男の服飾モノ語り 山本晃弘

ヒット中のリュックサック。ビジネスの場合、カジュアルの場合

  • 文 山本晃弘
  • 2016年8月25日

(写真1)ビジネスシーンに持ちたい、黒レザーの小ぶりなリュックサック。9月中旬発売予定。7万6000円(F.クリオ/F.クリオ丸の内 03-6256-0577)

写真:<strong>(写真2)</strong>ネイビーのリュックも、ビジネス用途に向く。9月上旬発売予定。4万8000円(デスティニーズ ディメンション/エススクエアード 06-6263-5594) (写真2)ネイビーのリュックも、ビジネス用途に向く。9月上旬発売予定。4万8000円(デスティニーズ ディメンション/エススクエアード 06-6263-5594)

写真:<strong>(写真3)</strong>カジュアルなら、これくらい斬新なカラーリングを選択するのもあり。8万9000円(コーチ/コーチ・カスタマーサービス・ジャパン 0120-556-750) (写真3)カジュアルなら、これくらい斬新なカラーリングを選択するのもあり。8万9000円(コーチ/コーチ・カスタマーサービス・ジャパン 0120-556-750)

写真:<strong>(写真4)</strong>ダークグリーンのレザーは、上品な印象。12万円(フェリージ/フェリージ青山店 03-3498-6912) (写真4)ダークグリーンのレザーは、上品な印象。12万円(フェリージ/フェリージ青山店 03-3498-6912)

写真:<strong>(写真5)</strong>旅行には、気分を変えてオレンジのリュックもいい。5万4000円(ペッレ モルビダ/ウエニ貿易 03-5815-5720)<br>※掲載した商品は、すべて税別価格 (写真5)旅行には、気分を変えてオレンジのリュックもいい。5万4000円(ペッレ モルビダ/ウエニ貿易 03-5815-5720)
※掲載した商品は、すべて税別価格

[PR]

 リュックサックが売れている。要因はいくつか考えられる。

 最初にヒットのきっかけをつくったのは、自転車通勤のビジネスマンであろう。健康のため、あるいはエコロジカルなライフスタイル志向から、自転車がブームになって数年が経つ。アウトドアテイストのアウターにリュックサック。クリエーター業界のビジネスマンに多いスタイルである。あるいは、カジュアルなシーンで人気を誇ったボディーバッグに代わる休日バッグとして、リュックサックに日が当たったという見方もある。

 一本のショルダーストラップを斜め掛けにするボディーバッグは、年齢層を問わず大きなヒットとなったが、消費者にひと通り行き渡ったことで人気も一段落。それに代わるカジュアル用途のバッグとして、多くの男性になじみのあるリュックサックが主役にカムバックしたという見立てだ。

 そして、雑誌『ポパイ』が“シティボーイ”を再び提唱して、そういったスタイルがファッショントレンドになったことも大きい。1976年に創刊したこの雑誌は、当初はアメリカ西海岸のファッションやライフスタイルをお手本とすることが多かった。その潮流の中で、当時はデイパックと呼んでいたアウトドア用のリュックサックが大きなヒットとなった。創刊から40年を経て、そのころへのオマージュやリスペクトを込めて“シティボーイ”をキャッチフレーズとする最近の『ポパイ』にも、リュックサックが似合う男たちが頻出しているのだ。

 「ビジネスシーンにリュックサックはアリかナシか?」。この質問をされる機会がこのところ増えてきた。「ビジネスバッグは自立型のブリーフケース(書類鞄)。20代ならナイロン製ブリーフケースもよし、40代以上はレザーのブリーフケースに限る」。これが『アエラスタイルマガジン』の提唱してきたバッグのルールである。しかし、着こなしのルールは常に変化、進化するもの。この度、ビジネスシーンでもリュックサックを解禁することとした。ただし「デスクワークだけの日の通勤バッグとしてなら、リュックサックもアリ」としたい。一方、クライアントとのミーティングの予定がある日は、リュックサックはNG。重要なビジネス書類は、やはりブリーフケースから取り出すに限る。

