連載・口福のランチ

1日100杯しか出せない黄金のイリコだし「讃岐うどん河野」(東京・池袋)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2018年11月29日

「かけうどん」に温泉卵をトッピング

今週の口福のランチは、イリコだしのうどんとしては東京一とうわさされる池袋の「讃岐うどん河野」。池袋駅からは5、6分ほど、要町通りに面したビルの合間にぽつんと立つ。店の前には、常連客が作ってくれたというのぼりがはためいている。

ファンを虜(とりこ)にするのが、イリコのうまみが凝縮した黄金の「つゆ」。“いりこ島”とも称される名産地、香川県にある伊吹島の特上イリコを使っている。伊吹島は、漁から加工まで網元が一貫して行う数少ない地域。水揚げされたカタクチイワシを、鮮度を守るために30分以内にゆで上げ、乾燥機へ。酸化防止剤などの添加物は一切使用しない。そのイリコの中でも、信頼のおける漁師から直接仕入れた最高級品だけを使うのだ。

河野のこだわりはそれだけではない。オープン前におよそ2時間かけて丁寧に頭とハラワタを取り除く。臭みや濁りのないだしをとるために、欠かせない作業だ。イリコは鮮度が落ちやすいため、まとめて処理すると味を損ねてしまい、作り置き、取り置きはご法度だそうだ。

平日の営業時間は午前11時から午後8時までだが、毎日売り切りのため、1日約100杯しか提供されない絶品うどん。初めての人には、つゆをたっぷりと味わってほしいから、ぜひ「かけうどん」(300円)をおすすめしたい。のどごしのよい細めの麺の上には、青ネギと刻んだ油揚げがのっている。極上のつゆをたっぷりと吸ったこの油揚げがまたうまい。

ちくわやかき揚げ、イカ、カボチャなどの天ぷら(各100円)もあるので、好みでセレクト。間違っても天ぷらはすぐにはどんぶりに入れず、先につゆをたっぷりと味わってから投入してほしい。

ちくわ天、ナス天、カボチャ天などもすべて100円

甘辛く煮た牛肉がのった肉うどん(550円)も捨てがたい。汁に肉の甘辛たれが溶け出し、これもまた抜群にうまい。

「肉うどん」にワカメも追加するとさらに美味

量は比較的少なめなので、「イリコ飯」(100円)の追加もおススメだ。さらに、どんなにトッピングを奮発してもだいたい1000円以内に収まるという驚きの価格だ。

故郷・徳島のだしの利いたうどんが食べたいと、河野正美さんが一念発起して店を開いた。幼い頃から食べていたイリコだしのうどんを、最高の状態でお客さんにも提供したいと、手間ひまをかけ、愛情をいっぱい込めて作っている。

気軽に入れる素朴でアットホームな店

<今回のお店のデータ>
讃岐うどん河野
東京都豊島区西池袋5-12-7
03-5391-3238
http://kouno.navi21.jp/

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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