破壊とアップデート Chim↑Pomによるインスタレーション

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Chim↑Pom(チン↑ポム)は、卯城竜太、林靖高、エリイ、岡田将孝、稲岡求、水野俊紀の6人によるアーティスト集団で、2005年より始動。映像やインスタレーション、パフォーマンスなど、さまざまな形で作品を発表している。

7月22日まで東京・恵比寿にあるNADiff a/p/a/r/tで開催されている展示「NADiff a/p/a/r/t 10周年記念Chim↑Pom展 」では、ギャラリーの白壁を破壊し、彼らが10年前に同地で展示を行った際に残したウォールアートを再び蘇(よみがえ)らせた。

「一番大事なのは、共有なんだなって学びました。作品を通して”今を生きている”ということをみんなと共有したい」と語るエリイ。

前回の展示から10年が経ち、何か変化があったか?という問いには「まぁ、見ての通りです。僕らは何も変わってません」(稲岡求)と顔を見合わせ、笑顔で振り返る。

東日本大震災が発生した2011年には、福島県相馬市に足を運び、そこで出会った被災者たちと共に円陣を組み、カメラに向かって思い思いに100の言葉を叫ぶ様子を収めた映像作品「気合い100連発」を制作。

東京・渋谷駅にある故・岡本太郎作の壁画「明日の神話」には、原発事故を連想させる落書きを設置して物議を醸した。

美しい観光地として名高い、バリ島の深刻な廃棄物処理問題を映像作品化した「Saya mau pergi ke TPA」をはじめ、神出鬼没、時に過激で奇抜なその手法は、常に注目を集めている。

「他者と違う」ということを貫き続けるのは、この国では難しい。だけど「本当にオリジナルの表現」「現実社会や、既存の価値観への挑戦」こそアートの本質であり、世界で彼らが評価されている理由でもある。

今回、作品として設置されている便器は、下の階へと貫通しており、天井から絶え間なく水が滴り落ちる。階下は床一面が水で満たされており、オーディエンスは廃材で作られた足場を慎重に進みながら、空間そのものを作品として体感することになる。

「やればやるほど理解者が増えて、活動しやすい環境になりましたね」(岡田将孝)と語る彼らだが、まだまだ疎外感を感じることもあるという。現実を私たちに突きつけ、そして現実を自分たちの色に塗り替えていくChim↑Pomの作品。その挑発的な言葉は、あなたの胸に刺さるだろうか。

(文・山田敦士)

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    PROFILE

    Chim↑Pom (チン↑ポム)

    2005年8月、東京で結成。卯城竜太・林靖高・エリイ・岡田将孝・稲岡求・水野俊紀の6人からなるアーティスト集団。時代のリアルに反射神経で反応し、現代社会に全力で介入した強い社会的メッセージを持つ作品を次々に発表。映像作品を中心に、インスタレーション、パフォーマンスなど、メディアを自在に横断しながら表現している。東京をベースに活動しながら、世界中の展覧会に参加、海外でもさまざまなプロジェクトを展開。
    http://chimpom.jp

    EXHIBITION

    NADiff a/p/a/r/t 10周年記念展「日本のアートは」
    2018年7月6日(金)〜2018年7月22日(日)
    NADiff A/P/A/R/T 1F〜B1F
    12:00〜20:00(会期中は無休)
    入場無料
    http://www.nadiff.com/?p=10014

    *建物メンテナンスに伴い、7月21日(土)、7月22日(日)は、インスタレーションの一部(地下フロア)が鑑賞不可。全てのインスタレーションを鑑賞できるのは7月20日(金)まで

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