 ブラックやネイビーのレザーのリュックサックなら、大人っぽい顔つきが、ジャケットを着こなした通勤スタイルにもよく合う。例えば「F.クリオ」のリュック(写真1)は、小ぶりのブラックレザーで、ビジネス用途の基本形といっていいだろう。美しさと機能性を併せ持つバッグで定評の高い「デスティニーズ ディメンション」が提案するネイビーのリュック(写真2)は、開口部のマグネットスナップのほかに、背面側の左右に縦ファスナーを配置して、荷物の取り出しやすさを考慮している。

 カジュアルシーンだけで使うことを想定すれば、カラフルなレザーを選ぶのもいい。ブルーにプレッピーテイストのストライプが入ったリュック(写真3)は、ニューヨーク発の人気ブランド「コーチ」のもの。イタリアの老舗ブランド「フェリージ」のリュック(写真4)は、巾着のようなフェミニンなデザインが、ヨーロッパっぽいエレガンスを感じさせる。鮮やかなオレンジのリュック(写真5)を持てば、小旅行などへのお出かけのモチベーションが上がりそう。船旅を楽しむ大人のライフスタイルをテーマに据えたブランド「ペッレ モルビダ」ならではの提案である。

 多くの男性は、それほど多くのバッグを持っているわけではない。ビジネスとカジュアルで使い分けるだけの人が、ほとんどであろう。ビジネスでもミーティングがあるかないか、カジュアルでも近所で過ごす休日か旅行か。そういったシチュエーションで、バッグを使い分けるようになってほしい。バッグがひとつ増えるだけで、着こなしやライフスタイルが大きく広がるかもしれない。

PROFILE

山本晃弘(やまもと・てるひろ)

「アエラスタイルマガジン」(朝日新聞出版)編集長。男性ファッション誌「MEN’S CLUB」や「GQ JAPAN」などの編集を手がけた後、2008年に朝日新聞出版の設立に参画。季刊誌「アエラスタイルマガジン」を創刊し、ビジネスマンに着こなしを提案。同時に、さまざまなメディアで展開するファッション企画の制作を手掛けている。

AERA STYLE MAGAZINE アエラスタイルマガジン

表紙9/24発売商品を購入する

2016秋号 Vol.32

「スーツの着こなし」と「ニュースな視点」が満載!
●表紙&ロングインタビューpick up
福山雅治の仕事論。
●The MAN in the GRAY FLANNEL SUIT
この秋、グレーフランネルスーツを着た男になる。
Vゾーンの新ルール/グレーフランネルに似合うコート/端正に見える靴と鞄カタログ
●大人良品が生まれる、世界のファクトリー。
グランサッソのニット、シーラップのコート、レッド・ウィングの靴
グローブ・トロッターの鞄、ニューヨーカーのコート。
●ニューヨーク、7日間の着こなし。
●ピッティ・ウォモ現地取材~三越伊勢丹の敏腕バイヤーが買ったもの。
内山 融「知らないでは済まされない!憲法改正シミュレーション」
小松宏子「世界のベストレストラン50 初のNY開催」
鹿島 茂「キリスト教の道徳を教える書、そこに“快楽の鞭”を知る」
●片岡愛之助、人生の節目に「仕事と家族」を語る。
●岸本佐知子翻訳
「わたしの騎手(ジョッキー)」ルシア・ベルリン著
●長尾智子の週末料理のススメ
「秋の夜長にハッシュドビーフを」
AERA STYLE MAGAZINEとは・・・
「一般のビジネスマンにファッションの楽しさを改めて知ってもらいたい」―― そんな思いの下、AERAの別冊として、2008年11月に季刊として創刊しました。 ハイクオリティなビジュアルと、アエラ別冊ならではの知的な読み物が共存した誌面は、 ビジネスマン読者の共感を呼んでいます。

オフィシャルブログ

&Mの最新情報をチェック


&Mの最新情報をチェック

Shopping