&(and) MUSIC

「バンドの原点」を見つめ直しながら……Spangle call Lilli line・藤枝憲が選ぶ愛にまつわる5曲

  • THE ONE I LOVE vol.28
  • 2019年1月18日

  

こんな時代だからこそ、愛を聴きませんか、語りませんか――。&M編集部がセレクトした“愛”にまつわる楽曲を紹介する連載「THE ONE I LOVE」。今回は、Spangle call Lilli line(スパングル・コール・リリ・ライン)のメンバー・藤枝憲さんのセレクトによる愛の5曲をご紹介。

今年20周年を迎えたSpangle call Lilli line。節目となる年にアルバムを制作するにあたり、自分たちの原点や、20年間のバンドの歩みを見つめ直したという。そこで生じた気持ちの揺れ動きが今回のセレクトにも反映されている。

<セレクト曲>
・New Order「Dreams Never End」
・Stereolab「Ping Pong」
・サニーデイ・サービス「桜 super love」
・Homecomings「HURTS」
・Spangle call Lilli line「mio」

■New Order「Dreams Never End」

もし1曲だけ選べといわれたら、この曲を選ぶくらい好きな曲です。ギターのアルペジオとシンプルなビートという、スカスカな感じが好きなんです。ピーター・サヴィルというデザイナーが生み出しているアートワークも大好きで、New Orderまわりのすべてが好きです。この曲名は自分たちのルーツのひとつでもあるし、20周年のご褒美として、リリースされたばかりの僕たちのアルバムタイトルにも恥ずかしながら引用しました。

■Stereolab「Ping Pong」

この曲を聴いたら「スパングルじゃん」と感じるかもしれません。僕がバンド結成時に、こんな感じのバンドをやりたいと思った、きっかけとなったバンド。今の僕たちがあるのは、実はStereolabのおかげです。当時はエモーショナルでグランジなロックが流行っていたなかで、Stereolabは、キャッチーだけど2コードを長々と繰り返し、抑揚がなくてもいいんだと思わせてくれました。もし初めてこの曲を聴いていいなと思ったら、この次の『Emperor Tomato Ketchup』というアルバムを聴いてみて、それもいいと思ったら、たぶん永遠にStereolabが好きになれます。

■サニーデイ・サービス「桜 super love」

最近のサニーデイ・サービスの曽我部恵一さんはすごい。リリース数も多くて神がかっています。思いついたアイデアをどんどん実現させているのではないでしょうか。本人の物腰はやわらかいけど、裏ではギンギンというか(笑)、ヤバさを感じますね。いろいろなことに対する「それでもやるんだよ」精神を感じます。この曲はやはり冒頭の「きみがいないことは きみがいることだなぁ」という歌詞。好きな人を思い浮かべるときって、意外とその人がいないときですよね。深く共感できました。

■Homecomings「HURTS」

この曲は英語詞ですが、ミュージックビデオには日本語訳字幕が付いています。その世界観がすごくいい。ギターの福富優樹くんが書いているようですが、海外文学が好きそうで、僕と趣味が合いそうです。「HURTS」という曲名で、実際に悲しい歌詞の曲ですが、悲しみのなかに、それでも進んでいくという気持ちを感じます。「がんばろうぜ」とか、直接は言わない感覚がいとおしいですね。ちなみに最近では日本語詞でも歌い始めて、ちゃんと着地点を見つけている。すごくいいステップアップをしていると思います。こういうバンドは長く続けてほしい!

■Spangle call Lilli line「mio」

アルバム『Dreams Never End』を制作するにあたり、20周年ということで原点を振り返る気持ちがありました。20年前の、結成前夜の感覚がアルバムに込められています。僕は田舎から東京に出てきて、そこに(CDショップの)WAVEがあった。HMVがあった。憧れていたカルチャーが全部あった。そこから強い影響を受けているので、今はその文化をつくった人たちの末裔という感覚があります。当時トラットリアという大好きなレーベルがあって、それがfelicity(フェリシティ)という名前に変わって、今そのフェリシティで20周年を迎えています。すこし感傷的な気分で、それを体現しているのがこの曲です。「mio」というのは、ベスト盤のジャケットやMVなどに登場してくれているモデルの名前。Spangle call Lilli lineはわりと記号的なタイトルが多いなか、あえて人名っぽい名前にして、愛着を持てるようにしてみました。(アルバムで)いちばんウェットな曲ですね。


■Spangle call Lilli lineニューアルバム『Dreams Never End』

Spangle call Lilli line
1998年結成。メンバーは大坪加奈、藤枝憲、笹原清明の3人。今までに10枚のアルバム、2枚のシングル、3枚のライブアルバムと、ベストアルバム2枚をリリース。数々のコンピレーションアルバムなどにも参加。ボーカル大坪加奈による「NINI TOUNUMA」名義のソロや、藤枝&笹原による「点と線」名義でのリリース、国内外のアーティストの作品への参加など、サイドプロジェクトも含めて精力的に活動している。

<関連リンク>
Spangle call Lilli line

Spangle call Lilli line (スパングル・コール・リリ・ライン) | felicity (フェリシティ)

(企画制作・たしざん、ライター・大草朋宏)

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

今、あなたにオススメ

Pickup!

Columns