日本の伝統美 「Japanese Samurai Fashion」

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 福島県相馬地方で伝承されてきた祭礼「野馬追」を取材したエバレット・ケネディ・ブラウンによる写真集が刊行されました。祭事とポートレートをモノクロの「湿版光画(湿板写真)」という古典技法で、侍衣装をカラーで撮影しています。
 「湿版光画」とは、ガラスに液体を塗布して撮影し、ガラスのネガを作る、江戸時代末期から明治初期の撮影技法です。長い時間をかけて映し出された写真には、最近の撮影にもかかわらず、代々受け継がれてきた武家装束に身を包んだ人々の時間と空間を超えた魂と精神の強さが感じられます。
 一方、先進的なデジタル技術を駆使したカラー写真は、古典的な湿板写真の白黒の”わび”の美しさとは対照的に、着物の様々な文様と色彩華やかな“歌舞伎”を連想させます。
 日本人の記憶から失われつつある日本文化や歴史の流れを呼び起こすような写真集から一部を紹介します。

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    PROFILE

    Everett Kennedy Brown(エバレット・ケネディ・ブラウン)

    湿版光画家、文化庁長官表彰(文化発信部門)被表彰者、ブラウンズフィールド代表。1959年、アメリカ・ワシントンD・C生まれ。88年に来日、その後永住。epa通信社日本支局長を経て、作家として日本文化を海外に紹介し続けている。「ナショナル・ジオグラフィック」「タイム」「ニューヨーク・タイムズ」「ルモンド」の各紙など、欧米の主要なメディアで作品を発表。ドイツのGEO誌で「ピクチャー・オブ・ザ・イヤー」に選出される。著書に『日本力』(松岡正剛との共著)、『俺たちの日本』、『ガングロガールズ』ほか多数。幕末にペリーと共に黒船で来日し、国内で初めて日本人を撮影した写真家・エリファレット・ブラウンJr.は、彼の遠い先祖にあたる

    BOOK

    Japanese Samurai Fashion

    Japanese Samurai Fashion
    (赤々舎)エバレット・ケネディ・ブラウン(著)

    日本の古層(オールドレイヤー)を、「湿板光画」という写真の古典技法で映し出し続けるエバレット・ケネディ・ブラウン。 一期一会にも似て、一枚のガラスネガに焼き付けられる表象は、独特の陰影を帯びて立ち現れる。 本書は、湿板光画とデジタル写真という時代的に隔たりのある技法を自在に用い、「わび寂び」と「ハレ」とが共存する日本文化への視点を鮮やかに伝えるものである。そこには、祭礼と服飾と人との深いかかわりが息づき、伝統と革新が共存するような一書となるだろう。
    3,500円+税|260×260mm|110ページ
    http://www.akaaka.com/publishing/books/bk-everett.html

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