マッキー牧元 うまいはエロい

<67>ブリッとした食感! 太い体が食べ応え抜群のエビフライ/六本木「よし澤」

  • 文・写真 マッキー牧元
  • 2018年12月4日

長く太い立派なエビフライ

ブリッ。歯を入れた瞬間、雄大な音が響いた気がした。それほどに堂々たる、エビフライである。

エビフライ様が2尾、皿に横たわる。その長く、太い体を誇りながら、早く食べてと誘いかける。

頭からいってやった。「バリバリッ」。頭の殻も食べられるよう、巧みに揚げられたエビフライは、痛快な音を立てて砕ける。殻の香ばしさの後から、エビミソの濃密な甘さが追いかけてくる。オレンジ色のミソと白い胴体とのコントラストが、美しい。

よし、次は本体である。ブリッ。普通エビは、プリッという食感であるが、こいつは太い胴体ゆえに食べ応えがある。

とにかく歯応えがすごい!

口をあんぐりと開けてかじりつけば、品のある甘みがこぼれ落ちる。天然エビだけが持つ気品が流れ、口が満たされる。

よし、今度は、大根おろしとウスターソースを混ぜた、特製ソースをかけてやれ。エビは、ソースの濃い甘辛味に負けることなく、淡い甘みを際立たせながら、ご飯を恋しくさせる。

このご飯がまたいけません。福井県が「コシヒカリ」を超えるべく開発したという「いちほまれ」の新米を、店内の竈(かまど)に据えた土鍋で炊き上げたものである。

米が輝き、甘く香る。米の一粒一粒が、穏やかな甘みにあふれていて、満ち足りた気分を運んでくる。

輝くお米は福井県の「いちほまれ」

エビフライを頰張る。ご飯をかき込む。その時間のなんとぜいたくなことか。尻尾は、最も香ばしく、その余韻が、食べてしまった寂しさを紛らわす。エビフライ2尾とご飯2膳を食べ終え、さらに軽くご飯をよそってもらい、皿に残った衣カスと塩をかけて、しめてみた。

食後に供される栗最中アイス

よし澤

よし澤

六本木ヒルズ内に新しく開店した割烹(かっぽう)。東銀座の人気割烹「一二岐(いぶき)」の店主、吉澤定久さんが開いた店で、カウンター内には吉澤さんが立つ。カウンター席の後ろは吹き抜けになっており、開放感があって心地よい。

「海老フライ」は、3800円。先付けとして森の香りに満ちた「七種のキノコのすり流し」が出され、そのあとにエビフライ、ご飯、香の物が登場する。食後には、栗の渋皮煮を刻んだものを乗せた栗最中アイスか、葛餅が選べる。これがまた実においしい。


【店舗情報】
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ウエストウォーク5F
03-6812-9799
日比谷線・大江戸線「六本木」駅より徒歩4分 千代田線「乃木坂」駅より徒歩10分
営業時間:ランチ11:30~14:30(LO 12:30) ディナー18:00~22:30(LO 20:00)
*火曜はディナーのみ営業
定休日:月曜、第3日曜
参考サイト:http://www.roppongihills.com/shops_restaurants/restaurants/00295.html

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PROFILE

マッキー牧元(まっきー・まきもと)タベアルキスト&味の手帖編集顧問

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1955年東京生まれ。立教大学卒。年間幅広く、全国および世界中で600食近くを食べ歩き、数多くの雑誌、ウェブに連載、テレビ、ラジオに出演。日々食の向こう側にいる職人と生産者を見据える。著書に『東京・食のお作法』(文藝春秋)『間違いだらけの鍋奉行』(講談社)。市民講座も多数。鍋奉行協会顧問でもある。

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