連載・口福のランチ

黒毛和牛を知りつくす精肉卸のハンバーグ「ミート矢澤」(東京・五反田)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2019年1月10日

濃厚な卵の黄身と、とろりと溶けたチーズが食欲をそそる

夜の街のイメージが強かった五反田は、今やベンチャー企業が集まるオフィス街として、また評判のレストランが増え続けるグルメタウンとしても注目のエリアだ。その五反田界隈(かいわい)で行列必至の大人気店といえば、黒毛和牛の精肉卸、ヤザワミートが運営するステーキ・ハンバーグ専門店「ミート矢澤」だ。

この日のお目当ては、うわさのハンバーグ。ランチでは、ベーシックなしょうゆ味の「黒毛和牛100%フレッシュハンバーグ」(1550円)のほか、「デミグラスチーズハンバーグ」(1700円)、「モッツァレラトマトハンバーグ」(1700円)などが食べられる。一番人気がデミグラスチーズの目玉焼き乗せ(+150円)と聞いて、迷わず注文。辺りを見渡すとかなりの確率だ。

ランチのメニューは、サラダ、ライスと赤だしつき。最初に運ばれてきたサラダを完食するころ、熱々の鉄板にのったハンバーグが運ばれてきた。このジュージュー感がたまらない。肉汁を蓄えてパンパンに膨らんだハンバーグは一見小ぶりに見えるかもしれないが、しっかりとした厚みがあり、十分なボリュームだ。

フルーツの酸味がきいたしょうゆ味の「黒毛和牛100%フレッシュハンバーグ」

すぐに別皿のソースを回しかけてナイフを入れると、透明な肉汁が滝のように流れ出す。肉を知りつくすミート矢澤の渾身(こんしん)の焼き加減。まずはひと口。香ばしい外側と、その対極のジューシーでやわらかな中心部。このコントラストは病みつきになりそうだ。

カットすると透明な肉汁が滝のようにあふれだす

ハンバーグと卵に挟まれたチェダーチーズもコクがあってうまい。

ミート矢澤の肉のうまさには定評があるが、「1頭買いはせず、熟練した職人が、各地の最高級の黒毛和牛を、部位ごとに目利きして仕入れています」と店長の酒井義和さん。

牛のウデ、スネ、ネックといった筋肉質の部分は、うまみは強いが、ステーキとして提供するには少し堅い。そこでミンチにすることで肉の持つポテンシャルをうまく引き出しているのだ。筋肉部分のみならずステーキに使うフィレやサーロイン、リブロースなどの上質な肉の切り落としもどんどん入れる。いずれも最高級の黒毛和牛で、おいしくないわけがない。

ハンバーグの材料は、肉以外はタマネギと塩、コショウ、ナツメグなどきわめてシンプル。0度近くまで冷やした肉を挽(ひ)いて、そこから20分~30分、できる限り肉の温度を上げずにしっかりと手ごねする。この素材の融合こそが重要なのだそう。その後しっかりと空気抜きし、300度に熱された分厚い鉄板の上で、両面1分ずつ焼いて肉汁を閉じ込める。その後は熱風を噴出する業務用のスチームコンベンションでベストな状態にまで火入れするのだ。

デミグラスソースに限らず、ソースは全てオリジナル。店舗でじっくりと作り上げる。大きな寸胴鍋に黒毛和牛の牛すじ、牛骨などを、たっぷりの野菜やフルーツとともに3日間じっくりと煮込む。3分の1ほどに煮詰まったソースは丁寧に漉(こ)して、香辛料で味を調える。

店の前で少々並ぶことにはなるが、ストーブが置かれ、ビニールシートで囲まれているので暖かい。椅子にはホットカーペットが敷かれて、お茶も用意されている。このお客目線のサービスこそがミート矢澤のこだわり。提供するすべての料理にこの思いが表れている。連日の行列こそが、客の答えだ。肉を知り尽くした肉問屋が精魂込めた絶品ハンバーグ、食べに行かない手はない。

“肉の街”としても人気上昇中の五反田を代表する店

<今回のお店のデータ>
ミート矢澤
東京都品川区西五反田2-15-13 ニューハイツ西五反田1F
03-5436-2914
http://kuroge-wagyu.com/my/top.html

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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