小川フミオのモーターカー

2019年の自動車業界を予想 SUV人気はまだまだ続くか

  • 文 ライター 小川フミオ
  • 2019年1月2日

  

&Mでは新年企画として、連載陣による「2019年の展望」をテーマにしたコラムをお届けします。世界的名車の魅力に迫る連載「小川フミオのモーターカー」の筆者小川フミオさんが注目するのは、この先も続きそうなSUVブームの動向と、近年活発化するメーカー同士の連携について。2019年、自動車業界はもっと面白くなる!?

高収益が見込めるSUV メーカー各社が次々参入

2019年後半に発表予定というアストンマーティンDBXもいまはまだ偽装が施された画像だけが公開されている(写真=Aston Martin Lagonda提供)

2019年の自動車に期待することはなにか。大きな流れでいうと、SUVブームはまだしばらく続くと多くのメーカーは見ているようだ。実際に登場予定のSUVは多い。

スポーツカーメーカーのアストンマーティンが現在開発中の「アストンマーティンDBX」はその格好の例といえる。ランボルギーニやロールスロイスもSUVを手がけるようになったトレンドに乗ったものだろう。技術的パートナーシップを結んでいるメルセデス・ベンツの知見を採用しながら、どこまでブランドの個性を出してくるのかが楽しみだ。

SUVは高い収益が見込まれる車種であるため、当然、各メーカーは人気が上がっているその市場に次々と参入してきた。もはやSUVを手がけていないブランドはほぼないといっていい状態だ。

そのなかで、英のスーパースポーツカーメーカー、マクラーレンが2018年夏に将来の計画をジャーナリスト向けに発表した際、「No SUVs(SUVの計画はいっさいありません!)」と打ち出したことには笑わせてもらった。

2018年晩秋にモデルチェンジされたポルシェ911(写真=Porsche提供)

全長5151mmというBMWのXシリーズ中最大サイズの新型車「X7」は2019年春に生産開始(写真=BMW提供)

メルセデス・ベンツのミドルサイズのSUV、GLEが2018年後半にフルモデルチェンジされた(写真=Daimler提供)

2018年晩秋にフルモデルチェンジしたレンジローバー・イヴォーク(車内の人物は英の料理人のジェイミー・オリバー)(写真=Jaguar Land Rover提供)

メーカー同士の連携は最近活発になってきているように思える。例えば、メルセデス・ベンツを持つダイムラーは、ルノー+ニッサン+ミツビシのアライアンスとの共同開発を行っている。

一例は、ニッサンブランドのピックアップトラック「ナバラ」をベースにした、メルセデス・ベンツ「Xクラス」だ。ライトトラックは海外では大きな市場を持っており、高級ブランドも米国西海岸などで歓迎される傾向にある。

さらに高効率の小型エンジンを3社のアライアンスがダイムラーに供給したり、将来は高級セダンを共同で開発するのではないかともうわさされている。(2018年12月20日の時点でパートナーシップは継続している)

2018年晩秋に登場したBMW8シリーズにはコンバーチブルが早くも追加された(写真=BMW提供)

ポルシェ911スピードスターは2019年前半から1948台限定で生産されることが決定(写真=Porsche提供)

日本でも人気が高いアウディのSUV、Q2に追加されたスポーティーなSQ2(写真=Audi提供)

トヨタ・スープラとして発売される予定のクーペが2018年夏の英国「グッドウッド・フェスティバルオブスピード」に偽装のまま登場(写真=トヨタ提供)

もう一つのパートナーシップの例が、トヨタとBMWだ。最初のアナウンスは2012年だったが、6年後の18年の夏、ようやくその最初の成果が、次期スープラ(まだ車体は偽装に覆われていたが)として姿を見せた。BMW側で開発されたモデルは、新型Z4としてすでに試乗会が開かれている。

どこまでお互いにノウハウを提供したか。2社のエンジニアたちは「ほぼ独自に開発しました」と言うが、基本シャシーやエンジンはBMWのものを使うとも聞く。トヨタ側からは「BMWのシャシーの作り方は理想をひたすら追求するもので勉強になった」という声も聞いた。発表は2019年初頭といわれる。

2019年初頭に日本でお披露目されるマツダ3。日本名は「アクセラ」になるらしい(写真=Mazda提供)

メルセデス・ベンツBクラスはフルモデルチェンジを受け、音声認識システムも搭載されている(写真=Daimler提供)

GT-Rに「大坂なおみ選手 日産ブランドアンバサダー就任記念モデル」を設定するのもいいけれど、骨太のセダンを出してほしいものだ(写真=日産提供)

「クルマという乗り物はすでに技術的に完熟していて、これからはパワートレイン(エンジンが生んだエネルギーを車輪に伝える装置の総称)の電気化をはじめ、安全運転支援や自動運転、通信、つまりネットとの常時接続による機能の追加しか“進歩”の余地はない」。そういう声もある。

しかし、本当にそうだろうか。ボディーの溶接技術を含めて、まだまだ小さな改良が大きな変化を生むことがあると私は思っている。2018年秋に登場した「レクサスES」はそのことを実感させてくれた。

レクサスES=&編集部撮影

ESは比較的オーソドックスな作りのハイブリッド車だが、サスペンションなど細部に手が入れられて抜群の乗り心地なのだ。ファインチューニングというのだが、それで“味”が変わるのだから、クルマはおもしろいのだ。

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PROFILE

小川フミオ(おがわ・ふみお)

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クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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