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スニーカー並みのフィット感、ノースフェイスのブーツ 南極観測隊の靴を日本向けに改良

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  • 2019年1月22日

  

この数年、アウトドアウェアを街中で着こなす男性が増えている。カジュアルでちょっとオシャレで着心地もいい。本コラムでは、ファッション性と機能性を兼ね備えたアウトドアブランドが展開する「これさえ持っていれば間違いない」というマストバイなウェア、グッズを紹介していく。

ヌプシブーティー

この3〜4年で、男性にも中綿入りブーツの人気が広がってきているという。そのきっかけとなったのが、ザ・ノース・フェイスの「ヌプシブーティー」。人気アウトドアブランドが手がけたこの中綿入りブーツは「とにかく暖かい」「一度はいたら手放せなくなる」と、足元の冷えが気になるオシャレな男性の間で評判になっている。素材やカラーのラインアップが豊富なのも人気の秘密だ。

極地用アイテムが、日本で独自に進化した

30〜40代の方なら、ザ・ノース・フェイスの定番ダウンジャケットと言えば「ヌプシジャケット」をイメージされる方も多いだろう。1992年にザ・ノース・フェイスが発売した極地向けアイテム「ヌプシジャケット」は、抜群の暖かさと鮮やかなカラーリングで都市住民からの人気を集め、世界的な大ヒットを記録。現在も90年代ファッションを象徴するアイテムとして愛され続けている。

1992年に登場しザ・ノース・フェイスを代表する伝説的なモデルとなった「ヌプシジャケット」

そのイメージを継承して誕生したのが、2006年に発売された「ヌプシブーティー」だ。こちらは南極観測隊をはじめとする極地で活動するユーザーを意識して、テントや観測基地周りで短時間作業することを想定して作られていたアイテム。保温性だけは超一級品だったものの、足が靴の中で動いてしまうなど、かなり歩きにくく「靴としての機能はまったくダメ」だったという。

そこでザ・ノース・フェイスでは、耐水性の向上や軽量化を図るなど、様々な改良を重ねていく。しかし残念ながらアメリカの都市住民から人気を獲得することはできなかったという。既に防水機能と保温性を兼ね備えた堅牢なレザーの雪用ブーツが定番アイテムとして君臨していたからだ。

ところが日本に上陸したヌプシブーティーを待っていたのは、アメリカとは正反対の運命だった。軽く、暖かく、防水性に優れたヌプシブーティーは、日本の寒冷地域の住民から実用的なアイテムとして受け入れられ、やがて有名セレクトショップの別注モデルなどをきっかけに、全国規模の人気を獲得する。こうした状況に後押しされる形で、2012年からは、日本のユーザー向けに(日本企画として)独自のアップデートが行われるようになり、現在の大ブレークへとつながっていく。

「数多くの素材やスタイルから自分にぴったりな一足を選んでほしいですね」とザ・ノース・フェイスの塩原秀樹さん

滑りやすい溶けかけのアイスバーンもグリップするソール

生地の裏側に貼ることで防水機能を高めるメンブレン(=膜)には、高度な防水性・透湿性に加え、結露防止機能を持つ「テックプルーフ」を採用している

日本で改良されたヌプシブーティーは、それまで靴に使用されることが珍しかった高性能な化繊中綿や防水透湿メンブレン(=膜)を採用。北米と比較して雪が溶けやすく、雨が多い日本の冬を意識して、靴の中への浸水を防ぎ、中綿が水にぬれても保温性が下がらないようにした。

上から化繊中綿「サーモライト」を使用したアッパー、ポリウレタンスエード素材のマッドガード、クッション性を高めるEVA素材のミッドソール、ビブラム社製のソール

また靴底も、日本の気候風土に合わせた滑りにくさやクッション性を高めるアップデートが繰り返されてきた。さらに2018年からはイタリアの大手靴底メーカー・ビブラム社の「アイストレック」ソールを採用。こちらはビブラム社のラインアップには存在しないザ・ノース・フェイスの別注モデルとなっており、アイスバーンが溶けかけて表面に水が浮いた非常に滑りやすい路面でもグリップ力を発揮してくれるという

靴底のパターンデザインはザ・ノース・フェイスのオリジナル。降雪時はもちろん、雪が降った後に滑りやすくなった路面も安心して歩ける

スニーカーレベルのはき心地を実現

足を入れてみるとはき心地はスニーカーに近い。フィット感を高めるために随所にパットを搭載。インソールはカップインタイプなので、かかとが左右に振れることがない

防水性、防滑性が改善されたヌプシブーティーだが、日本での最大の変化は、はき心地ということになるだろう。雪の中でも快適に歩けるよう、靴としての完成度を高めなければならないと考えた開発チームは「ラスト」と呼ばれる木型を改良。さらに足首周りにゴムを装着、足の甲部分にパットを入れることでホールド感を高めるなど、徹底的なアップデートを敢行した。その結果、ヌプシブーティーは、暖かく、水に強く、スニーカーと変わらないほどのフィット感を持った、完璧な冬用ブーツに生まれ変わったのだ

「見た目は同じでも、本国版のヌプシブーティーとは全く別物になっています。日本のユーザーの方々のニーズに合わせて“歩く”という行動に重点を置いて、街で使えるようにアップデートしているからです。最初の頃は、日本での売り上げもなかなか伸びなかったんですが、要するに歩きにくかったんですね(笑)」(塩原さん)

パンツインを想定して、はき口は広め。コードを引っ張るだけで締まり、ボタンを押すとリリースする

先に紹介したヌプシトラクション ライトチャッカが、関東以南の都市のために開発された冬用シューズだとすれば、今回紹介するヌプシブーティーは、さらに寒冷地向け。とはいえ真冬ともなれば、首都圏においても急な冷え込みや降雪で必要となるシーンも多い。足元の冷えが気になる人たちにオススメしたいマストアイテムだ。

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)公式サイト
https://www.goldwin.co.jp/tnf/

ヌプシブーティーウォータープルーフVIロゴ(ユニセックス)
¥18,360(税込)
http://www.goldwin.co.jp/tnf/ec/pro/disp/2/NF51876ZZ

取材・文/吉田大
撮影/今井裕治

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