どちらもたたんでしまうのが賢明です。自然の力は偉大なもの。一瞬の突風でオーニングのフレームがゆがんでしまうこともあります。そうなると、巻き上げられずアームが収納できなくなり、たためなくなってしまうのです。滞在中、一定時間車を離れるときは特に注意が必要です。

夜、ちょっとお風呂に行く間や、日中に観光やレジャーなどで車を留守にするとき。あるいは、夜寝ている間。オーニングを出しっぱなしにしていて、留守中に風が強くなってくると大変です。収納できなくなってしまうと、あとはもう何とかして車から取り外すしかありません。

風が出てきたな、と思ったら。あるいは天気が崩れそうな予報の場合は、オーニングはたたんでおきましょう。

 

ぬれたあとは乾かそう

撤収のとき、雨が降っていたらどうするか。ぬれていても構わず巻き上げて収納してしまえばよいので非常に簡単です。ただし、あくまで素材は布。防水加工されているとはいえ、ぬれた状態で巻き取って、何週間も放置することが良くないのは、一般的なテントと同じです。カビがはえることもあります。そうなると見栄えが悪いだけでなく、いやな臭いの原因にもなります。もしもぬれたまま収納したなら、天気のよいときになるべく早いタイミングで展開して乾燥させてあげましょう。

トレーラーにもオーニング。強い日差しを遮り、快適な空間を作る名わき役だ

電動式も登場!!

最近、展示会場などで電動式のオーニングを見かけるようになりました。電動式は、スイッチ一つで出し入れできるので便利。オプションで風速計がついていて、風が強くなると破損を防ぐために自動で収納される製品もあります。これだと畳み忘れがないし、フレームがゆがむ心配がないのはありがたいのですが、友人と雨の中、オーニングの下でくつろいでいたら風を検知して、勝手にたたまれて大騒ぎしたこともありました。小雨でも頑張って使っている間は、センサーを切るのをお忘れなく。

電動式は便利な一方で、どうしても機構が増えるだけ重量がかさみます。また、シンプルな手動式に比べて故障のリスクも増えるのは、仕方がありません。車高が高く、展開・収納のときに手が届かないほどの大型車には電動式が便利。国産車のバンコンのように、手が届く高さならば臨機応変に使える手動式がおすすめです。

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

写真

サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

今、あなたにオススメ

Pickup!