連載・口福のランチ

小鉢に存在感、ランチで炊きたてご飯と定食を楽しめる「酒・肴 おまた」(東京・池袋)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2018年12月5日

味付けしっかりの唐揚げと先まで身の入ったエビフライ

今週の口福のランチは、職場が近くなら、週に2、3回は通い詰めるであろう「酒・肴 おまた」。池袋駅西口から歩いて5分ほどのカウンター10席に小上がりがひとつの小さな店は、午前11時30分のオープンと共に活気にあふれる。定食を求めて次々と客が訪れ、小上がりの脇で席が空くのを待つ。回転が早いことを知っているのか、誰も帰ることはなく、慣れた雰囲気で今日のランチを注文する。

ランチタイムには、豚生姜焼き(850円)、鶏唐揚げ(850円)、エビフライ(900円)、メンチカツ(900円)、サバの塩焼き(850円)など8種類の定食が食べられる。
メニューの選択に迷って、周りを見渡すと本当にどれもおいしそうで余計に迷う。散々迷った末に、ゴロゴロとした大きな唐揚げとボリュームのあるエビフライの両方が味わえる「海老フライ・鶏唐揚げ定食(950円)」を注文した。

唐揚げ2個とエビフライ2本がコンビになった定食には、サラダ、みそ汁、それに日替わりの小鉢が付く。まずは唐揚げをひと口。しっかりと味が付いて中まで熱々だ。聞けば、下味を付けて揚げた後、再度、たれに絡ませるのだそうだ。調味料の配合は「企業秘密」と笑顔を見せるのは、店でサービスを担当する小俣博さん。

みそ汁ひとつとっても、とても丁寧に作られている

エビフライも先までしっかりと身が存在し、衣の厚さもちょうどよい。そしてこの日の小鉢は油で炒められてまろやかになった青菜。これがまたおいしい。たまに残念に思う小鉢に出くわすことがあるが、この店の小鉢には定食全体を格上げするほどの存在感があるのだ。

「さばの塩焼き定食」は一夜干ししたサバがうまみを増し、夜、酒の肴(さかな)として食べてもうまそうだと妄想してしまった。

サバの塩焼きと真っ白なご飯

特筆すべきは、日本に生まれてよかったと思わせてくれるご飯。湯気の立つ真っ白でつやつやなご飯は本当に魅力的。どんぶり茶わんにがっつりと盛られ、うれしい限りだ。
以前は2升炊きの炊飯器を使用していたが、次々と客が訪れ、おひつに移す時間がない。少しでも時間が経つと上の米の重みで下のご飯が潰れてしまう。手間はかかるが三つの炊飯ジャーを使って時間差で炊いて、炊きたてを提供している。それが一番具合がいいそうだ。

このご飯がなくなり次第、ランチは終了。およそ30食分だ。売り切れ後に来店する客も多いので、50食に増やすことも考えたというが、クオリティーを下げてしまう可能性もある。毎日売り切って、次の日にまた新鮮な素材を使ってベストなものを提供することがお客様のためだと思い、今はこのスタイルを変えることはないという。

サービス担当の博さんと料理担当の弟の大介さん。健康のためにランチタイムは店に立つという母親の雪子さん。博さんは手際よく注文をさばきながら、テキパキと厨房の弟にオーダーを伝える。その合間に雪子さんに声をかける。このやり取りのアットホームな雰囲気もとてもいい。ランチを食べに来たら、気持ちまで「満腹」にしてくれるのだ。

池袋駅西口から徒歩5分ほど、東京芸術劇場の裏手にある

<今回のお店のデータ>
酒・肴 おまた
東京都豊島区西池袋1-7-8 関ビル1F
03-3986-7770
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/omata/


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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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