連載・口福のランチ

海南チキンライスを大山鶏でジューシーに「小料理はなれ」(東京・五反田)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2019年1月17日

次々と注文が入る人気の「大山鶏海南チキンライス和膳」

五反田駅から歩いて5分ほどのビルの2階、17席のみの小さなお店「小料理はなれ」では、体に優しく、抜群においしい膳が、ランチはほぼ全て900円で食べられる。このクオリティーと品数が1000円以内でいただけるとは、また驚きのお店を発見した。

この日のお品書きには、「大山鶏海南チキンライス和膳」、「あんこう蒸し肝みそ膳」、「岩中豚しょうが焼膳」など心ひかれるメニューが6種類。魚は、オーナーシェフの北原拓也さんの故郷・函館の漁師から直送され、その日に入荷する魚によってメニューも変わる。肉は岩中豚や大山鶏など、産地の明確なブランド肉をそろえ、野菜は、オーナーの父親の知人にあたる農家が作る無農薬野菜を中心に使う。

膳には、メイン、スープかみそ汁、サラダ、それに小鉢が3品付く。看板メニューという「大山鶏海南チキンライス和膳」と「牛のたたきポン酢膳(100円プラス)」を注文。カウンターに座ると同時に、メニューも見ずに海南チキンライス和膳を注文する常連客も多く、人気ぶりがよくわかる。

低温でじっくりと火を通したチキンはしっとりジューシー

鶏肉自体がうまい大山鶏は、最初に高温のチキンブイヨンでほんの少しだけ煮て、肉汁を閉じ込める。そのあとは低温でじっくり、ゆっくりと火を通すことで、しっとりジューシーに仕上がるのだそう。しょうがベース、チリソース、ポン酢、岩塩の4種類のどのたれとも相性がいい。鶏肉のうまみの加わったブイヨンで炊いたチキンライスがまたおいしい。

外側の香ばしさを残しつつ、肉の甘み、うまみを閉じ込めた柔らかい牛のたたきも感動の一皿。これだけ肉汁を蓄えているにもかかわらず、皿に血のにじみが一切ないことに驚いた。いかに丁寧に作っているかが本当によくわかる。

ていねいに調理され、甘みのある牛のたたきは、ボリュームも満点

料理に実直に向き合いながら、素材や調理法には少しも妥協しない。それでいて、どの料理もオリジナリティーにあふれている。無農薬野菜のサラダは、シャキシャキで甘い。だししょうゆのかかった温泉卵、タイの子の煮物、鳥そぼろのあんかけ豆腐という日替わりの小鉢もひとつとして手抜きなし。900円で大丈夫なのかといらぬ心配をしてしまう。

オーナーの故郷の函館から直送される魚の膳も魅惑のラインナップ

オープンは2015年の2月で、今年で4年目を迎える。もともとイタリアンレストランを経営していたが、自分が年齢を重ねるに連れ、“オヤジ”が心からくつろげる場所がなくなってきたと感じるようになったという。赤ちょうちんや立ち飲み屋ではなく、上質でゆっくりできる大人の空間、そしてもちろん財布にもやさしい、“オヤジ”応援のための憩いの場所として、この小料理屋をオープンしたのだそう。

ただ、オーナーの思いとは裏腹に、こんなにおいしい料理をみんなが放っておくわけもなく、いまや男女、年齢問わずの人気店になっているのだ。

<今回のお店のデータ>
小料理はなれ
東京都品川区西五反田1-32-8
03-6303-9922

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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