梅沢和木×TAKU OBATA 気鋭の現代美術家2人が挑む「既存の風景」の超克

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東京・外苑前のワタリウム美術館で、気鋭の現代美術家2人による展覧会「超えてゆく風景 梅沢和木×TAKU OBATA」が開催されている。本展を企画したのは、同館キュレーターの和多利浩一さん。対極的なアーティスト同士の作品を同空間に並べることで生まれる面白さを狙ったものだ。

自身のサイト名称「梅ラボ」というニックネームでも呼ばれる梅沢和木さんは、日本橋のギャラリー「CASHI」に所属、現代美術家3人によるグループ「カオス*ラウンジ」のメンバーでもある。インターネット上にあるキャラクター画像などを収集、コラージュしたものを出力し、その上にアクリル絵の具などを重ねる手法で話題を集めている。

対するTAKU OBATAさんは、B-BOY彫刻家という異色の肩書を持つ。高校生の時に始めたブレイクダンスを原点に、ダンサー独自の身体表現や躍動感などを彫刻に昇華し、国内外のアーティストにもファンが多い。

展示会場の2階にはTAKUさんが制作した2.3メートルと1.7メートル、計2体の彫刻が据え置かれ、周囲の壁面を埋め尽くすように梅沢さんの作品が展示されている。3階は梅沢さん、4階はTAKUさんの個展スペースとなっており、それぞれ独特の世界観を醸し出している。

今回、展示会場でTAKU OBATAさんに話を伺った。大きな木から直接切り出す彫刻を立像として設置するには、高度なデッサン力と技術が必要で、仏像制作と同様の手法を用い、魂を込めて彫るのだという。

TAKUさんは「ダンスをルーツに作品制作を始め、重力に興味を持つようになりました。2階の作品は、彫刻という具象作品を通して重力と向き合ったもの。4階の映像は抽象表現で、無重力に向き合って制作した作品です」と真摯(しんし)な表情で語ってくれた。

その4階に展示されている、宙に浮くキューブ状の木彫を撮影した「Takuspe buttai Abstract」は、今回の展示に合わせて初めて公開した実験的な試みで、照明を落とした真っ暗な空間で独特の浮遊感を楽しむことができる。

一方、梅沢さんの個展スペースとなる3階には、梅沢さんが高校生の頃から現在までに制作したさまざまな作品が展示されている。創作初期からの作品を見ることで、これまでの活動の一端に触れられる。

重力や、伝統からの解放。新進気鋭のアーティスト2人が、既存の風景を「超えていく」という野心的な試みを、作品を通して感じられる展覧会だ。

(文・山田敦士)

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    EXHIBITION

    HYPER LANDSCAPE 超えてゆく風景展

    2018年 12月2日(日)まで
    ワタリウム美術館
    開館時間:11:00~19:00(水曜日は21:00まで)
    http://www.watarium.co.jp/exhibition/1809hyperlamd/



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