これぞみんなが待っていたレクサス 新型ES300h試乗記

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このクルマを待っていたひとは、けっこう多いのではないだろうか。比較的余裕あるサイズだけれど、パーソナル性が高い、レクサスの新型車「ES」だ。

ESはLSの下のグレードに位置する車種。1989年に「レクサス」ブランドが誕生してから今日まで、モデルチェンジを経ながらも、ずっとラインナップされている“最古参”モデルだ。

日本でも新型が2018年秋に発売されることが決まっている。レクサスの人気が高い米国で、ハイブリッドのES300hに試乗した。

新型ESは「パーソナル感を出しました」とレクサスのデザイナーが言うように、リアウィンドーが大きく寝かされていて、ファストバック(リヤエンドに向けて一気に傾斜するルーフライン)的な雰囲気がある。

実際はホイールベースが2870mmもあって、前後席ともに空間的余裕はたっぷりとられているが、スポーティーなルックスなので運転手に見られることはなさそうだ。

今回、新型ESに乗ったのはテネシー州ナッシュビル。僕が最後に訪れたのは15年ぐらい前だったので、街の変貌(へんぼう)ぶりには驚かされた。郊外には国立公園のなかを走るナッチェストレースパークウェイがあり、ドライブが楽しめる環境は変わっていない。

新型ESを運転して感心したのは、足まわりである。基本的なシャシーは先に発売されたカムリと共用だが、「ウルトララグジュアリー」(日本ではバージョンLに相当)に用意される「スイングバルブダンパー」はES専用に開発されたものだ。

街中ではしっとりと、高速では快適。しかもカーブを曲がるときに車体の動きは実に安定している。ことサスペンションに関しては、僕はレクサス車の中でベストの乗り心地ではないかと感じたほどだ。

日本で販売されるモデルにも導入される2.5リッター4気筒ハイブリッドユニットは、走り出しは力強い。中間加速ではややパワー不足を感じる場面もあったけれど、高速での伸びもよく、総じて印象はよい。

一方、スポーティーな「Fスポーツ」仕様に「スイングバルブダンパー」は搭載されないが、このクルマにも個性がある。操舵(そうだ)感がダイレクトで、走らせると気持ちがよい。

二つのモデルは異なるキャラクターを備えているので、選ぶ楽しみを提供してくれている、と言うことも出来る。

室内は静粛性がかなり高い。タイヤの踏面が路面にあたったときに生むドラムスのような音を軽減する新設計ホイールを採用するなど、徹底的な遮音や防音の結果だ。

おかげで、オプションのマークレビンソンのオーディオが鳴らす音楽が楽しめた。ナッシュビルはミュージックシティーとよばれ、カントリーミュージックをはじめ、有名なミュージシャンの出身地やスタジオで知られてきた町だ。

僕の愛聴盤のひとつ、エルビス・プレスリーの「エルビス・カントリー」も同地で録音されたことなどを思い出しながら、おそらくこのクルマは日本で走らせても気持ちいいだろうと思った。

(文・小川フミオ)

写真=LEXUS INTERNATIONAL提供

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    PROFILE

    小川フミオ(おがわ・ふみお)

    クルマ雑誌の編集長を経て、フリーランスとして活躍中。新車の試乗記をはじめ、クルマの世界をいろいろな角度から取り上げた記事を、専門誌、一般誌、そしてウェブに寄稿中。趣味としては、どちらかというとクラシックなクルマが好み。1年に1台買い替えても、生きている間に好きなクルマすべてに乗れない……のが悩み(笑)。

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