小川フミオのモーターカー

一度は乗ってみたい憧れの米国車 「シボレー・コルベットC3」

  • 世界の名車<第236回>
  • 2018年11月19日

1968年モデルは珍しいレッドストライプの15インチタイヤを装着

いちどは自分のものにしてみたい。私がずっとそう思っているのが、米国の「シボレー・コルベット」だ。とくに「C3」と呼ばれる第3世代で、1968年から82年までの長寿を誇るモデルである。

このコルベットの原型になったのはコンセプトモデル「メイコ・シャークⅡ」(アオザメ)だ。そこから「シャーク」とも通称される初期のモデルは、ほっそりしたボディーに大きく盛り上がったフェンダーライン、それに控えめだけれど効果的なクロムの使用が美しい。

タイヤハウスからの空気を抜くブリーザーがサメのエラを思わせる68年型

72年型はバンパーまわりのクロムの量が多くなる

スタイリングは(とりわけリアクオーターパネルの造形において)ポルシェのレースカー「904」(1964年)を参考にした、とも言われる。が、どの角度から見てもコルベットとわかる独自の造形美にまで昇華させていると思う。ただし、

米国車の常として、このクルマも毎年変わり続けた。なので、

「C3コルベットが好きだなあ」

「僕も大好きだよ」

という会話をしていても、実は同じモデルを指しているとは限らない。

73年型からバンパーは合成樹脂で覆われるようになる

もっともファンが多いのはパワーが頂点に達した70年モデルだとも言われる。この年はいくつものハイパフォーマンス仕様が設定された。なかでも350キュービックインチ(約5735cc)の「スモールブロック」エンジンを搭載した「LT1」はスポーティーさで秀でており、いまも人気が高い。

1980年代以降のモデルを除けば、どのモデルイヤーもそれなりに魅力に富んでいると私は思う。個人的には、人気があまりなかったというコンバーティブルモデルは、少年時代からのあこがれで、たとえ“ボディーの剛性が低い”と評価が低くても、これこそ一度は乗りたいモデルである。

シンプルな造型美を持つ77年型にはオプションで210馬力(通常は180馬力)のエンジンもあった

78年型から大きなリアウィンドーが採用され室内は広くなった

コルベットの特徴はいくつかある。V8エンジン、FRPボディー、2シーター、そしてもちろんスポーツカーであること。馬力の高いエンジンを含めてオプションは多彩で、レースに出ようというひとから、街中で目立てば満足なひとまで、幅広いユーザーに向けて作られていた。それも人気の理由だ。

トルクも大きいが、ハンドリングは予想以上にシャープで、こういうクルマはほかの国にはあまりない。毎年すこしずつ手を加えながら、さまざまな形でスポーツカーの魅力を追究していた点も大きな特長だ。C3の後もモデルチェンジを繰り返し、現在にまで続く。米国人は、おそらく日本人以上にスポーツカー好きなのだと印象づけてくれるクルマである。

この79年型と続く80年型を境にコルベットは安全装備などで重量を増していく

写真=General Motors提供


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PROFILE

小川フミオ(おがわ・ふみお)

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クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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