イタリアの商店<第24回>顧客の嗜好を熟知する「リサイクルショップ」

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 「メルカティーノ」とは本来「小さな市場」の意味だが、今日のイタリアではチェーン系リサイクルショップの名称として知られる。お客が品物を持ち込むと店員が値付けする。その品物が売れると、持ち込んだお客に手数料を引いた分が支払われる。いわば委託販売だ。
 ジャンニ・ビンディさんは中部シエナでフランチャイジー(加盟者)となって20年になる。ショップには1950~60年代のタイプライターやレコード、そして埃(ほこり)が被(かぶ)ったワインなど、家庭の物置の中にあるような品が多く並ぶ。「そんな高い値段で大丈夫?」というものもすぐに売れ、一方で日本人のコレクターなら垂涎(すいぜん)もののアイテムに超お買い得の値札が付いていたりするのが面白い。地元顧客の嗜好(しこう)を熟知するジャンニさんの目利きだ。最近では、アメリカ人観光客なども訪れるようになった。「この流れが続いてくれるのを願ってる」とジャンニさんは話す。イタリア人の古いものに対する愛情は、異国の人たちの心もつかんでいる。(文 大矢アキオ Akio Lorenzo OYA、写真 大矢アキオ Akio Lorenzo OYA/大矢麻里 Mari OYA)

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    PROFILE

    大矢アキオ(おおや・あきお) Akio Lorenzo OYA

    コラムニスト/イタリア文化コメンテーター。東京生まれ、国立音大卒(ヴァイオリン専攻)。二玄社『SUPER CAR GRAPHIC』編集記者を経て独立。30歳でイタリア・シエナに渡る。現在、雑誌、webに連載多数。実際の生活者ならではの視点によるライフスタイル、クルマ、デザインに関する語り口には、根強いファンがいる。テレビ、ラジオでも活躍中。『Hotするイタリア―イタリアでは30万円で別荘が持てるって?』(二玄社)、『カンティーナを巡る冒険旅行』(光人社)、『イタリア発シアワセの秘密 笑って!愛して! トスカーナの平日』(二玄社)、『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、電子書籍iPad/iPhone/iPod touch用『イタリア式クルマ生活術』(NRMパブリッシング)など数々の著書・訳書あり。

    大矢麻里

    大矢麻里(おおや・まり) Mari OYA

    イタリアコラムニスト。東京生まれ。短大卒業後、幼稚園教諭、大手総合商社勤務などを経て、1996 年にイタリア・トスカーナの古都シエナに移り住む。 国立シエナ外国人大学で学び、現地の料理学校で通訳・アシスタントを務めるかたわら執筆活動を開始。NHKラジオテキスト『まいにちイタリア語』をはじめ、イタリア文化や生活関連の連載・執筆多数。 NHK『マイあさラジオ』など、ラジオ番組でもリポーターとして活躍中。

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