キャンピングカーで行こう!

アメリカのキャンピングカー事情 ラスベガスでRVパークを体験

  • 文・写真 渡部竜生
  • 2018年11月14日

眠らない街、ラスベガスが最高に盛り上がるのは夜! きらびやかなネオン街とキャンピングカーの組み合わせは意外に思われるかもしれない

砂漠の中に突如出現する不夜城・ラスベガスは、アメリカ・ネバダ州最大の都市。世界中から観光客が訪れる、24時間眠ることのない、カジノの街として知られています。飛行機を降りたら、すぐ目の前にはスロットマシン。ミニチュアのピラミッドにエッフェル塔、自由の女神にニューヨークの摩天楼もあって、街がまるごとテーマパークのようです。

なぜ突然、ラスベガスの話かというと、つい先週、仕事でこの街を訪れたからなのです。

ラスベガス中心地のフルフックアップのRVパーク

テーマパークのようなホテルに有名ミュージシャンのショー、そしてカジノ。そう聞くと大都会をイメージするかもしれませんが、前述のとおり、それらはすべて砂漠のど真ん中に作られたもの。そんなラスベガスにもRVパークがあります。

市内にあるRVパークは中心地・郊外あわせて5カ所。今回はその中でも、老舗の「サーカス・サーカス ホテル カジノ&テーマパーク」に併設されているという、中心地のパークを選びました。メインストリートのラスベガス大通りに面しているため交通の便は抜群です。

一見すると、ホテルに隣接した広大な駐車場のように見えますが、サイト数は170。そのすべての区画に電源と上下水道を完備した「フルフックアップ」と呼ばれるタイプです。もう少し詳しく説明しましょう。

ラスベガスの老舗ホテル、サーカス・サーカスのRVパーク入口。特にゲートもなく、利用者はセンターハウスでチェックインするだけ

電源容量は驚きの50A

その容量はなんと50Aです。日本の一般家庭のコンセントひとつは上限が15Aで、日本RV協会では推奨しているRVパークの電源容量が20Aであることからも、アメリカの電源供給がいかにハイパワーかおわかりになるでしょう。

アメリカ製キャンピングカーの特徴は、なんといっても大型であることです。全長15m以上の自走式やトレーラーがごろごろいますし、その設備も一般家庭なみ。巨大な冷凍冷蔵庫に大型テレビ、エアコンを2~3台も取り付けている車もありますから、このぐらいの電量は必要だということです。

ちなみにラスベガスは砂漠気候。秋になっても日差しが強く、乾燥しています。日本のように湿度はありませんが、真夏はかなり気温が上がります。それでもこれだけ電源が確保されていれば快適に過ごせます。

キャパシティーは全部で170台。徒歩で訪れたのを後悔したほどの広さだ。区画は40フィート以下と41フィート以上で分けられている

上下水道にも直接つなげる

日本のRVパークの場合、「給水ができる=清水タンクに水が補給できる」「排水ができる=汚水タンクやトイレタンクの中身を捨てるダンプステーションを備えている」という意味になります。しかし、米国のフルフックアップの場合、直接使える上下水設備があります。

どういうことかというと、上水も下水も直接車に接続できるのです。普通の住宅のように、水はいくらでも出ますし、トイレやシャワー、流しの排水も直接下水管に排出されるしくみなのです。

このように何かとハイパワーなアメリカのRVパークですが、それはアメリカ製キャンピングカーの規格に合わせているからで、日本のRVパークは国産キャンピングカーの規格に合わせてあるので心配はいりません。

気になる料金ですが、一般的なホテル同様、シーズンによって若干の変動はあります。私が訪れた10月下旬の料金は車両サイズが全長40フィート(約12m)までなら、31ドル/日、41フィート以上ならば38ドル/日と、ホテルに宿泊するのと比較すれば非常にリーズナブル。

そしてこの料金には、敷地内にあるランドリーやシャワー、ドッグランの使用料金も含まれています。またホテル併設なので、ホテル内の施設も宿泊客と同じ条件で利用が可能。プールもルームサービスも利用できるのです。そうそう、このホテルの名物、サーカスも無料です!

サイトはすべて、フルフックアップ。電源、上水、下水がダイレクトに車につながっている

街を楽しむか、自然を楽しむか

以前、この連載で、毎年取材に出かけているドイツ・デュッセルドルフのRVパークを紹介しました。キャラバンサロンが開かれる展示場、メッセ・デュッセルドルフに常設されていて、観光はもちろん、ビジネスで街に滞在する人もキャンピングカーで訪れ、RVパークを利用していました。サロンのビジネスショー期間中は、車からビシッとスーツで決めた人が降りてくることもあるので、「キャンピングカー=遊び道具」という日本人の感覚からすると不思議な感じがしたものです。

さて、アメリカのRVパークはどうでしょうか。もちろんどんな使い方をしようと個人の自由ですが、都市型と郊外型では、やはり使われ方が違うようです。

例えば今回のサーカス・サーカス。私が取材に訪れたのは午後2時ごろでしたが、どの車もほぼお留守でした。中心部からやや北に位置しますが、目の前にはバス停があり、どこへでも簡単に遊びに行くことができます。24時間カジノが営業しており、夜になると各ホテルで一流アーティストのショーがあり……。誰も車の中でまったり過ごしてなどいない、ということですね。

わかりやすく例えるならば、ディズニーランドに併設されたRVパークがあったとして、開園時間中に遊びもしないで車で過ごす人はいないでしょう。街を楽しむために設けられたRVパークであることがよくわかります。

受付のあるセンターハウスには売店も。一通りの日用品に加えてちょっとしたスナック、ビール、さらにはトイレの消臭剤なども売られていた

一方、その他の四つのRVパークはにぎわう中心部からはかなり離れています。ネバダ州にある他の観光資源には、コロラド川のフーバーダムやレッドロックキャニオンなどがありますが、四つのうちの一つはフーバーダムにアクセスしやすいボルダーという街にあるので、こちらは自然を楽しむためのRVパークといえそうです。

街中にはもちろん、大きなスーパーやホームセンターもあります。どこの商業施設に行っても広大な駐車場があって、少なからずキャンピングカーやトレーラーがとまっています。夜寝るにはRVパークを利用して、買い物やレジャーの場にもキャンピングカーをとめられる駐車場があって……広大なアメリカならではのスタイルだと実感します。

キャンピングカーでどこへでも出かけやすく、リーズナブルに宿泊できるようになるには、こうしたRVパークの存在は不可欠です。日本でも、旅の新しいインフラとしてますます増えるといいですね。

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PROFILE

渡部竜生(わたなべ・たつお)キャンピングカージャーナリスト

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サラリーマンからフリーライターに転身後、キャンピングカーに出会ってこの道へ。専門誌への執筆のほか、各地キャンピングカーショーでのセミナー講師、テレビ出演も多い。著書に『キャンピングカーって本当にいいもんだよ』(キクロス出版)がある。エンジンで輪っかが回るものなら2輪でも4輪でも大好き。飛行機マニアでもある。旅のお供は猫7匹とヨメさんひとり。

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