男のブランド館

40年を経て復活した伝説のジーンズ 「キャントンオーバーオールズ」

  • 文 羽生美香
  • 2016年1月13日

写真:ワークウェアとしての機能性や使い勝手を追求したジーンズ ワークウェアとしての機能性や使い勝手を追求したジーンズ

写真:2016年2月発売予定の「CANTON1963XX」シリーズ 2016年2月発売予定の「CANTON1963XX」シリーズ

写真:新作「CANTON1963-104」の美しいインディゴブルー 新作「CANTON1963-104」の美しいインディゴブルー

写真:タテ落ちが楽しめる「CANTON1963-104」のユーズド タテ落ちが楽しめる「CANTON1963-104」のユーズド

写真:縫製にははき込むほどに色落ちする綿糸を使用
縫製にははき込むほどに色落ちする綿糸を使用

写真:オリジナルデザインのボタンは錆(さび)が味になる鉄製 オリジナルデザインのボタンは錆(さび)が味になる鉄製

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 ここ数年、世の中のジーンズ熱は高まるばかりですが、その中でも日本人らしい緻密(ちみつ)で丁寧なものづくりの精神を生かした国産ジーンズが海外で注目を集めています。今や各国のラグジュアリーブランドがこぞって日本のデニムを採用するほど。そんな日本生まれのデニムブランドを前回に続いて紹介し、今月は4回連続で特集します。

 国産ジーンズが誕生した1960年代の前半から半世紀の間に、さまざまなブランドのたゆまぬ努力と創意工夫の結果、ジャパン・デニムの技術は世界最高のレベルに達しました。今回取り上げる「キャントンオーバーオールズ」も代表的なブランドのひとつ。国産ジーンズの草分けといわれる伝説のブランド「キャントン」が、40年間の空白を経て2008年に生まれ変わった新しいブランドです。

ジーンズ黎明(れいめい)期の傑作

 日本のジーンズ発祥の歴史については諸説ありますが、1963年、大石貿易が米国・キャントンミルズ社のデニム生地を輸入し、岡山県倉敷市のマルヤ被服(現在のビッグジョン)に製造を委託した「キャントン」が、全国的にヒットした国産ジーンズの第1号と言われています。

 キャントンジーンズは、デニム生地だけでなく、ファスナーやリベットまでも米国から輸入するというこだわりよう。当時の日本人にはゴワゴワする肌触りがなかなか受け入れられなかったため、一度洗うことによって生産工程で付着した糊(のり)を落とし、はき心地をよくするワンウォッシュジーンズを世界に先駆けて発売。1968年に生産が中止されるまで、日本を代表するジーンズでした。

伝説の名品ジーンズが復活

 伝説の「キャントン」を、大石貿易の最大の取引先だった商社の豊島が2008年に「キャントンオーバーオールズ」として復活させて販売。新生キャントンは、パターン、縫製から、付属パーツまで、すべてがオリジナルの日本製。ジャパンメイドの誇りを込めて、細部に至るまでこだわり抜いて製造されています。創業時はすべてを本場米国から取り寄せ、現代においては輸入から国産へとシフトするという時代の流れを敏感にキャッチする感性がとても興味深い。そこには、日本のデニムが世界基準に追いつき、追い越すまでのクオリティーに進化したこともうかがえます。

デニム本来の魅力が凝縮したジーンズ

 ジーンズは子供からお年寄りまで、老若男女問わず着用できる上、カジュアルにもおしゃれにも着こなすことのできる万能アイテム。その上、自宅でガンガン洗うことができ(ジーンズマニアの人に叱られそうですが)、劣化を楽しむこともできる。ワークウェアとしてのジーンズにこだわり、機能性や使い勝手を追求。無駄をそぎ落とすことによって独自のデザインを実現したキャントンのジーンズは、本家のデニムブランドにも負けないはき心地やデザインで高く評価されています。

 私が特に魅力を感じるのはキャントンの持つ武骨さ。独特のザラつき感、はき込むほどに表れる大胆なタテ落ち、デニムとともに色落ちしていく縫製糸、錆(さび)が味となる鉄製のボタンなど、キャントンのジーンズにはデニム本来の魅力が集約されています。武骨さを損なわないまま、メイド・イン・ジャパンの質の高さを誇るジーンズは、きっと手放せない自慢の1本になると思います。

    ◇

豊島
03-4334-6016
http://canton.jp/

PROFILE

羽生美香

ライター&エディター。徳島県出身。外資系ジュエリーブランドのPRを10年以上経験した後、フリーエディターに。雑誌やWebを中心に、ジュエリー、ファッションや旅をテーマにした記事を執筆中。無類の食べもの好きでもあり、おいしい店を探し当てる超(?)能力に恵まれている。料理も得意で、友人を招いての家飲みも頻繁に開催。ストレス解消は旅で、スペインとハワイをこよなく愛する。旬のベクトルは日本の良さの再認識と地方の活性化。

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