連載・口福のランチ

カレーを飲んでからご飯を食べるのが店主のおすすめ「かれーの店うどん?」(東京・五反田)

  • 文・写真 ライター 森野真代
  • 2019年1月31日

カキの風味が溶け込んだスープが寒い季節にぴったりの「季節のすーぷかれー冬」

五反田駅から歩いて5分ほどの裏通りに、オリジナリティーあふれるカレー店を発見した。「かれーの店うどん?」というネーミングに、まずは食いついてしまうが、オーナーシェフの吹上禎久さんいわく、「甥(おい)っ子が付けたので深い意味はありません」とのことだ。もちろんこの店にうどんは一切なく、正真正銘のカレー専門店だ。

メニューは、さらさらの「すーぷかれー」と、とろみのある「とろっとかれー」をベースに、「季節のすーぷかれー」、「バジルぽーく(850円)」、「とろっとぽーく(800円)」など数種類。そこに「かれーたまご(100円)」、「スパイシーひき肉(200円)」、「焼なす(100円)」などをお好みでトッピングする。

カキのおいしさが楽しめるというコメントにひかれて、12月から2月まで3カ月限定の「季節のすーぷかれー冬(1100円)」を注文。スープはバジルと薬膳の2タイプがあるので、薬膳をセレクトした。ベースのルーは作られているが、注文を受けてから具材を加えて、一つずつ仕上げていく。

メニューに「HPを読んで」 と書かれているのが目に留まり、カレーが出てくる前にスマホを使って予習。この店でのお約束は、「カレーを飲んで、ご飯を食べる」だ。カレーとご飯を一緒に口に入れるのではない。交互に食べるのだ。みそ汁とご飯のような関係だという。面倒くさいと思うなかれ、素直に従えば素晴らしい味に出会えるのだ。

すると皿に盛られたライスとポットに入ったカレーが運ばれてきた。カレーは見るからにさらさらで、とろみは全くない。かぐわしいスパイスの香りが食欲をそそる。

ルーのさらっとした感触とバジルの香りが絶妙にマッチする「バジルぽーく」

ポットからスプーンで直接口に運ぶ。舌がしびれるような辛さはなく、独特だが調和のとれた、スパイシーな味わいだ。予習した通りに、ライスをひと口。かむほどに甘みが口に広がり、お米のおいしさはちょっとした驚きだ。

次に、スープの中に沈んでいるカキをひと口。うまみを蓄え、ぷっくりとしたカキは、スパイシーなカレーと良く合う。食べ進めるうちに、カキのエキスがどんどんカレーに移って、少しずつカレーの味が変わる。飽きることなく最後まで大満足の完食だ。

主人の吹上さんは、大のカレー好きが高じて店をオープン。今年で19年目を迎える。毎日でも食べられるカレー、飽きないカレー、そして胃にもたれない身体にやさしいカレーを目指して試行錯誤を重ね、自分の思い描くカレーを完成させたそう。すーぷかれーには小麦を一切使わず、砂糖も油もほんの少し。スパイスと野菜がほとんどで、まさにヘルシーなカレーだ。

「かれーたまご」を添えたライス。カレーと交互に食べると米のうまみが際立つ

ライスは多めだが、大切な食べ物を残すのはここではご法度。ダイエット中なら、はじめにご飯少なめと注文するといい。ランチタイムは明るくオープンな雰囲気だが、夜は照明を暗くしている。これは東日本大震災の後に始めた節電をそのまま続けているから。ものを無駄にしない、必要なものだけを大切に使うという考え方はカレー作りにも生きている。何十種類もスパイスを使うわけではなく、本当に必要な10種類前後だけ。小麦粉も使わず、本当にシンプルな味わい。だからこそ一つひとつの素材のおいしさが実感できる。

カレーのメニューや食べ方についてぎっしりと書き込まれたHPを読めば、吹上さんがどれだけカレーに対して真摯(しんし)に向き合っているのかがよく分かる。どこまでもカレー好きな店主のいる「かれーの店うどん?」。ぜひ足を運んでみて。

五反田の裏通りに店を構える、カレー通が注目する店

<今回のお店のデータ>
かれーの店うどん?
東京都品川区西五反田2-31-5
03-5434-2308
http://www7b.biglobe.ne.jp/~udon/

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PROFILE

森野真代(もりの・まよ)

写真

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後にフリーエディターに。雑誌やWebを中心に、旅、食、ファッションなどをテーマに執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。「唎酒師(ききさけし)」の資格取得後は、自己研鑽も兼ねて各地の酒処の探索に余念がない。友人を招いての家飲みも頻繁に開催。

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